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偽旗作戦を洗練させたワシントン
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2015年11月18日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年11月16日
ワシントンと、フランス傀儡は、偽旗作戦の実行方法を洗練させたのだ。シャルリー・エブド作戦の経験で、印刷媒体やTVメディアからのあらゆる疑問を避けるため、そして調査を、前もって用意した筋書きで抑えてしまうため、すぐさま前もって用意した筋書きを確定しまうことを知ったのだ。
前もって用意した筋書きが、事件捜査に取り組んでいた警察幹部捜査官一人の不可解な“自殺”を説明するのを不要にしてしまった。前もって用意した筋書きが、一体なぜ、犯人とされる連中を逮捕せず、殺害する必要があったのかの説明も、あるいはフランス当局が、二人の犯人についてではなく、逃亡用の運転手とされるものについて、あれほど間違ってしまったのかについての説明も不要にしてしまった。当局が、一体なぜ逃亡用の運転手がいたと思ったかについての説明はなく、そのような運転手は逮捕されたり、殺害されたりしていない。実際、代替インターネット・メディア以外のマスコミは全く無関心な多くの答えられていない疑問が残っている。
インターネット上のシャルリー・エブド懐疑論から、アメリカとフランスが学んだのは、話題を途切れさせないということだ。シャルリー・エブドには、暴力事件現場が二つあり、テロ行動二つの関係は曖昧だった。今回は、いくつかの暴行現場があるが、話の上で、それぞれがうまくつながっている。
より重要なことは、事件にすぐさま、犯行容疑者のベルギー国内追跡や、「イスラム国」へのフランス爆撃や、フランス航空母艦の中東配備や、ISILに対するフランス大統領の宣戦布告や、ワシントンから圧力をかけられ、NATOを「イスラム国」侵略に引き込むNATOの第5条をオランドが発動するという憶測など、様々なドラマが続いていることだ。それぞれの出来事を新たなものでとって変えることで、大衆の関心が、攻撃そのものや、攻撃で恩恵を受ける既得権益集団からそらされてしまう。攻撃そのものはもはや旧聞だ。大衆の関心は他にそらされてしまった。どれほどす早くNATOは地上軍を派兵するだろう?
欧米マスコミは、パリ攻撃の興味深い多くの点を避けている。例えば、CIAやフランス諜報機関の長官連中は、パリ攻撃数日前の会合で一体何を話あったのだろう。攻撃者たちの正体を特定するのに、一体なぜ偽造パスポートが使用されたのだろう? 攻撃は、一体なぜ、緊急救援隊員や警官や緊急医療隊や医療関係者が参加する複数現場でのテロ攻撃シミュレーションとまさに同じ日に起きたのだろう? 警察のモバイル・データ追跡システムに対する高度なサイバー攻撃で、フランス警察が正しい判断をできなくされたという報道に、マスコミによる調査だ無いのは一体なぜなのだろう? ISILにそんな能力があるなどと本気で信じる人がいるだろうか?
欧米マスコミは、政府プロパガンダの拡声器役としてしか機能していない。非欧米マスコミでさえ、刺激的効果のおかげで、このパターンに続いている。これはマスコミにとって良い話題で、しかも何の努力も不要なのだ。
当初はロシア・マスコミさえもが、国内での政治的敗北と、シリアでのロシアへの敗北から、欧米支配的政治勢力を救出する、前もって用意した筋書きの喧伝を買って出た。しかし、いくつかのロシア・マスコミが、ロシアのウクライナ侵略やら、アサドによる化学兵器使用やら、ありもしないイランの核ICBMからヨーロッパを守るために、アメリカABMがロシア国境に配備されるやら等々の様々なfalse storiesを思い出すまでに、さほど長くはかからなかった。
ロシア・マスコミは、疑問を呈し始め、ゲアロイド・オコールマンから、いくつか良い回答を得ている。https://m.youtube.com/watch?time_continue=215&ebc=ANyPxKqr8P2sln2JowUb7OtE9x-Uh73wTzgr_ROE6eJC640x6hFGrOs879tSr41gemYrY56XDSeGT0VlU_SSs6lWIcYel6SrWw&v=L7GAbVhjTSw
パリ攻撃を理解するには次の疑問から始めるのが役にたつ。“ISILとは一体何なのか?”どうやら、ISILは、CIAか、CIAの作戦部門によって守られている、何か国家の深奥にある組織の産物のようだ。ISILは、リビアでカダフィを打倒するのに利用され、更にシリアのアサドを打倒すべく派遣されているように見える。ISILには、CIAやモサドやイギリスやフランス諜報機関が徹底的に潜入しているだろうと皆が考えている。恐らくISILは、自分たち独自の力に気がついて、ワシントンの狙いを、自分たちの狙いに置き換えつつあるのだが、ISILは依然、少なくとも部分的には、積極的であれ消極的であれ、ワシントンの支援に頼っているように見える。
ISILは、突如出現した新集団だ。ISILは、ナイフを振り回す野蛮な中世時代の狂信者として描かれる。そのような集団が、エジプト上空でロシア旅客機を爆発させ、レバノンやトルコで爆発をしかけ、フランス諜報機関を出し抜いて、パリ同時多発攻撃を成功させるほど広範囲に及ぶ世界的能力を、一体どの様にして、これほど素早く獲得したのだろう? ISILは、一体なぜイスラエルを攻撃しないのだろう?
