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カタールの国策メディア、アル・ジャジーラがトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の弁明を伝えている。リビアやシリアなどアメリカ支配層に屈服していない体制を破壊するプロジェクトに参加してきたカタールはエクソン・モービルに支配されていると言われ、いわば「バナナ王国」だ。
エクソン・モービルはアル・カイダ系の武装勢力やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)の盗掘石油を買い取っていると疑われている会社。武装勢力と石油資本をつないでいるのがエルドアンの息子、ビラル・エルドアンが大株主のひとりであるBMZだとされている。つまり、盗掘された石油はBMZによってトルコのジェイハンへ運ばれ、そこからタンカーでイスラエルへ輸送し、そこで偽造書類を受け取ってEUで売りさばくという仕組みだという。
こうした仕組みをジョー・バイデン米副大統領も知っていて、昨年10月2日には、ハーバード大学で行った講演で中東の「友好国」、つまりサウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦はISへ資金や武器を提供していると語っている。
これも広く知られているが、エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISを強大化させたと語り、ISを支援しているグループのひとつ、イスラエルの情報機関幹部もアル・カイダ系武装集団がトルコを拠点にしているとしている。こうしたことはアメリカやイスラエルも隠さないほどの「常識」だということだ。
バイデン発言から17日後、イランのテレビ局、プレスTVの記者、セレナ・シムが「自動車事故」で死亡した。彼女はその直前、トルコからシリアへ戦闘員を運び込むためにWFP(世界食糧計画)やNGOのトラックが利用されている事実をつかみ、それを裏付ける映像を入手したと言われている。その直後に彼女はMIT(トルコの情報機関)からスパイ扱いされ、「事故死」したわけだ。
ISを支える兵站ラインはいくつかあるが、最も重要なルートはトルコからシリアへ延びている。物資がトルコから運び込まれていることは西側のメディアでさえ伝えている事実で、ドイツのメディアDWは昨年11月、トルコからシリアへ武器や戦闘員だけでなく、食糧や衣類などの物資がトラックで運び込まれ、その大半の行き先はISだと信じる人が多いとしている。
ISの石油を買っているシリアのバシャール・アル・アサド政権だとエルドアン大統領は主張しているが、ならば輸送を断てば良い。ロシア軍は盗掘された石油の関連施設を破壊し、燃料輸送車を破壊しつつある。それで激怒したのはアメリカのネオコン/シオニストやトルコだ。トルコ軍のF-16戦闘機機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜した直後からロシア空軍は攻撃を強化、トルコから武器を運び込んでいる輸送車列も攻撃しはじめている。
ロシアの外相はトルコがISの盗掘石油を運び込み、国内に貯蔵していると語ったが、これは公然の秘密だった。ただ、ロシアという影響力の強い国の閣僚が口にしたことは衝撃的だが、それほどロシア政府はトルコ軍によるロシア軍機撃墜に怒っているということだろう。
そうした主張をエルドアン大統領が否定しても、シリア情勢に関心を持っている人びとからは嘲笑されるだけ。これを「罵り合い」と表現する人がいるとするならば、それはアメリカが描いてきた「マトリックス」にどっぷり浸かっているのか、シリア問題に興味がなかったのかだろう。
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