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“対テロ戦争”はウソであることを、これらの表が証明している マスコミに載らない海外記事
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/541.html
投稿者 お天道様はお見通し 日時 2015 年 12 月 04 日 06:03:39: I6W6mAZ85McLw
 



Rebecca Sumner
The Canary
2015年11月28日

ずっと昔“対テロ戦争”で世界はより安全になると言われたものだ。ところが永久戦争の14年後、世界中のテロ攻撃は、6,500%と驚くほど急増した。


テロを終わらせることが目標だったのであれば、“対テロ戦争”は絶望的な失敗だ。2001年に開始されて以来、テロ攻撃と、それで殺害された人々の数はうなぎ上りだ。


2000年-2014年の国別テロ死者数
写真


上の図は、経済平和研究所が発表した、『2015年世界テロ指標』からのものだ。この指標は、昨年のテロによる全死者の78%が、5か国だけで生じていると書いている。イラク、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンとシリアだ。


1. イラク


イラクが指標第1位で、2014年、テロ死亡者は衝撃的な9,929人 - 全ての国の中で最高記録だ。下記の図(指数の数値に基づく) イラクでのテロ攻撃の増加が、2003年の侵略直後から始まっていることをはっきり示している。(青は件数、赤は死者の数)


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2. アフガニスタン


第2位は、アフガニスタンで、不朽の自由作戦が、9/11から数週間後に開始され“対テロ戦争”の最初の標的となった国だ。作戦の目的の一つは、アフガニスタンが テロリストの温床になるのを防ぐことだった。ところが、14年間の介入で、テロ事件は、2002年の30件から、2014年の1591件へと、5,000%以上増えている。


写真


3. ナイジェリア
年々、300%以上、テロ死亡者数が増加している、ナイジェリアは、指数で第3位だ。ボコ・ハラムとISILによる死者の合計は、2014年の世界テロ死亡者の半数を越える


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4. パキスタン
パキスタンでは、2002年以来、テロ攻撃は、4,000%以上増えた。9/11以前の14年間、パキスタンでは、わずか一件の自爆攻撃しかなかったが、以来、14年間で、486件の自爆攻撃があり、6,000人以上が亡くなったと、メフディ・ハッサンは書いている。


写真


5. シリア
2011年に始まったシリア内戦では、グラフではっきりわかる。明らかでないのは、連合国空爆がテロ事件数に影響したのか、したのであればどのようにだ。


写真


対テロ戦争は更なる戦争を生み出し、さらなるテロを生み出す


昨年、もっともテロの多かった5か国中、“ナイジェリアだけ、その年、アメリカ空爆も軍事占領も経験しなかった”と世界テロ・データ分析で、ジャーナリストのポール・ゴッティンガーが書いている。


イラクの場合には、欧米の介入がテロの急増をもたらしたことが広く認められている。イギリス諜報機関とアメリカ政府の報告書も、同様に認めており(トニー・ブレアすらもが、うっかり口を滑らせそうになっている)、アルカイダの戦略家アブ・ムサブ・アル-スリが、その結果を祝っている

イラクでの戦争が、ほぼ独力で、聖戦運動丸ごと救済してくれた。

欧米の失敗した介入が10年以上続いた結果、恐らく290万人もの人々が死亡し、イラク国民に途方もない苦難を引き起こしている。ニュー・ステーツマンで、メフディ・ハサンが指摘した通り “もし爆撃が‘機能していれば’、イラクはとうの昔にスカンジナビア風のユートピアに変身していたはずだ。”ところが逆に、テロ活動の新記録で、イラクは混乱状態にあり、更なる外人戦士たちが日々イラクに押し寄せている


シリアの場合には、つながりはさほど明瞭ではない。アメリカの諜報機関でさえ、連合国の爆撃により、何百人もの一般市民や、何千人もの戦士が死亡した後も、ダーイシュ (Isis)が一年前より、決して弱体化していないのは確実だと認めている。実際、戦士の人数は、20,000-31,500人から、少なくとも昨年、80,000人にまで膨れ上がっている


