http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/521.html
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NATOや湾岸産油国が侵略の手先にしている集団が使っている「テロ」戦術を「反乱」と混同する愚
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201512020000/
2015.12.02 18:19:39 櫻井ジャーナル
意図的なのか区別できないのか不明だが、「テロリズム」を「反乱」や「蜂起」などと混同して使っている人がいる。「反乱」や「蜂起」は国や体制の内部で生活している人びとが引き起こすものだが、「テロリズム」とは恐怖を利用する戦術、あるいはそうした戦術をつかうイデオロギーであり、国や体制を倒すために外部の勢力が使うことも可能だ。
一時期、「テロリスト」の象徴として「アル・カイダ」が利用されていた。本ブログでは何度も指摘しているように、「アル・カイダ」とはアメリカが1970年代からアフガニスタンの体制を倒し、ソ連と戦わせるために訓練した戦闘員のデータベース。
http://www.theguardian.com/uk/2005/jul/08/july7.development
そのアル・カイダ系戦闘集団から派生したのがIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)だ。戦う主体ではなく戦術にすぎない「テロとの戦い」という表現は無意味であり、勿論、戦争で「テロに勝つ」ことはできない。
2011年春にリビアやシリアで戦闘が始まるが、これらは「反乱」でも「蜂起」でもなかった。アメリカ、イギリス、フランス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールといった国々が「レジーム・チェンジ」、つまり自立した体制を転覆させるために傭兵を投入して実行した軍事侵略だった。これはイラクと同じであり、イランもターゲットになっている。
リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を倒す際、こうした国々は特殊部隊を潜入させたが、地上軍の主力はLIFG。その戦闘をNATOが空から支援するという構図だ。このLIFGがアル・カイダ系だということが途中で発覚したことは本ブログで何度も書いてきた。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/africaandindianocean/libya/8407047/Libyan-rebel-commander-admits-his-fighters-have-al-Qaeda-links.html
カダフィ体制崩壊後、NATOは戦闘員や武器をシリアへ移動させ、2012年になるとシリアでもアル・カイダ系の戦闘員が溢れる。その2012年8月にDIA(アメリカ軍の情報機関)が作成した文書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けている。
https://www.judicialwatch.org/wp-content/uploads/2015/05/Pg.-291-Pgs.-287-293-JW-v-DOD-and-State-14-812-DOD-Release-2015-04-10-final-version11.pdf
シリアではアル・カイダ系の武装集団としてアル・ヌスラという名前が出てくるが、この名称はAQI(イラクのアル・カイダ)がシリアで活動するときに使っていたとDIA(アメリカ軍の情報機関)は説明している。AQIは2004年に組織され、06年にISIが編成されたときにはその中心になり、今ではISと呼ばれている。つまり、AQIもアル・ヌスラもISも本質的な違いはない。違ってくるのは「雇い主」だけ。アメリカ政府はISだけを攻撃すべきだと主張しているが、無意味だということがわかるだろう。ロシア軍に攻撃されて大きなダメージを受けた反シリア政府軍を助けるため、「IS」というタグを「穏健派」に付け替えて助けようとしているが、ロシア側がその要求を呑むとは思えない。
こうした要求と並行して西側の「リベラル派」や「革新勢力」の中には「戦争でテロをなくせない」と叫ぶ人がいる。勿論、戦術を戦争でなくすことは不可能だが、そうした人びとはロシア軍の侵略軍に対する攻撃を止めさせたがっているのだ。その願いはアメリカの戦争マシーンを動かしている人びとと同じ。日本では安倍晋三政権の同志ということになるだろう。
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