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露軍機を撃墜したトルコ軍の背後に米国/NATOが存在している可能性は高く、露政府は米を牽制(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/513.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 02 日 07:07:00: igsppGRN/E9PQ
 

露軍機を撃墜したトルコ軍の背後に米国/NATOが存在している可能性は高く、露政府は米を牽制
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201512010001/
2015.12.02 03:37:52 櫻井ジャーナル


 11月24日に世界は新たなステージに入った。この日、トルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜したのだが、状況から見てトルコ軍はアメリカ/NATOの命令、あるいは承認を受けた上で攻撃した可能性が高く、ロシアもそう考えたからこそミサイル巡洋艦のモスクワをシリアの海岸線近くへ移動させて防空体制を強化、さらに最新の防空システムS-400を配備し、約30機の戦闘機を「護衛」のために派遣、アメリカの対戦車ミサイルでも破壊できないT-90戦車も送り込んだのである。約15万人の予備役兵をシリアへ投入する準備をロシア政府はしているという話まで流れている。NATO軍に対する威嚇と見ることもできるだろう。戦争を始める気なら受けて立つというメッセージだ。

 ロシア軍は空爆の計画を事前にアメリカ/NATO側へ通告、トルコ軍もSu-24がどのように飛んでくるかを知っていたはず。だからこそ、ロシア政府は待ち伏せされたと非難しているのである。NATOはギリシャの基地からAWACS(空中早期警戒システム)機を飛ばし、トルコとシリアの国境地帯を監視していたはずなので、ロシア軍機とトルコ軍機の動きは正確につかんでいただろう。つまり、撃墜を避けるために警告することは可能だったが、そうしたことをした形跡はない。

 ロシア軍機がトルコ領空へ侵入したとトルコ政府は非難しているが、ロシア政府はその主張を否定、撃墜の際にトルコ軍機がシリア領空を40秒間にわたって侵犯したと反論している。トルコ側の主張では、国境線から1.36マイル(2.19キロメートル)の地点までロシア軍機は侵入、1.17マイル(1.88キロメートル)の距離を17秒にわたって飛行しただけ。Su-24は時速398キロメートルで飛行していたことになるが、この爆撃機の高空における最高速度は時速1654キロメートルで、トルコ説に基づく飛行速度はあまりにも遅く、非現実的だ。もし最高速度に近いスピードで飛んでいたなら、4秒ほどでトルコ領空を通り過ぎてしまう。トルコ側にとって脅威だとは到底、言えない。

 撃墜事件後、トルコの戦闘機がギリシャ領空を侵犯している事実も指摘された。2012年646回、13年636回、そして14年は2244回といった具合だ。ちなみに、スウェーデンは2011年から15年の間に領空を侵犯されたのは42回で、その大半はアメリカ機によるものだったという。

 トルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を計画したのはアメリカ/NATOだった可能性が高く、世界大戦を勃発させかねない火花が散ったのである。嫌露派のズビグネフ・ブレジンスキーは今回の出来事について、アメリカ軍が撃墜したのでなかったことは好運だったとしているが、だからこそトルコ軍にやらせたという見方もできる。
http://www.politico.com/magazine/story/2015/11/brzezinski-sees-hope-for-us-russia-relations-interview-hirsh-213400
ロシア政府がトルコの盗掘石油の密輸(これは公然の秘密だった)に焦点を当てた発言をしているのはアメリカとの戦争を回避しようという意思の表れだろうが、応戦の準備をしていることも事実。

 本ブログでは何度も書いているように、ソ連消滅後、アメリカは世界制覇プロジェクトを始動させているが、その基本になるプランは1992年の初めに国防総省がDPGの草案という形でまとめている。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
ロシアを属国化することに成功、中国支配層は買収済みという前提で書き上げられたもので、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰すと同時に、ライバルを生む出しかねない膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようという計画だ。ポール・ウォルフォウィッツ国防次官が中心になって作成されたことから「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 その前年、1991年1月から3月にかけてアメリカ軍はイラクを攻撃している。その際、アメリカ軍がサダム・フセインを排除しなかったことをネオコン/シオニストは激怒し、ウォルフォウィッツは5年以内にイラク、シリア、イランを殲滅するとしていた。
https://www.youtube.com/watch?v=TY2DKzastu8
これはヨーロッパ連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラーク大将の話だ。

 フセインを排除できなかったことを怒ったネオコンが喜んだこともある。アメリカ軍がイラクを攻撃してもソ連軍が出てこなかったからである。つまり、新たさ世界大戦を恐れることなくアメリカは軍事侵略できるとネオコンは「学習」したのだ。ウォルフォウィッツ・ドクトリンもそうした発想で作成された。

 ロシア軍もアメリカ軍に怯えて出てこないとネオコンは考えていたようだが、現在のロシアは違う。シリアの空爆、カスピ海の艦船から発射された26基の巡航ミサイルによる攻撃、そしてロシア軍機撃墜後の展開はネオコンにとって衝撃だったはずだ。

 昨年4月10日に黒海へアメリカ軍はイージス艦のドナルド・クックを入れたが、ロシアの領海近くを航行させた際、ロシア軍のSu-24はジャミングで米艦のイージス・システムは機能しなくなったと言われている。その直後にドナルド・クックはルーマニアへ緊急寄港、それ以降はロシアの領海にアメリカ軍は近づかなくなった。