世界テロ指標は統計分析を行い、二つの要素がテロと最も関連することがわかった。


国家が行う政治的暴力の水準と、国内における武力紛争の水準だ。報告書で、[…]  1989年から2014年までの全テロ攻撃の88%が、武力衝突が起きたか、関与した国々で起きた。


“対テロ戦争”が優れている点が一つあるとすれば、更なる戦争を生み出すことで、もう一つ優れた点があるとすれば、更なるテロを生み出すことだ。


木曜日、デービッド・キャメロンは、それで“我々はより安全になる”と主張し、シリア空爆をイギリスが開始する‘道義的理由’を主張した。だが、対テロ戦争が我々をより安全にしないのは極めて明白だ。もし、テロを打倒するのが目標なのであれば、破壊ではなく、生み出すものに対する戦いを始めるべきなのだ。


写真は、アメリカ軍/Flickr.


最初の図は、経済平和研究所、『2015年世界テロ指標


以降の各図は『2015年世界テロ指標』のデータにもとづく、著者によるもの。


記事原文のurl:http://www.thecanary.co/2015/11/28/entire-war-terror-lie-charts-prove/


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宗主国の銃撃事件、映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』を思い出した。今年は、銃の売り上げが、これまでになく多いという。


永久対テロ戦争で儲かるのは、無限に兵器を売り続けられる軍需メーカー、そのリベートをもらえる与党政治家。こういうものに傀儡は前のめり参加。自分のポケットは重要だが、後は、庶民など野となれ山となれ。


『日刊ゲンダイ』
許していいのか TPP合意文書「日本語訳」がない驚愕


国民の将来を未来永劫、世界企業囲い込みの餌食にする法制度で、二番目に大きな経済圏の国の言語を正文にしないよう、意図的に工作し、主権を積極的に放棄する異常な傀儡政権のとんでもない実態を批判しない組織「傀儡権力の番犬」以外、形容しようがない。


“対テロ戦争”はウソであることを、これらの表が証明している マスコミに載らない海外記事



 

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コメント
 
1. 2015年12月04日 07:56:48 : F7DDbdai5D : ifcPRf0&kFc
誰とは言わんがこんな簡単な計算がわからない人が大勢いる。

2. 2015年12月04日 14:33:21 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE
ドイツはなぜシリア参戦を決めたのか? テロリストに狙われる危険は急上昇。それでも軍事行動に出る本当の理由
2015年12月04日(金) 川口マーン惠美


ドイツ空軍のトーネード戦闘機 〔PHOTO〕gettyimages
参戦を決めた本当の理由
ドイツ政府は12月1日、シリア参戦を閣議決定した。議会の承認も確実の見込みで、12月上旬中には出動できるという。

まずは、トーネードという戦闘機6機と、空中給油機1機を展開。そして、地中海にいるフランスの原子力空母シャルル・ドゴールを守るため、護衛艦も出すらしい。フォン・デア・ライエン国防大臣(女性)は、やけに軍事行動に熱心だ。


フォン・デア・ライエン国防大臣
政府は、トーネードは偵察機で、戦況を上空から把握するのだと言っているが、同機は多用途攻撃機なので、もちろんその気になれば爆撃もできる。この作戦に900人から1200人が投入されるとか。アフガニスタンから帰ってきたばかりなのに。

もっとも、ドイツ国内ではいつもどおり派兵については賛否両論。そもそも、作戦が稚拙というか、なさ過ぎるという非難の声も多い。

シリア戦線では、いったい誰が誰と戦っているのかがわからないほど戦況がこんがらがってしまっている。敵がISだということは一応わかっているが、対ISで共闘しているはずの国々が、実は必ずしも味方ではない。それどころか、敵であったりする。

すでに米国、ロシア、フランスがシリア空爆を行っている(イギリスはこれまでイラクのみだったが、おそらく来週からはシリアも)が、各国の軍を束ねる総指揮官がいない。もちろん共同作戦もない。とくに、ロシアが蚊帳の外に置かれている。だから、ロシアの戦闘機が味方であるはずのトルコ軍に撃墜されるという事件も起こる。

