25. 母系社会 2015年11月22日 10:21:02
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●事件後に戦争宣言をしたオランドも、安倍並みの詐欺師である。なぜなら、遅くとも「イスラム国」に空爆を始めた時点で、戦争宣言をすべきであったからだ。しかし、反撃される可能性があると言えば、反対されるので沈黙したオランドやフランスのマスゴミは、フランス国民や旅行客を見捨てた、棄民したのと同然の犯罪者である。(あの「戦争法案」は抑止力論が根拠だと安倍は釈明したが、抑止力論であるなら万一の場合、日本は戦前のような<戦闘国家>に戻るべきと呼び掛け、「日本は軍事的脅迫には屈せずに断固として戦うので、勝ってもそれなりの被害も出ますよ」と中国に警告してこそ、抑止力として効果を発揮する。ところが、安倍は「平和安全法案」であり、戦争しない法案などと説明したので、自ら抑止力論を否定している詐欺師であり、中国は、あの法案の趣旨を全く理解できないはず。安倍は、日本は戦前のような<戦闘国家>に戻ると宣言し、国民も賛同しないと、絶対に抑止力として機能しない) ●「テロ犯人がパリに潜伏してるなら、パリを空爆すればいいじゃん」という記事もあったが、「東京に原発を」と同じく「至言」である。 元同志社大学客員教授中田考氏の「ビンラディンの論理」(小学館文庫)によると、「イスラム法」の場合は民間人と軍人ではなく、戦闘員と非戦闘員という概念区別し、税金を払う男は軍人でなくとも戦闘員であり、非戦闘員は女性、子供、老人、修道士で、非戦闘員は原則として殺害の対象にはならないという。 ただし、戦闘や宣伝戦を行っている者、交戦中の敵陣の中にいる非戦闘員の巻添死は例外として認められているという。また、戦闘員である男性は全て殺害というわけでもなく、捕虜や身代金で解放することも認められている。つまり、捕虜用の食料不足の時や監禁する余裕が無い場合、殺害が認められるということになる。 今回のパリの事件で殺害された女性らの非戦闘員は、9・11の時に巻添えになった旅客機の客と同じく、交戦中の敵陣の中にいる非戦闘員とは言えないので、イスラム法にも反する行為ということになるだろう。 それとも、パリ自体が敵陣と言うのだろうか?それなら、事前に警告すべきであった。「イスラム国」は「イスラム法」に反していると思われる。 ●「イスラム国」やアルカイダのようにイスラム法に基づく全イスラム教徒の統一国家=「ウンマ・イスラミーヤ」=「イスラム共同体」の結成を目指すイスラム主義は、イスラム教の教義そのもので、イスラム教とは「イスラム共同体」の結成を目指す宗教である。 だから、かつて、エジプト政府がイスラム主義の浸透を阻止しようとして、体制派のイスラム学者とイスラム主義者との討論番組を放送していたが、結局、体制派のイスラム学者の方が論争では負けてしまうので中止したという。つまり、イスラム法に基づく「イスラム共同体」の結成を目指す運動の阻止は、世俗派のイスラム教徒も多数いるので不可能ではないかもしれないが、当面、極めて難しいと思われる。 中田氏によると、近代のイスラム政治思想の発展で、全世界に約14億人もいるスンナ派系イスラム主義者は2002年の時点で、少なくとも千数百万人もいたという。しかも、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)のように、親米国家を装いながら、水面下でイスラム主義者を支援している国もあり、また多数の富豪も支援している。 日本や欧米も同じだが、大部分の貧しいイスラム教徒は日々の生活に追われ、政治に関心を寄せる余裕など無いのが実情。つまり、日本や欧米の左右の政治運動と同じで、イスラム主義はイスラム世界のインテリ=エリートたちの運動として始まり、近年益々、一般の民衆に浸透しつつある。このエリートの運動に欧米やアラブ社会の貧しいイスラム教徒が共鳴して、アルカイダや「イスラム国」が誕生した。 貧困や差別が運動を拡大させている面があるのは確かだが、「イスラム共同体」を結成しようとする動因はイスラム教の教義そのものにあるので、イスラム主義運動は、貧困や差別が解決しても消滅しない。それでも欧米がイスラム主義者と戦うと言うなら、50年や100年、血みどろの戦いをする覚悟が必要であるが、100年戦ってもイスラム主義者を根絶することはできないだろう。 ●第一次世界大戦でオスマン帝国を崩壊させた英国は、フランスと協議して旧オスマン帝国領を再分割し、植民地にしようと画策したが失敗した。英仏両国を支配する巨大資本が旧オスマン帝国領を植民地にしようとした理由には、再び、オスマン帝国のようなイスラム教徒の「統一国家」が結成されて、英仏などの欧米諸国に敵対するのを防ぐ意図もあったのだろう。 しかし、中東諸国が欧米諸国に干渉すべきではないように、欧米諸国も中東諸国に干渉すべきではなかった。