次の疑問は:“ISILは、パリ攻撃でどのような恩恵を受けるのか?”ヨーロッパ国境を閉鎖させ、難民として、ヨーロッパに潜入するISILの能力を止めさせることがISILにとって恩恵だろうか? 中東のISIL拠点へのフランス爆撃を挑発して、自らに対するNATO侵略を引き起こして、ISILに一体何の役にたつだろう?
一体誰が恩恵を受けるのだろう? あきらかに、ヨーロッパとアメリカの支配的政治勢力が、様々な形で恩恵を受ける。難民の洪水をヨーロッパにもたらしているワシントンによる中東戦争を可能にしたため、フランス、ドイツとイギリスの既存支配政党は苦境にある。ドイツではペギーダ、イギリスではファラージの独立党、フランスではマリーヌ・ルペンの国民戦線が勃興している。実際、最近の世論調査では、マリーヌ・ルペンが、フランス次期大統領として先行していた。
パリ攻撃が、異議を唱えるこうした政党から、論点や主導権を奪い取ってしまった。フランス大統領の口からでた、攻撃に反撃するという最初の言葉にあったのは、フランス国境を閉鎖するという宣言だった。既にドイツでは、メルケルの政治的盟友たちが、彼女の政府を、その方向に押しやっている。“パリが全てを変えた”と彼等は宣言した。これが確実に、ヨーロッパの支配的政治勢力を、敗北と権力の喪失から救ったのだ。
同じ結果がアメリカでも起きた。素人のドナルド・トランプとバーニー・サンダースが、支配体制側の大統領候補連中を打ちのめしていた。トランプとサンダースには勢いがあった。ところが“パリが全てを変えた。”トランプとサンダースは今や脇に追いやられ、ニュースにならなくなった。勢いが消滅した。話が変わったのだ。“パリ攻撃が、2016年の大統領選挙の焦点になった”とCNNは宣言した。http://www.cnn.com/2015/11/16/politics/paris-attacks-isis-2016-reaction/index.html
フランス大統領の当初の言葉にも、裏付けるいかなる証拠も無しに「イスラム国」がフランス国家を攻撃したというオランドの宣言があった。明らかに、オランドが、NATO侵略軍をシリア国内に派遣するNATO第5条を発動するよう仕組まれていたのだ。これは、アサド政権を「イスラム国」による敗北から救ったロシアのイニシアチブに反撃するワシントンの手口だ。NATO侵略は「イスラム国」に対する戦争の一環として、アサドを打倒することになろう。
ロシア政府は、即座にはこの脅威に気がつかなかった。ロシア政府は、パリ攻撃を、ISILに対する戦いで、欧米の協力を得る好機と見ていた。ロシアの主張は、我々全員で、ISILに対して戦おうというものだ。
ロシアの存在は極めて効果的だが、シリア国内では小さい。そのシリア政策が、NATO侵略によって圧力をかけられた際、ロシア政府は一体どうするのだろう?
パリ攻撃で、唯一恩恵を受けるのは、欧米の支配的政治勢力と、シリアでアサドを追放するというワシントンの狙いだけだ。パリ攻撃は、フランス、ドイツとイギリス支配的政治勢力から、国民戦線や、ペギーダや、イギリス独立党という脅威を取り除いた。パリ攻撃は、アメリカの支配的政治勢力から、トランプとサンダースという脅威を取り除いた。パリ攻撃は、アサドを権力の座から排除するというワシントンの狙いを前進させた。
“クイ・ボノ(誰の利益になるか)”というローマの疑問格言への答えは明白だ。
だが、それを欧米マスコミから聞けるなどと期待してはならない。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/11/16/washington-refines-its-false-flag-operations-paul-craig-roberts/
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