ISを倒したあと、シリアをどうしたいかについても意見はバラバラだ。ロシアやイランは、アサド政権を立て直したいと思っているが、フランスや米国は、ISをやっつけたあとはアサド政権を潰すつもりだ。

しかし、そんなに容易くISが駆逐されるだろうか。アフガニスタンのように、泥沼になってしまう可能性は限りなく大きいのではないか。しようがないので、ドイツはとりあえず上空から偵察。

ただ、ドイツの参戦には、テロ撲滅やフランスとの連帯などという表向きの理由の他に、実は大きな目的がある。シリアからとめどなく流れてくる難民の波を止めるために、ぜひともシリア情勢の沈静化が必要なのだ。それを知ると、ドイツの昨今の他の動きも、結構わかりやすい。


ブリュッセルで開かれた“EU+トルコ”サミット 〔PHOTO〕gettyimages
EUの最強国がトルコに擦り寄ったワケ
11月29日、ブリュッセルで、EU首脳がトルコのダウトオール首相を招き、“EU+トルコ”というサミットを持った。音頭を取ったのはメルケル首相。その6週間前の10月19日にも、メルケル首相はわざわざイスタンブールまで赴いて、これ以上、難民をトルコから出国させないよう頼み込んでいる。

トルコは、難民のハブ国なのだ。イラクともシリアとも長い国境で接しているため、ISを逃れてトルコで難民として保護されている人たちがすでに250万人。難民はひっきりなしに、トルコ経由でギリシャに渡り、バルカン半島を北進してドイツまでやってくる。

「難民受け入れに上限は作らない」と頑と言い張っているメルケル首相は、国内で与野党から、また一般国民からもかなり追い詰められ、打開策を打ち出す必要に迫られている。そこで出てきたのが、難民の元を断つ作戦。それが、シリアでの軍事行動であり、また、難民のトルコ封じ込め作戦でもある。

ドイツ政府はこれまでトルコを反民主主義だと非難していたが、もう、そんなことを言っている場合ではない。どうにかしてトルコの協力を仰いで、出国者を厳しく取り締まってもらわなければならない。そこで11月29日、トルコを交えたサミットがあわてて設定されたというわけだった。

トルコとEUの関係というのは一筋縄ではいかないが、すでに切っても切れない関係でもある。特にドイツには、70年代に入った大量のトルコ人労働者が定着し、すでにドイツ国籍を取得している人も含めればその数300万人。そろそろ四世が生まれ始めている。

トルコがEU加盟候補国となったのは1999年。トルコ政府は6年という年月をその準備に費やし、正式なEU加盟交渉が始まったのは2005年のことだった。当時のドイツの政権は社民党と緑の党の連立で、シュレーダー首相がトルコのEU加盟にとりわけ熱心だった。

最初のうち、トルコは加盟を目指して様々な改革に励んだが、そのうち「EUは本気でトルコの加盟など望んでいない」ということに気づき、バカバカしくなったようだ。エルドアン大統領も、EU加盟より、中東の盟主になるほうに舵を切った。


メルケル首相と談笑するトルコのダウトオール首相(中央) 〔PHOTO〕gettyimages
これまでEUとトルコが同じ目線で話し合ってきたかというと、そうとも言えない。シェンゲン圏(ヨーロッパの26ヵ国)の国民はトルコにビザなしで入れるが、トルコ国民はビザが要るという不平等条約(?)の存在もある。

ここ数年は、難民が急増して困りきったトルコが、何度も援助を求めていたが、EUはずっと無視し続けた。多くのEU国は、トルコをしばしば上から目線で見ていることも、周知の事実だ。

ところが今、EUの最強国ドイツがトルコに擦り寄っているのである。サミットで、「多くの難民を保護しているトルコは、これまで誰からも援助を受けていなかった。彼らにはEUから援助を受ける権利がある」とメルケル首相。

トルコのダウトオール首相は満面の笑みをうかべて、「今日は歴史的な日である。我々の大陸の将来の運命がかかっている。我々はヨーロッパという家族の一員となった」と返礼した。

