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【モスクワ=田中孝幸】シリアのアサド大統領は20日、秘密裏にモスクワを訪れ、ロシアのプーチン大統領と会談した。ロシア側の発表によると両首脳は9月末から続けているロシアによる過激派組織「イスラム国」(IS)を標的とした空爆の継続について協議し、軍事面での連携を確認した。シリア内戦の収拾策についても話し合ったとみられる。ロシアがシリアの安定化に向けた協議を主導し、中長期にわたってシリアでの影響力を確保する狙いが透ける。
アサド氏の訪ロはロシア側の招待に応じたもので、クレムリン(大統領府)でプーチン氏と会談後、すぐにシリアに帰国した。タス通信によるとアサド氏の外遊は2011年に内戦が勃発して以来、初めて。
プーチン氏は会談でロシア空軍による支援を受けたシリア政府軍が「国際テロとの戦いで相当な成果をあげている」と評価。「シリアでは旧ソ連出身者4千人がシリア政府軍と戦っている。彼らがロシアに戻るのは我々は許すことはできない」と述べ、ロシア国内のテロ対策上も空爆が必要だったと強調した。
シリア和平については「最終的には全政治勢力や民族・宗教グループが参加する政治プロセスを踏まえ、長期的正常化は達成できる」と指摘。「我々は戦闘だけでなく政治プロセスにも貢献する用意がある」と和平の仲介に前向きな姿勢を示した。
アサド氏は「ロシアの行動がなければテロリズムはもっと幅広い領域を占領したはずだ」とロシア側の軍事支援に謝意を表明。「戦闘の後に政治的措置がとられるのは当然だ」とも述べ、ロシア側が関与する停戦協議に応じる構えを見せた。
プーチン氏が内戦中で危険な立場にあるアサド氏をあえてモスクワに招いて会談した背景には、同氏に一部の反政府勢力と対話をさせるなど事態の収拾を急がせ、軍事介入の長期化を避ける思惑がある。
アサド氏は長年、中東で最大の親ロ政権を率いてきた。「ロシアが身の安全や影響力保持を図ってくれるとの信頼感があり、異例の外遊に踏み切った」(欧州外交筋)。訪ロで後ろ盾であるロシアの存在を内外に示す狙いとみられる。
中東メディアによると一時はアサド氏が率いる政府軍は極めて劣勢にあったが、今月からロシアの集中的な軍事支援とイランからの地上兵力の参加を得て反政府勢力やISへの反転攻勢を開始。北部アレッポの周辺地域などを奪回しつつある。
ただ、空爆支援だけではなお国土の半分以上を支配するISと反政府勢力に対して「政府軍が決定的に勝利するのは難しい」(ロシア国防省筋)。事態を放置して1980年代に失敗した旧ソ連のアフガニスタン軍事介入のようにロシア軍兵士の犠牲者が膨らめば、政権の支持率低下につながる懸念もある。ロイター通信は20日、政府軍側で戦うロシア人が少なくとも3人死亡したと報じた。
関係国の間ではアサド大統領を近い将来退陣させる見返りに、アサド派やロシアの権益を認める体制に移行させる案がとりざたされる。ロイター通信によると、トルコの政府高官がアサド氏が半年間政権にとどまることを容認する計画を欧米各国と検討していることを明らかにした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H4R_R21C15A0FF2000/?dg=1
「一部の反政府勢力と対話をさせるなど事態の収拾を急がせ、軍事介入の長期化を避ける思惑がある」
"一部の反体制派"とは具体的にどの勢力を指しているのか。主な勢力の中にアサドと対話する勢力は存在しないし、これからも出てくることはない。
「アサド大統領を近い将来退陣させる見返りに、アサド派やロシアの権益を認める体制に移行させる案」
およそ実現しそうにない案である。
アサドは退陣しないだろう。もし退陣すれば、自らの命の保証がないことを知っている。
ロシアはウクライナとシリアの二正面作戦は不可能だった。ウクライナでの停戦が確実な状況となった後にシリア空爆を開始した。
米国と同じく、ロシアもシリア空爆に踏み込んだことで抜け出せない泥沼にはまり込んでしまった。
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