仮に再び中東にイスラム教徒の「統一国家」が結成されたとしても、欧米諸国はイスラム教徒の「統一国家」を尊重し、共存共栄の道を探るべきであった。 ところが、欧米諸国は植民地化に失敗しても中東諸国に干渉を続け、中東諸国の反対を無視して、イスラエル建国を強行した。イスラエル建国は、ユダヤ人差別という欧米社会の宿阿を、無関係なイスラム教徒の犠牲で「解決」すると共に、イスラム勢力を弱体化させる帝国主義的政策でもあり、イスラエルはイスラム教徒の「統一国家」結成を阻むために、中東に撃ち込まれた楔である。 ●そもそも、イスラム主義を支援し、拡大させてきたのは欧米自身である。第二次大戦前、世俗的民族主義派の独立運動に対抗させるため、当時アラブを支配していた英国は、イスラム主義のサウジや同胞団を、独立運動を封じ込めるために援助して利用した。第二次大戦後の1950年代、ナセル大統領が「ナセル主義」=親ソ連のアラブ社会主義でアラブ諸国を統合しようと呼び掛けて一世を風靡した時も、米国はイスラム主義者をナセル主義に対抗する勢力として援助して利用した。 1950〜60年代は、王制のイスラム主義と共和制のアラブ社会主義との闘争の時代であり、左翼がイスラム主義を封じ込めていた。しかし、ソ連崩壊でイスラム主義が優勢となった。1979年、イランで親米国王が追放されてイスラム革命が起こると、イスラム主義の第一の敵はアラブ社会主義派から、イランに替わったので、米国は腐敗したフセインを唆して、イラン・イラク戦争を起させた。しかし、パレスチナ問題や湾岸戦争、その後の米国によるイラクへの経済制裁で、イスラム主義派も反米へ転換した。 1992年、サダト暗殺でも民衆蜂起が起こらなかったため、多数のイスラム主義者は国内での武装闘争を放棄して穏健化したが、それでもムバラクは弾圧したので、イスラム主義団体は分散化して統制がとれなくなって、多くの襲撃事件が起きた。更に9・11以降は、欧米のマスゴミでは、何度も<イスラム世界を植民地にするしかない>という帝国主義のプロパガンダが公然と流布された。 ●イスラム主義者は当初、選挙などの平和的方法で「イスラム共同体」を結成しようとしていた。しかし、それでも1950年代以降、欧米に支援されたイスラム諸国は、容赦なくイスラム主義者を弾圧した。それで、一部のイスラム主義団体が武装闘争を始めたのである。そもそも、イスラム主義者を武装闘争に追い遣ったのは、イスラム諸国の世俗派指導者たちと、その指導者たちを支援してイスラム主義者を弾圧した欧米諸国自身である。 これは1951年、政党を結成しようとしたイスラム主義者がヨルダン政府に逮捕され、当選したイスラム主義の議員も地位を剥奪され、投獄されたこと、そして選挙で圧倒的支持を得て成立したイランのモサッデク政権が1953年に、皇帝派と結託した米英両国の情報機関に支援されたクーデターで失脚させられたことや1992年、アルジェリアの総選挙で勝利した「イスラム主義」政党FISの政権樹立が、欧米に支援された軍部により阻止されたことからも明白である。この時、10万人以上もの犠牲者が出る内戦となり、多数の「イスラム主義者」が殺されたのだが、軍部がアルジェリア国民の意志を圧殺したのに、日本や欧米は黙認した。 ★日本や欧米政府、マスゴミの腐敗堕落は根深い。1880年、当時の『ニューヨーク・タイムズ』紙の著名記者ジョン・スウィントンは、「報道の自由などというものは存在しない」という趣旨のスピーチを行い、「ジャーナリストの仕事は、真実を壊し、公然と嘘をつくことであり、判断を誤らせ、中傷し、富の邪神の足元にへつらい、自分の国も国民をも、日々の糧のために売り渡すことである。」と正直に述べた。 国民が選挙で政治家を選ぼうが、政治家を選ぶ国民自身が巨大資本に操られたマスゴミにより、巧妙に騙され続けている日本や欧米諸国は、北朝鮮、中国以下の国である。なぜなら、北朝鮮や中国の国民は、日本や欧米諸国の国民とは逆で、自国のマスゴミなど信じていないからである。 ●イスラム教徒の「統一国家」=「イスラム共同体」結成を阻む欧米巨大資本の干渉は、中東の石油資源を欧米がコントロールするために必要でもあるので、中東諸国の国内矛盾や国家間の不和を利用して、今も続いている。シリア国民の半数が難民化した以上、シリア革命が失敗したことは明らかである。欧米巨大資本は干渉を止めて、速やかにシリア内戦を終結させるべきである。 たとえ「イスラム共同体」が結成されても、東アジアの日本にとって、決しては悪いことではない。「東アジア共同体」が結成されれば、アジアのインドネシアやマレーシアなどは、「イスラム共同体」と「東アジア共同体」の両方に参加するので、「イスラム共同体」と「東アジア共同体」とは共存共栄できるし、「東アジア共同体」とロシアが結成しようとしている「ユーラシア連合」とは、中国とロシアとの友好関係から、共存共栄できる。 