あれは演技だったのだろうか、それとも本当に嬉しかったのだろうか。トルコに戻ってから、「もっとクールにやれなかったのか?」とエルドアン大統領に文句の一つも言われるのではないかと心配になるほどの舞い上がり方だった。

メルケル首相の政治生命がかかった「取引」
このサミットで、EUがトルコに提案したのは、難民庇護に対する30億ユーロ(約4,000億円)の援助と、シェンゲン圏でのビザ義務の停止(16年10月から、トルコ国民は短期滞在ならビザは要らなくなる)。

さらに、トルコのEU加盟交渉の本格再開。また、トルコに溜まってしまっている難民のうち、40万人をEUが引き受けるという話も出ているようだが、これはまだ検討中。

その見返りとして、トルコはシリアとイラク国境の監視を強化し、難民がこれ以上トルコに入ってこないようにする。すでに入っている難民に対しては労働の許可を与え、子供は学校に行かせる(難民をトルコに定着させることが目的)。また、難民が勝手にギリシャへ移動することのないよう、ギリシャ国境をしっかり監視することなどが求められている。

またEUは、これからEUで庇護申請をする難民が、もしもトルコからやって来たということがわかれば、その難民をトルコへ送り返すことができるようにもしたい意向だ。つまり、一言で言うなら、EU、とくにドイツが「民主的に」難民を減らすための、トルコとの「取引」だ。


トルコからギリシャへ渡る難民はいまだ後を絶たない 〔PHOTO〕gettyimages
ただ、よくよく聞いてみると、中身がかなりいい加減で、トルコに渡す30億ユーロの出所は不明。つまり、誰が出すかが決まっていない。

早くもEUの中で、「お金は出さない」と申し出た国もある。しかも、どの期間に30億ユーロを渡すのかも不明だというから(トルコは毎年30億と解釈しているらしい)、トルコのぬか喜びに終わる可能性もある(あるいは、もっと増える?)。

問題は、トルコがこの取引にどう応じるかだ。現在、戦闘機撃墜でロシアと仲違いしてしまっているので、これを機にEUに接近を図るか。それとも、「お金の力で難民をトルコに押し付けるとは何事か!」と反発するか。あるいは、良いとこ取りを試みるか。

いずれにしても、冬になったら減るだろうと言われていた難民は、一向に減らない。11月の終わり、ドイツに入った難民はついに100万人を突破した。この波を止められるかどうかに、メルケル首相の政治生命がかかってきた。

だからこそ、軍事行動に出たり、トルコを懐柔したり、いろいろ試みているのだが、あらゆることが不確実な中で、一つだけ確かなことがある。シリア参戦によって、ドイツ国内におけるテロの危険は急激に増すだろう。憂鬱なクリスマスである。


著者: 川口マーン惠美
『ドイツの脱原発がよくわかる本』
(草思社、税込み1,512円)
まさに悪戦苦闘。それでも脱原発へと進むドイツ。しかし、日本には、それを真似てはいけない理由がある。在独30年の著者が、日本人に知ってもらいたい真実を伝える、最新レポート。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46708



3. 2015年12月04日 14:34:14 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE
イスラム国、まもなく中国に侵入か【佐藤優のインテリジェンスレポート】
2015年12月04日(金) 佐藤 優
拠点を奪われたテロリストが向かう先

〔PHOTO〕gettyimages
イスラム国によるテロで、世界情勢はいよいよ混迷を深めている。もはや「戦争の時代」に逆戻りしたと言っても過言ではない。そして、日本や中国にとってもこの「戦争」は遠い国の話ではなくなってきている。なぜか? その根拠を佐藤優さんが明かす。

※本記事は佐藤優さんが出演する文化放送「くにまる・じゃぱん」の放送内容(2015年11月20日)を一部抜粋して掲載しています。なお、野村邦丸氏は番組のナビゲーターです。
化学兵器、生物兵器も持っている
邦丸: 1月のシャルリー・エブド襲撃事件は、要するに一匹狼的な犯罪で、イスラム国からの指示を明確に受けて、さあ、やろうという組織立った犯罪ではないと佐藤さんにうかがった気がするのですが、今回はかなり組織的な指導があったということですか?

