http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/620.html
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今年3月10日の記事だが興味深い。
シリアのアサド政権と過激派組織「イスラム国」(IS)の原油取引を仲介したとして、欧州連合(EU)は7日、シリアの土木建築会社オーナーを新たにEU域内への渡航禁止や資産凍結の対象とする制裁を発動した。8日、ロイター通信が報じた。欧米各国はアサド政権がISから原油を購入している可能性が高いとして同政権を非難してきたが、それを裏付ける形となった。
EU官報によれば、制裁対象となったシリアの土木建築会社オーナーのジョージ・ハスワニ氏は、レバノン国境に近い都市を拠点に活動し、アサド政権に近い人物とされる。アサド政権がISから原油を購入する取引を仲介して同政権を支援し、政権から利益を得たという。時期など詳細は説明されていない。
ISは、天然資源の密売や誘拐の身代金、住民からの強奪などによって多額の活動資金を得ているとされ、その根絶が国際的な課題となっている。
国連安全保障理事会から依頼を受けた専門家が昨年11月にまとめた報告書によると、原油の売上高は、1日あたり84万6千〜164万5千ドル(約1億〜1億9千万円)にのぼるという。
欧米各国は、アサド政権が表向きは対ISで欧米と協調する姿勢をみせる一方で、ISから秘密裏に原油を購入し、結果としてISに多額の資金を提供しているとして非難してきた。今回の制裁はそれを公に認定した形となり、ハモンド英外相は声明で「(制裁)リストはアサド政権の対ISの戦いが偽りで、ISを財政的に支援していることを示している」と述べた。
EUはアサド政権が反体制派への弾圧を続けているなどとして、これまでにアサド大統領ら個人218人、69の企業や団体にEU域内への渡航禁止や資産凍結の制裁を科している。(ブリュッセル=吉田美智子)
http://digital.asahi.com/articles/ASH3910KQH38UHBI01J.html
米国は昨年9月からシリアでISへの空爆を続けてきたが、アサド政権に圧力をかけるためにISを利用し、ISに甚大な被害をもたらす本格的な空爆を控えてきた可能性が高い。現在までISの石油密輸が続けられてきており、ISの支配下にある油田が決定的な打撃を受けていないことはそのことの傍証となる。一方、アサド政権にとっては、ISが表面はともかく、実際としてはアサド政権打倒を目指す動きを見せていないこと、そしてアサド政権にとってISよりは反体制派武装組織の脅威が大きいことから、散発的な戦闘はあってもアサド政権はこれまでISとの「共存」関係を維持してきており、そのなかでISとの石油取引も行なわれてきたのだろう。しかし、ロシアの空爆参加によって反体制派武装組織が集中的に空爆されたことでその脅威が減少し、アサド政権とISとの力関係は大きく変わった。もはやアサド政権はISとの「共存」関係を維持する必要はなくなったと見るべきである。
こちらは11月26日の記事である。
「イスラム国」と石油取引で制裁 米財務省 東京新聞
【ワシントン共同】米財務省は25日、シリアのアサド政権に対する経済制裁の一環として、同政権による過激派組織「イスラム国」からの石油購入を仲介したなどとして個人4人と6企業を制裁対象に加えたと発表した。米国内の資産凍結や米企業との取引停止が科される。
米政府は、アサド政権が「イスラム国」と石油取引をし、同組織の影響力拡大を助長していると指摘していた。財務省は「シリア国民に暴力行為を働くアサド政権の財源を標的にしていく」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015112601000625.html
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