 すでに社会システムが崩壊、経済も破綻しているアメリカは基軸通貨を発行する特権と軍事力を使った脅しで生きながらえてきたが、その「生命維持装置」が効力をなくしてきた。中国とロシアを中心とするBRICSやSCO(上海協力機構)の台頭でドルは基軸通貨の地位から陥落しそうなうえ、軍事力の優位も揺らいでいる。残る手段は核戦争の脅しだろうが、これに失敗したなら、アメリカは破綻国家になる。当然、そのアメリカの従属している日本はアメリカより酷い状況になるだろう。追い詰められた日本が戦争を始める可能性がないとは言えない。


 

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コメント
 
1. 2015年12月02日 08:20:00 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk
焦点:シリア内戦の見えない出口、「代理戦争」激化も
 11月26日、外交的な動きが活発化するのに伴い、シリアの内戦も激化している。写真は「イスラム国」戦闘員のヘルメット。シリア北東部ハサカ南方で24日撮影(2015年 ロイター/Rodi Said)
 11月26日、外交的な動きが活発化するのに伴い、シリアの内戦も激化している。写真は「イスラム国」戦闘員のヘルメット。シリア北東部ハサカ南方で24日撮影(2015年 ロイター/Rodi Said)
[ベイルート 26日 ロイター] - 外交的な動きが活発化するのに伴い、シリアの内戦も激化している。だが、外国による軍事介入強化も、復活した政治的協議も、4年半に及ぶ内戦を終結させる力はなさそうだ。

ロシアやイランなどアサド政権の主な同盟国と、反体制派を支援するサウジアラビア、トルコ、そして米国との代理戦争がますます激化するリスクが生じている。

トルコによるロシア軍機撃墜は緊張を高め、シリア問題の解決を目指してウィーンで会合が重ねられている国連支援の政治プロセスを複雑にしている。同プロセスはすでに大きな難題に直面していた。

──関連コラム:緊迫するロシアとトルコ、「第3次大戦」防ぐ処方箋

軍事的に見ると、約2カ月にわたるロシアの空爆と、イラン部隊やレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」の支援を受けた地上戦で、アサド政権側はシリア西部の支配を強化。ロシアの支援を受ける政権側の部隊は、トルコ国境付近のシリア北西部ラタキアとアレッポで勢力を拡大。だが、勝利はアサド大統領側に決定的に傾いたわけではない。

反体制派は一方で、外国から新たに軍事支援を受けている。特にサウジアラビアから米国製の対戦車ミサイルTOWを増強しており、一部の地域で攻撃を食い止めるのに役立っている。

シリアで何が起こっているか
シリアで何が起こっているか
このようなミサイルが、パイロット救出に向かったロシアのヘリコプターを撃墜するのを彼らは目の当たりにした。シリア内戦の国際的な側面を捉えた瞬間だった。シリア政府軍の関係筋はロイターに対し、こうした武器は広く使用されており、戦闘に影響を与えていると語った。

一方、過激派組織「イスラム国」によるパリ同時多発攻撃とロシア旅客機墜落事件は、シリアでの内戦に新たな次元の戦いをもたらした。同国東部で支配を広げるイスラム国との戦いだ。

フランスとロシアから報復空爆を受け、イスラム国は劣勢に立たされている。最近では、米国が支援するクルド人やアラブ人武装勢力、シリア政府軍、そして政府とイスラム国の両方と戦う反政府勢力にも押されていた。

そうとはいえ、シリアでイスラム国掃討に関わるアサド大統領の敵も味方も、その見通しは不透明なように見える。オバマ米大統領は24日、ロシアが掃討作戦に加わることを歓迎するとしたうえで、空爆の対象を反体制派からイスラム国に変える必要があると語った。一方、ロシアはイスラム国を標的にしていると明言している。

シリア問題を解決するにあたり、アサド政権を退陣させるかどうかについて、米国・サウジ側と、イラン・ロシア側との間には基本的な相違がある。このことが恐らく、ウィーンでの政治プロセスを台無しにするリスクがある。

──関連記事:対ISで「不可欠な国」に、プーチン流政治の落とし穴

<ラタキアの戦い>

「これまでのところ、ロシアの介入強化は実際の軍事的インパクトよりも、政治的な影響の方が大きい」と、国際危機グループのシニアアナリスト、ノア・ボンジー氏はウィーンでの協議についてこのように指摘。

「内戦の解決に向けて、大きな進展が実際に見られると楽観できる理由はあまりない。だが少なくとも、皆が再び話し合いの場に戻ってきた。最も重要なのは、長い間放置されていた反体制派内部の問題を解決する理由を、反体制派とその支援国に与えているということだ」とボンジー氏は述べた。

シリアの内戦はまもなく6年目に突入する。これまでに約25万人が犠牲となり、国民の半数以上が家を追われた。内戦を逃れた多くのシリア人が難民として欧州に押し寄せ、危機を引き起こしている。

軍事的には、ロシアが支援する部隊は主に、アサド政権の生き残りに不可欠なシリア西部に集中している。同地域ではイスラム国はほとんど存在していない。

反体制派の反撃に遭ったものの、アサド政権側にとって最も顕著な前進は、北西部ラタキアとアレッポ南部においてだろう。政権側は、首都ダマスカスとアレッポを結ぶ主要幹線道路を反体制派から奪還しようとしている。

政権側はまた、アレッポ東部でもイスラム国から空軍基地を奪還するなど著しい挽回を見せている。さらに中西部ホムスでも村々を取り返している。

しかしホムスのやや北方にあるハマでは、対戦車ミサイルTOWを十分に装備する反体制派が進撃を続けている。南北を貫く幹線道路上の町を占拠し、戦略的要衝のガーブ平原で攻撃を食い止めている。