佐藤: 前者も組織立った犯罪ではあるわけです。司令塔があって、このタイミングでスタートしろという指令は機関決定ですから。今回のテロは、そういう意味においては1月に起きたシャルリー・エブド襲撃事件と構造は一緒なんです。これをいち早く予言していたのは、イギリスですよね。

邦丸: MI6?

佐藤: MI5です。シャルリー・エブド襲撃事件の後、アンドリュー・パーカー長官が「これは西側全体に対して向けられている。シリアのアルカイダ系組織によって、象徴的な施設が狙われているんだ」と言いました。

つまり、彼は、「これは単にフランスだけの問題ではないし、シャルリー・エブドがムハンマドの風刺画を描いたことだけが問題なのでもない。要するにイスラム世界革命戦争が始まったんだ」という警告を出したんですけれど、まさにそのとおりなんです。

怖いのは、フランスの首相が「化学兵器、生物兵器を使ったテロがあるかもしれない」と言ったこと。日本ではあまり大きく扱われていませんが、イスラム国が化学兵器、生物兵器を入手できる状況にあるという情報をつかんでいるから、そう言っているわけですよ。

邦丸: フランスのバルス首相ですね。

佐藤: これは恐ろしい話なんですよ。要するに、オウム真理教がかつて行った、あのタイプのテロがフランスで起きる可能性があるということです。

邦丸: うーむ。ただ今回、IS(イスラム国)が一気に革命を起こそうとしているなかで、ロシアは相当ISの拠点を叩いている。ロシアの空爆は、ISにかなりの打撃を与えていますよね。

佐藤: そのとおりです。今回、日本の新聞を読んでいると、どうもISが攻勢に出てきたように見えるんですが、これは逆です。

本当はシリアとイラクに拠点をつくりたいんですよ。ところが前にもこの番組でお話したとおり、ロシアが新兵器のパンツィーリS-1、地対空ミサイルのSA-22をはじめとして、空爆も行うし、皆殺し作戦にしているわけですね。だから、ISはかなり参っているんです。

ですから、戦線を拡げて、ロシアは諦めないだろうが、フランスは諦める可能性があるから、波状攻撃でフランスでテロを行わせて、ヨーロッパ全域に厭戦思想をもたらして、「もう関与しないほうがいい。あそこはスジが悪いから」という雰囲気にして、自分たちの拠点を維持していくという計算ですね。

邦丸: ロシアの空爆は当然強化されて、フランスも当然空爆をする。アメリカ軍とは立場は違うし、共同歩調はとらないんだけれど、方向性は一緒になってくるという。

佐藤: もう一つ、恐らく地上に実際の殺し部隊を送っている国があります。

邦丸: どこですか。

佐藤: イランです。

邦丸: イラン!

佐藤: これはかなり大量に送っています。イスラム国の拠点を奪還したというイラクの政府軍は、あれは全部、実質的にはイランのイスラム革命防衛隊ですから。

ですから、そういうようなところがみんな出てきて、イスラム国潰しをやっているんですけれども、これが失敗すれば今の状況が続いて、しょっちゅうテロが起きる。イスラム国の連中が皆殺しにされれば、問題は解決する。

ただし、皆殺しにされる前に逃げる可能性があるんです。逃げる先は恐らく、キルギスとタジキスタンだと思います。あの二つの国は破綻国家になっているうえに高い山ですから。

山に逃げると、アフガニスタンの例でも明らかなように掃討は不可能なんです。そこに第二イスラム国をつくって、それが新疆ウイグルに延びてくる。

邦丸: 中華人民共和国エリアに入ってくる。

佐藤: そうです。こういうふうになった場合は、日本に非常に近いところで、中国の中で本格的なイスラム国家をつくろうという動きが出てきて、それが巨大なテロに発展していく。こういう状況になりますね。日本系企業も日本人観光客も巻き込まれる可能性が格段と高くなります。