更に、中国の影響力が強いアフリカや南米諸国とも、「東アジア共同体」は共存共栄できる。そもそも、日本の経済は高度な段階にあるが、家族主義的な太古の文化が残存している日本は開発途上国型の文化であり、個人主義の欧米文化とは根本的に異なる世界観の国である。 ●中田氏によると、欧米が貧しいイスラム諸国を援助しても、独裁政権が「援助」を横取りして強大するだけなので、イスラム世界は欧米に、金銭的援助は求めていないという。イスラム世界が欧米に求めているのは正に<正義>であり、欧米自体が「自由」や「平等」、「人権尊重」を口で唱えるだけでなく、実際に自国で実行することを求めているという。 これは、ダンザ・モヨの主張と一致している。本当に貧しい国の民衆を援助したいなら、ダンザ・モヨが言うように、中国の現物供与型援助が最適である。自国の資金で、自国の企業に橋や道路を造らせ、民衆に直接現物供与をするのである。援助国の政府機関や企業を使った援助であれば、独裁政権が介入して「援助資金」を横取りし、エジプトのムバラク政権のように、益々独裁体制を強固にしてしまうのである。日本や欧米型の資金援助型の支援は、貧しい中東やアフリカ諸国の独裁体制を強固にする援助で、その国の民主化を阻んでいる。新植民地主義の日本や欧米諸国は、被援助国が独裁体制の方が、その国の資源などを独占し易いからである。 ●イスラム教徒がイスラム法に依拠した「イスラム共同体」の結成を目指すのは、16億人もの信者がいるイスラム教の教義そのものの実践でもある。だから、それでも欧米が「イスラム主義者」と戦うと言うなら、50年や100年、血みどろの戦いをする覚悟が必要であるが、それでも「イスラム主義者」を制圧することはできない。 もちろん、イスラム世界には、サウジのようなイスラム主義の国もあれば、親欧米の王制国モロッコ、実質的には軍部支配のエジプトやパキスタン、EU加盟に活路を求める非アラブのトルコなどの様々な国がある。また、イスラム教に限らず、一般的に宗教よりも民族を優先し、近代化により、世俗化の傾向も強まるばかりであるので「イスラム共同体」が、本当に結成できるのかは不明である。 ★しかし、「イスラム国」は全世界のイスラム教徒に、「イスラム共同体」の結成という問題を提起した。欧米やロシアは、シリアでは、一時的な勝利は得られるかもしれないが、自爆攻撃も厭わない「イスラム主義者」を、欧米諸国やロシアが恒久的に制圧することなど絶対に不可能である。 ●湾岸戦争後の経済制裁で、100万人以上の市民や子供が医薬品の不足のために死亡し、その後のイラク戦争だけでも100万人以上ものイスラム教徒が殺された。米国は「テロリスト」とは交渉しないと大言壮語していたが、アフガン戦争では、結局はタリバンと交渉しようとして逆に、タリバンに断られて大恥をかいている。イスラエル建国を強行して計4回もの中東戦争を起し、無数のイスラム教徒の犠牲者を出してきたことを反省せず、被害者面している反イスラム主義の有志連合も、大言壮語していると米国と同じく大恥をかくことになるだろう。 日本のマスゴミは報道しなかったが、フセインのクエート侵攻には一理ある。なぜなら、クエートは歴史的にイラクの一部であり、日本で言えば、石炭全盛時代、炭鉱があった福岡県が炭鉱の利益を一人占めするために、英国の軍事力を背景にして、無理やりイラクから独立した国がクエートだから。それで、イラク戦争後、戦災で救援を求めていたイラク南部のシーア派さえもが、クエートからの援助物資の受け取りを拒否した。 ★「イスラム主義」は、「イスラム主義」を広めるために、富裕で力のある豪族的イスラム教徒の力を利用することを認め、そうした実力者を「イスラム主義」の「覇者」=「王」として統治権を承認する現実主義の立場。だから、「イスラム主義」の革命は、西欧の市民革命の実質的担い手はプロレタリアだったが、ブルジョアの財力も利用した両者の合作だったの同じ側面があり、革命で平等を重視して利子を認めない「イスラム共同体」が結成された後に、「イスラム共同体」の労働者が世俗化を進めて、社会主義へと向かう可能性もあるのではないだろうか。 「報道の自由などというものは存在しない」 http://blog.livedoor.jp/googooinvest/archives/2010458.html 「ビンラディンの論理」(小学館文庫) http://www.amazon.co.jp/%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%B8%AD%E7%94%B0-%E8%80%83/dp/4094025561
[32削除理由]:担当:要点がまとまっていない長文
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