「この2、3週間で、ロシアによる空爆は結果を見せ始めている。特にアレッポ南部とラタキアで明らかだ」と、非政府組織「シリア人権監視団」を率いるラミ・アブドゥルラーマン氏は語った。

ロシア軍機が墜落したラタキアの奥地では、政権側が最近いくつかの丘を制圧し、反体制派による周辺地域の支配を脅かしていると、ロイターが接触した反体制派グループ「アーラー・アル・シャム」のメンバーは話した。

<プーチン氏の夢>

シリア政府軍の関係筋によれば、現在までの成果には反体制派の司令部や指揮系統、後方支援拠点の破壊が含まれる。進撃のペースは奪還した地域を守るほどには重要ではないという。

だが攻撃を受け、より連携するようになった反体制派は、ハマでの成功にも勇気づけられて自信に満ちた挑戦的な態度を強めている。彼らの目には、アサド大統領が同盟国を頼る姿は弱さの証しと映る。

「夢を見る権利は誰にでもある。プーチン氏の場合はシリアで革命が起きないようにすることだ。だが、それは夢にすぎない」と、反体制派「自由シリア軍(FSA)」を率いるジャミル・サレハ氏は話した。

また、別の反体制派グループ幹部も、ロシアの介入によって士気が高まり、反体制派同士の結束も強くなったと述べた。

前出の国際危機グループのボンジー氏は「政権の最重要事項から言えば、ISとも戦う反体制派グループとの戦いは、しょせん寄せ集めにすぎない。パワーバランスが根本的に変化したと言えるようなことは何もない」と指摘した。

(原文:Tom Perry記者 Suleiman Al-Khalidi記者、翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/30/analysis-syria-proxy-war-idJPKBN0TJ0DO20151130?sp=true


