http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/213.html
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シリア内戦が勃発してから初めてのアサド大統領の訪露である。
NHKをはじめ日本のメディアは、ロシアへの軍事的支援の感謝と継続的な軍事的支援を求めてロシアを訪れたというトーンで報じているが、ロシアが軍事介入に踏み切る前でさえロシアを訪問しプーチン大統領に要請してはいないことを考えると、主要な目的は他にあると考えるのが自然である。
数日前に投稿した「活発化するシリア問題外交:ケリー国務長官がシリア問題でロシア・ラブロフ外相、サウジ・ジュベイル外相の三者会談を提唱」( http://www.asyura2.com/15/warb16/msg/210.html )にあるように、近々、シリア問題の政治的解決をめざした米露サウジの三カ国外相会談が行われる予定になっている。
今回のアサド大統領の訪露は、三カ国外相会談を踏まえ、シリア問題の政治的解決を達成する条件として、どこまで譲れるのか絶対に譲れない線はどこまでなのかなどを確認し合うのが目的だと推測している。
アサド大統領は、米国やイスラエルとも裏では“親密な”関係にあるが、国際社会の見方(建前)は違うから、毒ガス騒動や独裁者イメージなどを抱えるアサド大統領がそのまますんなり“再統一シリア”(再統一そのものが困難を伴う過程)のトップというわけにはいかない。
反体制派は“再統一シリア”を支配できる政治勢力ではないから、現政権派が支配を継続するとしても、アサド氏は身を引くなどの妥協が必要になると思われる。
そのあたりを含めた政治的条件の詰めが、アサド政権とプーチン政権のあいだで行われるだろう。
25万人を超える人々が死に、1200万人が国外避難民になっている現状をできるだけ早く終わらせるため、火を付けた米欧と政権後ろ盾のロシアは政治的解決に真摯に取り組まななければならない。
※ シリアをめぐって米露が厳しく対立しているかの報道が目立つが、米国は、危険回避のためのロシアとの協議のなかで、ロシアが攻撃を加えている地域の反体制派には武器弾薬の投下を行わないと表明している。
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シリア大統領 ロシアに支援継続求める[NHK]
10月21日 20時32分
シリアのアサド大統領は、ロシアを電撃訪問してプーチン大統領と会談し、ロシア軍が過激派組織IS=イスラミックステートを対象にするとして続けている空爆に謝意を表明したうえで、ロシアによる支援の継続を求めました。
ロシア大統領府によりますと、シリアのアサド大統領は20日、急きょモスクワを訪れて、プーチン大統領と会談し、ロシア軍がシリアで続けている空爆などについて協議しました。
この中でアサド大統領は、「シリアの国土の一体性のためロシアの指導者と国民が行っている支援に感謝する」と述べ、ロシアが過激派組織ISを対象にするとしている空爆と軍事支援に謝意を表明しました。さらに「テロはシリアの和平に向けた深刻な障害だ」と述べ、テロとの戦いを続けるとしてロシアによる支援の継続を求めました。これに対してプーチン大統領は、「ロシアはテロとの戦いだけでなく、和平に向けた政治プロセスでもできるかぎり支援する用意がある」と述べ、引き続きアサド政権を支えていく考えを強調しました。
会談では、ロシア側からプーチン大統領のほかにショイグ国防相やラブロフ外相も加わり、今後のアサド政権への軍事支援について、具体的に話し合ったものとみられます。
アサド大統領の思惑は
アサド大統領が外国を訪問したのは、4年前の2011年3月にいわゆる「アラブの春」でシリアの混乱が始まって以来初めてのことです。
アサド大統領としては、内戦下で欧米諸国が反政府勢力の支援を強化するなか、軍事的な劣勢を盛り返してより優位な状況を作り出すため、プーチン大統領と直接会談し、ロシアとの協力関係を一段と強化しようという思惑があったとみられます。
今回のロシア訪問については、シリアのメディアも「両首脳はテロリストに対する軍事作戦について話し合ったほか、シリアの将来はシリアの国民が決めることだと強調した」などと大きく伝えています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010277751000.html
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