こういうことが2〜3年のスパン、下手をすると半年〜1年で起きるかもしれない。今、これぐらい緊張感を持っている状況になっています。

邦丸: 中国政府も新疆ウイグル自治区に対しては、ずいぶん報道もされているなかで、弾圧に近いこともやっていますし、これに対して中国というのは今、そうとうデリケートになっているということですか。

佐藤: いや、ちょっと違います。どこが違うかというと、新疆ウイグルのウイグル人は複合アイデンティティを持っているんです。どういうことかというと、ウイグル人だというアイデンティティもあります。それが民族独立運動につながるんですね。同時にもう一つ、イスラム教徒、特にイスラム国と同じスンニー派のイスラム教徒だという意識もあるんですよ。

中国は民族独立運動の弾圧はすごくやっているんですが、イスラム主義についてはどう働きかけたらいいかわからないんです。

邦丸: 今?

佐藤: なぜかというと、「回族」って聞いたことありますか?

邦丸: はい。回族。

佐藤: 回族は漢人と同様、中国人なんです。ところが、宗教だけがイスラム教なんです。だから中華レストランで、ブタ肉を使わないでヒツジの肉だけを使う店があるんですよ。それは回族の店なんです。回族はブタを食べないから。

イスラム国がこの回族に波及すると、ものすごく深刻なことになるんですよ。中国はイスラムには触らないという感じでやっていますから、イスラム主義に対する防御が十分にできていないんですね。

だから、ウイグルの回族の人たちが「トルコに行く」ということだと、東トルキスタン独立運動があるからそれは認めないで、ものすごく警戒する。ところが、「巡礼に行きたい」と言えば国外に出られますから、そこでアルカイダ系と接触したり、イスラム国と接触したりすることは平気でできますからね。

イスラム主義に対しては、実は中国は緩いんです。というか、よくわかっていないんです。アメリカと中国は、複雑な問題はあまり理解できないんですね。大国過ぎるんです。

邦丸: 大き過ぎちゃうの?

佐藤: 大き過ぎる。

邦丸: はあ〜〜。ということは、シリア、イラクからISが追われて中央アジアの方に行って、新疆ウイグル自治区も含むそのエリアに新しい国をつくろうとするのを阻止する手はないんですか?

佐藤: 阻止する手……。理想論を言えば、あの辺の破綻国家を治すということなんですけれど、うーん、踏み込んで言うと、イスラム国に対しては生かさず殺さずで、逃げない程度、まだ可能性があるという形で、シリアとイラクの間のところで封じ込め、潰していくということでしょうね。

いきなり皆殺しにして、一般住民でも疑わしくは殺してしまうというやり方をすると、その地域にフランス、ロシアに対する恨みが残るわけですよ。それで、逃げ延びた人が離れたところで拠点をつくって、また戻ってきます。

ですから、イスラム国の潰し方については、中長期戦略を立てなければいけない。ウイルスが拡散しないようにして潰さないといけないんですね。

邦丸: 一定のところで拡散を防ぐということですね。

佐藤: 今の時点ではそれが非常に必要だと思います。(全文はメルマガでお読みになれます)

佐藤優「インテリジェンスの教室」Vol.073(2015年11月25日配信)より

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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46584


4. 2015年12月05日 10:55:58 : J8TPpm1MJc : eIqizzyp6BM
イラク・アフガニスタン・パキスタン・ナイジェリア・シリアの国際的な位置づけ共通点とは何だろう マリとソマリアも追加した方がいいか
どういう訳か同じアラブでも王制国家ではテロや内戦があまり起きない
イスラム圏の中でもテロはある地域に集中している

5. 2015年12月06日 00:09:27 : 1WVgsROX0A : N11&7fsScMM
天皇も仲間のブレトンウッズ体制内に
ない国ばかりが
攻撃されているのですね。

まるで泥棒が、
そうでない国に押し入って
略奪しているような。


6. 2015年12月06日 15:39:12 : v4XNmrcrrM : DlcBDOTYGRk
本当に平和になったら困るのがアメリカ。
ということは、いつもアメリカは戦争を作り出しているってこと。

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