2. 2015年12月02日 08:49:58 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk

実は米国人に感謝されているオバマ大統領ネオリアリズムの視点で混沌とした世界を読み解く
2015.12.2(水) 渡部 悦和

世界で一番幸せな米国人。写真は大手ディスカウントストア―でブラックフライデーの買い物に興じる人たち〔AFPBB News〕
米国では11月26日は米国人の大好きな感謝祭の祝日であり、本来は神に収穫を感謝する日である。 
一流の国際政治学者であるハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授 *1がこの感謝祭にひっかけて「2015年米国人が感謝すべきトップテン」*2を発表していて、非常に面白い。
トップテンの1番目は「米国で生活していること」であり、2番目はなんと「バラク・オバマ」である。「米国人はオバマ大統領に感謝しなければいけない」と超一流の政治学者が主張しているのである。 
本稿の読者の多くはこの主張に違和感を持つかもしれないが、米国で生活し安全保障を研究している私には全く違和感がない。 
世界秩序の破壊者から脱却
1番と2番は相互に深い関係があり、米国が他の諸国に比較し安全で魅力的な環境下にある国家であり、そこで生活することに感謝しなければいけないというのが1番で、米国を安全で魅力的な状態に導いたのが海外での無理な軍事力の使用を抑制しているオバマであり、そのオバマに感謝しなければいけないというのが2番である。 
スティーヴン・ウォルト教授の主張の背景には「スーパーパワー米国は、世界で自重して振る舞うべきである」という視点が常にある。ウォルト教授は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領とその取り巻きであるネオコンが、米国を「世界秩序の擁護者」ではなく「世界秩序の破壊者」としてしまったことを厳しく批判する。 
オバマの米国は少なくとも「世界秩序の破壊者」ではない。オバマ大統領もウォルト教授も、米国が間違ったグローバル・リーダーシップを振りかざすことを批判する。ブッシュやネオコンが目指した卓越した軍事力を背景としたグローバル覇権の追求を否定する。 
オバマ大統領はしばしば弱い指導者と批判されるが、米国、特に軍事力ができることとできないことを理解し、米国の一国行動主義を避け、努めて紛争の当事者や関係国と協力しながら紛争を解決しようとしている。 
このオバマ大統領の姿勢をウォルト教授は評価するのである。 
彼の主張は、2016米国大統領選挙候補者たちへの厳しい批判でもある。共和党のタカ派の候補者や民主党のリベラリスト(自由主義者)が、ブッシュ政権時代に間違いを犯したネオコンと同じような間違った主張を展開していることへの批判であり、次の大統領に対する忠告でもある。 
私は、ウォルト教授の主張は極めて現実的で論理的であると思うし、彼の主張に従う限り少なくとも米国が「世界秩序の破壊者」にはならないと思う。 
本稿においては世界の諸問題に対するウォルト教授のネオリアリズムを切り口とした見解を紹介したいと思う。以下の論考はスティーヴン・ウォルト教授の文章、特にFP(Foreign Policy)に掲載された数多くの論考、ユーチューブで視聴できる彼の講演を参考にしている。 
また、リアリズムや彼の思想を理解するうえで、このテーマに長年取り組んできた奥山真司の業績(リアリスト派の著書の訳書、彼のホームページの「Council on Realist Foreign Policy for Japanリアリスト評議会」など)も参考にさせてもらった。 
*1=Stephen M. Walt、ハーバード大学教授、ネオリアリズムの代表的な国際政治学者で著書にTaming American Power、The Origins of Alliancesなど多数
*2=Stephen M. Walt、“The Top Ten Things Americans Should (Still) Be Grateful for in 2015”、Foreign Policy、November 25,2015
ネオリアリズムについて
ウォルト教授と、彼の師匠であるカリフォルニア大学バークレー校のケネス・ウォルツ名誉教授、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授などのネオリアリズムの論客たちの基本的な理論を、「アナーキー」「生き残り」「バランス・オブ・パワー(勢力の均衡)」「バランシング(直接均衡)とバック・パッシング(buck -passing責任転嫁)」「国益の重視」をキーワードに紹介する。 
●アナーキー
ネオリアリズムでは、国際システム(世界を1つのシステムとして見る国際政治の用語)をアナーキー(無政府的状態)だと仮定する。 
つまり国際システムの中には独立国家の上に位置する中央権威(例えば世界政府)が存在しないために、各国に主権(統治権)がある。つまり、世界に害を与える覇権国家が出現したとしても、それを抑止する世界政府は存在しない。 
●生き残り(サバイバル)
国際システムがアナーキーであるならば、国家の最重要な目標は、「国家の生き残り」となる。各国は生き残りのために様々な努力をする *3。
米国はスーパーパワーであるから単なる生き残りには苦労しないが、ウォルト教授が志向するのは「より良い状態で生き残る」ことだ。 
イラク戦争などの対テロ戦争に失敗しても米国の生き残りには問題ないが、米国の威信は失墜し、世界各地で秩序破壊者としての米国に対する批判は激しく、米国の安全にとっての将来リスクが発生した。 
この状況は「より良い状態で生き残る」ことではない。ウォルト教授が「米国で生活していること」に感謝するということは、現在の米国がブッシュ政権時代の評判の悪い状況から脱し、良い状態にあるからだ。 
●バランス・オブ・パワー
国際政治の世界では「神は自ら助ける者を助ける」という自助が基本である *4。自助努力として自国の経済力・軍事力・科学技術力などを高める努力をする。
しかし、周辺国の動向が自国の生き残りに大きな影響を及ぼす。 
このため経済・軍事力・外交などを駆使してバランス・オブ・パワーを自国に有利になるように変化させようとする。自国のみではパワーが不足する場合には他国との同盟を選択したり、国連などの国際的な組織、ASEAN(東南アジア諸国連合)などの地域組織を利用する。 
●バランシング(直接均衡)とバック・パッシング(buck- passing責任転嫁)
ネオリアリズムでは、侵略国を抑止するための戦略として特にバランシング(直接均衡)とバック・パッシングを重視する。 
バランシングは、自らの直接責任により侵略的なライバルがバランス・オブ・パワーを覆そうとする試みを抑止することである。 
例えば米国自らが覇権的に台頭する中国を抑止しようとする場合がバランシングである。バック・パッシングでは、バック・パッシングする側は、自らがバランシングするのではなく、自らは傍観者となり他国に侵略的な国家の抑止を負担させる。 
バック・パッシングする国の典型が日本である。 
戦後の日本は、日米同盟を選択し自らの安全保障を米国に責任転嫁することにより自らの安全を図り、経済発展を享受してきた。一方で、米国は、台頭する中国に対し日本にバック・パッシングし、日本に対応させようとするかもしれない。 
●国益の重視
ネオリアリズムでは国益を重視し、国益の増進を重視する。そのため、国益を害する要因に対してはこれを排除しようとする。 
例えば、イラク戦争であるが、ウォルト教授のようなリアリスト派の学者はイラク戦争に大反対した。 
イラクを攻撃しフセイン元大統領を打倒することや、米国流の自由や民主主義を強制することが米国の死活的に重要な国益ではないし、戦争そのものが米国の国益を害すると判断したからである。 
最近の例ではシリアへの米国地上軍の派遣問題がある。 
ウォルト教授は、「シリアには米国の中核的な国益はない」と評価し、地上軍の投入による戦線の拡大には反対している。 
以下、世界の諸問題についてネオリアリズムの視点から分析していく。 
*3=このアナーキーと自国の生き残りという2つの仮定は重要で、ケネス・ウォルツ教授が著書Theory of International Politicsで記している。
*4=ジョン・ミアシャイマー、「大国政治の悲劇」、奥山真司訳、五月書房、P71
世界の秩序を破壊したイラク戦争
世界各地で多くの不幸な事案が発生し、世界的に不安定な状況が継続している。アジアでは中国による国家ぐるみのサイバー作戦や東シナ海や南シナ海における強圧的で不法な行動を繰り返しているし、欧州ではロシアによるクリミア併合とウクライナ東部での軍事作戦が解決困難な状況になっている。 
中東ではイスラム過激集団ISIS(Islamic State in Iraq and Syria)の残忍な行動がイラクやシリアにとどまらずパリでのテロ事件を引き起こし、他の主要都市でも同様の事件が発生する可能性が懸念されている。 
つまり世界の至る所(特に欧州、中東、アジアの三正面)で不安定な状況が生起している。 
ブッシュ元大統領が愚かにも開始したイラク戦争こそ世界不安定の根源である。イラク戦争のために中東に力の空白が発生し、その空白を利用する形で邪悪なISISなどが台頭し、アラブ諸国の混乱、シリアやイラクからの 大量の避難民が発生したのである。
イラク戦争をはじめとする米国の対テロ戦争の失敗により米国のスーパーパワーとしての威信は大きく失墜した。 
米国の威信の失墜を利用する形でロシアのウラジーミル・プーチン大統領はクリミア併合を敢行し、中国はより大胆に米国主導の秩序に挑戦しているのである。米国はイラク戦争を始めることにより「世界秩序の破壊者」になってしまったのだ。 
この結末をあらかじめ予想したからこそウォルト教授をはじめとするリアリスト派の学者などはイラク戦争の開始に大反対し、イラク戦争を主導するネオコンと大論争を展開したのである。 
リアリストにとってのイラク戦争は、米国のバイタルな国益に基づかない、戦争目標が明確でない、リスクが余りにも大きい、終末戦略が明確でない愚かな戦争であった。 
オフショア・バランシング(Offshore Balancing)
ここで、イラク戦争とも大きな関連があるオフショア・バランシングについて簡単に紹介する。 
ウォルト教授やシカゴ大学のミアシャイマー教授は、イラク戦争以前(特に冷戦間)の中東に対する米国の伝統的な戦略はオフショア・バランシングであり、その戦略は上手く機能してきたと主張する *5。
オフショア・バランシングにおいては、中東の秩序をイラン、イラク、イスラエル、サウジアラビアなどの地域大国間のバランス・オブ・パワー(当事国間の牽制、相互の抑止)に任せ、米国は軍事力を直接的に中東に配置することなく、オフショア(中東から離れた場所、例えば米本土)から主として外交的に関与する。 
中東の力の均衡が崩れ、米国の死活的に重要な国益が損なわれる時にのみ軍事的に関与をする。関与する際には弱い国を助け、バランスを保つことを原則とする。 
例えば1990年のイラクのクウェート侵攻に際しては、軍事力をもって介入しイラク軍を撃破し、クウェートを救ったのが典型例である。 
このオフショア・バランシングは、中東の当事国にバランス・オブ・パワーを任せ米国の負担を軽減し、中東に米軍を直接配置しないことにより中東諸国の反感を買うことなく、テロなどの危険性も少ない。非常に実績のある戦略であった。 
この有力なオフショア・バランシングを放棄し、愚かにもイラク戦争を実施してしまった。イラクという有力なバランサーをなくしたことにより中東におけるバランス・オブ・パワーが崩れ、力の空白が発生しISISなどの台頭を許してしまったのである。 
*5=John J. Mearsheimer, “Rebalancing the Middle East, 2008/11/08, News Week
米国の対外政策について
図1は米国の対外政策を孤立主義、多国間主義、単独主義(覇権戦略)に区分したが、筆者の解釈に基づくものである。 
歴史を振り返ると米国の対外政策は、最も消極的な「孤立主義」から最も積極的でアグレッシブな「卓越戦略」までの間で揺れ動いてきた。 
ブッシュ政権の対外政策は明らかに単独主義であるが、リベラリズムとリアリズムの両面性を持ち、「米国は、単に軍事的・経済的に卓越した力を持ち単独でも行動できるだけではなく、その奉ずる価値(自由、民主主義、人権など)を世界に広める責務を有している」と考え、イラク戦争を実施した。 
図1の典型的な単独主義(覇権戦略)である。一方、オバマ政権の対外政策は他国との協調を重視する多国間主義である。 
スティーヴン・ウォルト教授は、米国が孤立主義を採用することは不適切であり採用すべきでないし、ブッシュ元大統領とネオコンが目指した卓越戦略(primacy strategy)は絶対に採用すべきでないと主張する *6。
ネオコンの考えた卓越戦略は、「グローバル・リーダーシップはグローバルな卓越を意味する。米国がグローバルな軍事的支配を維持し、同盟国にあれを何時までにしろと強要し、敵対者に対して米国に屈し言いなりになるか、駆逐されるかの2者択一を迫る」ものである。 
ウォルト教授は、「この卓越戦略に従うと、終わりなき戦争、勝利なき泥沼に陥り 、同盟国との関係も悪化させる」と主張している。結論として、米国は多国間主義(特にリアリズム)を採用せざるを得ない。
米国は、NATO(北大西洋条約機構)の同盟国として残り、中東におけるバランス・オブ・パワーの維持をサポートし、中国がアジアの覇権国になることを抑止するアジアの同盟国の努力をサポートする。 
このオプションを採用すると、外交努力により問題が大きくなる前にこれを抑止し、米軍の投入の頻度と規模を最小限にでき、政権の転覆やその後の国家再建を回避できる。 
         
*6=Stephen M. Walt、“What Do Politicians Really Mean by “Global Leadership”、Foreign Policy、September 4,2015. 以下の米国の対外政策に関する主張の出典も同じ。
米国のグローバル・リーダーシップとは何か?
ウォルト教授は、2016米大統領選挙を目指す大統領候補者、特に共和党の候補者たちが「米国は特別な国であり、グローバル・リーダーシップ(以下GLと表現する)を発揮すべきである」と主張していることに対して疑問を呈している *7。彼の疑問を列挙してみる。
GLとは何を意味しているのか、具体的に何をしようとしているのか、GLの絶対的必要性は何か? 
GLを維持することにより、なぜ米国がより安全になり、より繁栄し、米国の中核的な価値が高まるのか? 
米国は既に十分安全で、他の国々が夢想することしかできない地政学的な優位性を享受しているではないか、これ以上何を望み、具体的に何をするのか? 
ウォルト教授は、「米国は世界において不安定を引き起こす張本人だった」と極めて率直に過去の米国の過ちを認め、米国のGLに疑問を呈する。 
イラク戦争の失敗で中東を不安定にし、NATOの東方拡大を過度に追求したためにロシアとの対立を拡大し、ウクライナ紛争に至った。これがタカ派の主張する米国のGLの結果なのだ。 
タカ派の「世界の安定のために米国のGLが不可欠だ」という主張には説得力のある具体策が必要であるが、彼らの曖昧な案では「地域紛争にガソリンを注ぐことになる」とウォルト教授は警告するのでる。 
問題なのはブッシュ元大統領やネオコンの論客たちが自らの過去の過ちを認めないで謝罪することなく、大統領選を契機としてまた同じ間違った主張をしている点にある。 
オバマ大統領が地上部隊の投入に慎重な理由
そもそも、オバマ大統領の外交政策は、ブッシュ元大統領が無謀にも引き起こした2003年のイラク戦争をはじめとする米国の対テロ戦争の失敗を教訓にしている。 
ブッシュ戦争の失敗の反省をもとにしたオバマ大統領の対外政策は慎重であり、極力軍事力の使用を避ける、やむを得ざる場合には空軍戦力と海軍戦力を使用する。地上戦力の使用には紛争の泥沼化の危険性があり、最後の最後まで避けるという特徴がある。 
ネオリアリズムは、政策を決定する際に国益の重要性を強調する。まず、欧州であるが、「オバマ大統領は、何が欧州で起ころうと気にしない第2次世界大戦後の初めての米国大統領」である *8。
特にウクライナはNATOの加盟国ではないし、クリミアがロシアに併合されようがウクライナ東部が親ロシア派に占領されようと、それは米国のバイタルな国益ではない。だから地上部隊の派遣もしないし、殺傷能力のある武器をウクライナに供与することさえためらうのである。 
中東もオバマ大統領にとって死活的に重要な地域ではない。米国におけるシェール革命が要因の1つで、米国は、シェールガス・オイルのおかげで将来的にエネルギーの輸入国ではなく輸出国になり得るのである。 
中東のエネルギーが不可欠であった時代から比較すると中東の価値は低下している。死活的に重要な地域ではない中東に大規模な米国地上部隊を派遣することはなく、オフショア・バランシングすればいいのだ。 
一方、アジア太平洋地域はオバマ氏のリバランス政策(アジア太平洋重視政策)を額面通りに受け止めればバイタルな地域である。米国の伝統的な対外政策の本質である「米国を脅かす地域覇権大国の台頭を許さない」 *9を中国に適用すべきである。米国の中国に対するバランシングに期待する。
この問題を論ずる際には、投入する米国の能力の限界も考慮しなければいけない。米国は三正面すべてに対処する能力がないのである。 
*7= Stephen M. Walt、“What Do Politicians Really Mean by “Global Leadership””、Foreign Policy、September 4,2015
*8=Robert Kagan、“The Crisis of World Order”、WSJ、11/21/2015
*9=ジョン・ミアシャイマー、「大国政治の悲劇」、奥山真司訳、五月書房、P488
米軍には三正面すべてに対処する能力はない
多くのオバマ批判論者の主張を聞いていると、「アジアの中国にも、中東のISISにも、ウクライナやシリアで軍事行動を繰り返すロシアにも対処せよ」と米国がすべてに対処すべきだと主張する。 
しかし、米国はもはや世界の三正面に同時に対応できる能力はないという事実を忘れてはいけない。米国は、世界のあらゆる問題を解決できるスーパーパワーではなく、米国単独では世界の諸問題の解決は難しく、同盟国や友好国の協力が不可欠である。 
図2はランド研究所の分析結果 *10である。
予算規模に応じて整備できる部隊レベルを示しているが、議会が決議した最も予算の少ないBCA(予算管理法)規制額での部隊規模(FORCET)では2つの戦争を遂行することも困難であり、大統領案(FORCEU)では「選択的近代化」しかできなくて2正面の戦争にやっと対応できるレベルである。最も予算に恵まれた国防パネル案でも3正面の戦争はできないことが分かる。 
出典:RAND研究所の資料“AMERICA’S SECURITY DEFICIT”(筆者が和訳) 予算規模に応ずる部隊レベル 図2
米国の相対的な国力は、特にイラク戦争以降、徐々に低下している。一方で、中国とインドは国力の増進を図り、ロシアもプーチン氏が大統領に就任以来、原油価格の上昇という好環境もあり、その国力を回復させてきた。 
2030年頃を見通した世界の動向予測について、米国国家情報会議(National Intelligence Council)が公表した“Global Trends 2030”によると、圧倒的な力を背景に世界を同一の方向に向かわせてきた「覇権国」が存在しない世界が2030年の世界である。 
米国はかつての「覇権国」から「トップ集団の1位」にとどまると予想している 
いずれにしろ一国で世界の諸問題を解決し、国際社会をリードするような覇権国家は存在せず、米国も中国もその役割を担うことはできないであろう。 
2030年の主要国の国力 図3
*10=“AMERICA’S SECURITY DEFICIT RAND”、RAND研究所
オバマとプーチンのどちらが優れた戦略家か?
スティーヴン・ウォルト教授は、オバマとプーチン両大統領を比較してどちらが優れた大戦略家であるか評価している *11。彼の評価を要約したのが以下の文章である。
●米国とロシアの比較
米国とロシアを比較すると圧倒的に米国の国力がロシアに勝る。ロシアの2014年のGDP(国内総生産)は2兆ドル以下だが、これは米国の過去6年間のGDP増加分よりも小さな値である。米国経済はロシアよりも多様で、強靭である。 
さらに重要なことは、米国は多くの有力な同盟国を有し、重要な諸国(インド、ベトナムなど)との関係改善を実現した。 
一方、ロシアは中国との協力関係を深化させる努力をしているが、とても親密な同盟国というわけにはいかないし、ウクライナ紛争で欧州諸国との関係を悪化させ、G8から排除されることになった。 
中東においてもロシアの存在感は希薄だが、米国は伝統的な同盟国や友好国との関係を維持しているし、敵対していたイランとの関係もイラン核合意により少し改善している。 
●オバマ大統領に対する評価
オバマ大統領は、リアリズムのセンスがあり、多くの地域における米国の国益は限定的なものである(つまり死活的に重要な国益ではない)ことを理解している。 
彼はまた、結果(例えば軍事行動の結果など)をコントロールする米国の能力が限定的であることも理解している。特に国家建設(例えばイラクやアフガニスタンでの国家建設)は、多くの予算を必要とし、非常に困難で、多くの場合不必要であると理解している。 
しかし彼は、グローバル・リーダーシップ依存症に罹患し常に何かをし続けようとする外交政策エスタブリッシュメントを指揮しなければいけないのだ。 
「オバマは何もしない」と嘲笑するオバマ反対勢力の対案はマンボー・ジャンボー(理解困難で何の意味もないこと)である。つまりオバマの戦略は現実的で妥当である。 
オバマ大統領は前任者から負の遺産を受け継いだが、それを完全に清算することは難しい。それはオバマ大統領の責任というよりもブッシュ元大統領の責任である。ただ、責任としてアフガニスタンからはもっと早く撤退すべきであったし、リビアにおける政権転覆は実施すべきでなかった。 
米国の対シリア政策は、矛盾し達成困難なものであった。 
「アサドは出ていけ」と言いながら、アサド後継がジハーディストになることを拒否し、穏健な反アサド勢力が後継になることを望んだが、そのようなアサド後継になる穏健なグループなどは存在しない。 
そのために穏健なグループを養成しようとして見事なまでの失敗をしてしまった。 
●プーチン大統領に対する評価
プーチン大統領は、目標をロシアの能力に合致させてきた。目標を能力に合致させることは良き戦略家の証明である。 
プーチン大統領のウクライナについての意図は、ウクライナがロシアのクローンになることではなくて、ウクライナがEUに接近することやNATOに加盟することを防ぐことであった。 
ロシアの能力に合致したシンプルで達成可能な目標に限定し、迅速に決断し行動をしたのである。 
プーチン大統領のシリアにおける目標もシンプルで現実的でロシアの限定した能力に合致している。シリアを占領していないし、ISISを打倒しようともしていないし、イランの影響力をすべて排除しようともしていないし、自由主義を樹立しようともしていない。 
しかし彼の試みは、短期的で本質的に防御的であり、ロシアの国力や地位を長期的に増進する長期的なものではなく、ロシアのグローバルな地位のそれ以上の悪化を防ぐための戦いを実施しているに過ぎない。 
*11=Stephen M. Walt、“Who Is a Better Strategist: Obama or Putin ?”、Foreign Policy、October 9,2015
当事国が自らの責任を果たすべき
オバマ大統領の対外政策の特徴は、米国のグローバル・リーダーシップを強調するのではなく、関係各国や当事者の「自助」を促すことにあり、米国の直接的な関与を避け関係国や関係者に任せる傾向が随所にみられる。 
また、米国の14年間の対テロ戦争の最大の教訓の1つは「自助や自己責任の重要性」である。イラクやアフガニスタンの脆弱ぶりが示す事実は、「米国がいかに多くの軍隊・資金を投入したとしても、当事国が自らの国を再建するという責任感や自助努力がなければ全てが無駄だ」ということである。 
自己責任の意識がなく腐敗が横行する国はISISやタリバンにはかなわないという事実である。 
このことを米国は学んだのである。だから、米国一国のみで紛争を解決しようとはしていない。コアリッション(連合)が常態であり、対ISIS空爆がその典型である。紛争関係者こそ自己責任を果たすべきだし、その自己責任なくして紛争の解決は不可能である。 
オバマ大統領のリーダーシップを批判する前に、紛争などに直面している世界各国が自ら責務をしっかりと果たすべきである。 
ドイツをはじめとする欧州各国は冷戦終結後に軍事費を削減しNATOの約束事である軍事費GDP2%を守っていない。ウクライナ問題やシリア島からの避難民の問題をはじめとして欧州の問題は当事者である欧州諸国が責任を持つべきである。 
中東ではサウジアラビア、イラン、イラク、トルコ、UAE、クウェート、イスラエルなどの当事国はそれぞれの責任を果たすべきである。これらの国々は対ISISで何を実施してきたのか、シリアなどからの避難民を何人受け入れたのであろうかが問われている。 
最後に日本の責任である。 
我が国の生き残りは国家として必須の条件であり、根本は、アジア太平洋地域におけるバランス・オブ・パワーを日本にとって望ましい状況にすることであり、その主対象は覇権的に台頭する中国である。 
当然ながら我が国の自助努力によりバランス・オブ・パワーを改善しなければいけない。パワーの要素である経済成長、防衛力増強、科学技術力の強化、人口減少問題などの解決に真剣に取り組まなければならない。特に自衛隊は、日本防衛特に南西防衛態勢を確立しなければいけない。 
そして、日米同盟を堅持し、米国に中国のアジアにおける覇権の確立を抑止させることが不可欠である。これは米国に中国の抑止をバックパッシング(責任転嫁)するということではない。 
アジア太平洋地域はオバマ大統領のリバランス政策(アジア太平洋重視政策)を額面通りに受け止めれば米国にとってバイタルな地域である。同盟国日本としては、「欧州ではなく中東でもなくアジアこそが米国にとってバイタルな地域であり、覇権的台頭をする中国を抑止するのが米国の最も重要な使命である」という主張をし続けることである。 
日本のマスコミや保守にありがちな、「米国は世界のすべての正面に対処せよ」などと決して言ってはいけない。米国は中国にこそ対処すべきであると主張し続けることが重要である。 
この論理は、米国の伝統的な対外政策の本質である「米国を脅かす地域覇権大国の台頭を許さない」にも一致する。そして、対中抑止の輪を豪州、インド、ASEAN、ロシアにまで拡大することがより効果的な対中抑止となろう。 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45405


3. 2015年12月02日 15:15:39 : fCZ83cf8p2 : ZyE&&HR5cDA
           
            ↑ 

対中抑止も何も、今や地球上で米中くらい強い絆はないだろ。  イヤでも不可分の関係(笑)なんだから“中国困ったモンだ、脅威だ”論を今まで以上に振りまいておかないと今後大変ってグループも当然あるわけで読み疲れ長文ご苦労なこったw


4. 2015年12月02日 17:05:09 : MC3Dtej4S2 : W0ZRVCO5ivU
フランスはISISを攻撃するどころかシリア住宅街を爆撃しているらしい。
NATO・CIA・ISISはみんなグルだよ。仲間だ。
エリートはモロッコに避難だって。ふざけてるね。

http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51975067.html

[32初期非表示理由]:担当:関連が薄いコメントが多数につき全部まとめて初期非表示

5. 2015年12月02日 17:37:16 : fCZ83cf8p2 : ZyE&&HR5cDA
だよね、まあ本気のプーチン皇帝に引っ張られ仕方なくカッコづけでワシらもISIS攻撃参戦ダー、十字軍参加スルゾーみたいなオーベイの声と特殊部隊出して爆撃機の搭乗員救助してくれたイランみたいな同盟国とは当然皇帝陛下も区別されておられることだろーw

6. 2015年12月02日 17:59:55 : HujAqhwh2E : fvVCOM9VYUE
アメリカが口ごもっている。正面切ってロシアを非難することもしない。
もごもごと口を動かし、トルコを擁護する発言をするくらい。
フランスもドイツもロシアには協力的だし。

世界最強の空母部隊がどうしたとかの話も聞かない。実際どうなのだろう。


7. 2015年12月02日 18:23:49 : O1zmbKx9oQ : hBn7BMGZDOk
>約15万人の予備役兵をシリアへ投入する準備をロシア政府はしているという話まで流れている。

ISISを完全に消滅させるため15万人の軍隊をシリアに派遣する
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/60226

ロシア航空宇宙軍や少数精鋭の特殊部隊を投入するのとは、ワケが違う。ロシア国民の反発も凄いだろう。地上戦となれば、ロシア将兵の犠牲者もかなり出ることが予想される。ベトナム戦争のように軍需産業を潤すために長々とやるわけにはいかない。一ヶ月以内にイスラム国を「完全に消滅」させなければ、ロシア国内に不穏な空気が流れる。その間、1%側はロシアで偽旗テロを仕掛けてくるかもしれない。ウクライナ情勢も不安定化するだろう。

それとも、何か最新秘密兵器のお披露目で世界の度肝を抜くというシナリオなのか?

もっとも、この情報を聞いただけで傭兵に過ぎないイスラム国の末端兵士たちは雪崩を打って逃走していくだろうが… もしかして、それが狙い?

>残る手段は核戦争の脅しだろうが、これに失敗したなら、アメリカは破綻国家になる。当然、そのアメリカの従属している日本はアメリカより酷い状況になるだろう。追い詰められた日本が戦争を始める可能性がないとは言えない。

よくわからん文章だ。「日本は面従腹背でアメリカから距離を置き、破綻の被害を最小限に抑えるべきだ」というのならわかるが… だいたい日本はどこと戦争するのだ? 北朝鮮? アメリカが武器を売りつけるために存在しているハリボテ独裁国家だろう。アメリカが破綻するなら北朝鮮も同時に崩壊する。では、中国? 見え透いたマッチ・ポンプシナリオしか書けない安倍壷一派に国民の戦意を高揚させることはできない。
それと、アメリカが破綻する前に退役軍人・民兵・米軍内の良識派が立ち上がるのではないか? 彼らは1%の連中が手がける茶番劇には付き合いきれないだろう。

トゥイー・ボックスの人形劇場
https://www.youtube.com/watch?v=_-fgbICIu7w&index=8&list=PL31FAB6762EB4A166

歌詞解釈ブログ トゥイー・ボックスの人形劇場
http://blog.livedoor.jp/kashi_kaisyaku/archives/6142189.html


8. 2015年12月02日 18:37:39 : fCZ83cf8p2 : ZyE&&HR5cDA
てかISIS自体明日から反ISISに看板変えそうで、まあトヨタでバレるから無理か▼

9. 仁王像 2015年12月02日 20:03:53 : jdZgmZ21Prm8E[667] : tTNnjnrpGA : E&Sbav6Dt&c

 陰謀論の櫻井ジャだが、「露土共謀論」でないのはいい。

 この線は有り得ると思うが、トルコ単独説もまだ消えていないと思う。


10. 2015年12月03日 16:09:00 : WoIYxW63v6 : ghcknRrdrfA

あんなもん、CIAの将官連合やろっ!

高速降下中に謎の原因で出火?!

  電磁推進機研究者談



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