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米陸軍の精鋭だったピンキー
無給義勇兵となった28歳米国人「可能な限りIS兵士殺したい」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151012-00000010-pseven-int
SAPIO2015年11月号
悲劇の連鎖は終わっていない──ジャーナリストの後藤健二さんらが「イスラム国」(IS)に殺害されてから半年以上が過ぎ、一部の報道ではISが支配地域を失い弱体化しつつあるように言われ始めた。しかし、実際にはまだまだ勢力を保っており、その最前線ではISに抗する者たちの凄絶な戦いが続いている。イラク北部のクルド自治区でISと戦う兵士たちの実像を、報道カメラマンの横田徹氏がレポートした。
* * *
ウィーンを飛び立ったオーストリア航空機内には、多数のクルド人乗客に交じり、スーツ姿の欧米人ビジネスマン、ドイツ陸軍の軍服に身を包んだ将校の一団、Tシャツにカーゴパンツというラフな服装の民間軍事会社のコントラクター(傭兵)たちの姿がある。多種多彩な乗客の顔ぶれが、これから向かうクルド自治区の状況を物語っている。
イラク北部、クルド自治区の首都アルビル。石油の輸出により経済成長が著しく、大通りには洒落たカフェが並ぶ。
夜にはナイトクラブで酒を飲み、踊り狂う裕福なクルド人や外国人ビジネスマン。彼らを目当てに世界各国から集まる売春婦。そんな状況を見る限り、ここアルビルから80kmしか離れていない場所に「イスラム国」(IS)のイラクにおける拠点、モスルがあるとは信じ難い。
2015年6月、ISと戦うクルド自治政府の軍事組織「ペシュメルガ」を取材する為、アルビルからキルクークへと南下する。キルクークはイラク最大の油田地帯。今年1月にISの攻撃を受けたが、ペシュメルガが応戦して侵攻を食い止めた。現在もISとペシュメルガの睨み合いが続いている。
キルクークの南方カラダラ村にペシュメルガの最前線基地がある。ここはIS支配地域から1kmと離れておらず、ISの陣地が目視出来る。ペシュメルガの兵士に交じり、外国人義勇兵の姿があった。アメリカ人が多いが、カナダ人、イギリス人、フランス人など多様だ。
そのうちの一人、“ピンキー”と名乗る28歳のアメリカ人は、かつて米陸軍第82空挺師団に6年間在籍し、2007年と2008年に2度のイラク派兵を経験した戦闘のベテラン。ペシュメルガに入隊して1か月という彼に話を聞いた。
「私が義勇兵として戦う理由は、悪魔(IS)がこの地に建国するのを阻止する為です。イラク政府軍は逃げてしまい、毎日のように罪のない人々が殺されています」
ピンキーが義勇兵の存在を知ったのはペシュメルガのフェイスブックだった。
「義勇兵になるには軍隊経験は必須です。特に戦闘経験があれば仲間に信頼されます。我々、義勇兵はボランティアなので給料はもらっていません。金は問題ではありません」
ISでさえ兵士に給料を払っているというのに、外国人義勇兵はクルド自治政府からは一切、給料をもらっていない。米や豆中心の食事と弾薬だけは支給されるという。腹は満たせるが体重が日々、減っていると嘆いていた。
この日の夜、アメリカ人義勇兵の宿舎でパーティーが行われ、私も招待された。ビールを手にしたほろ酔いのピンキーに本音を聞いてみた。
「私がここに来た本当の理由はイラク派兵時に殺された友人の復讐の為です。可能な限りIS兵士を殺したい」
ピンキーは2度のイラク派兵から無事に生還したものの、かつての生活には戻ることが出来ず、アメリカは彼にとっての故郷ではなくなったという。“生きる目的”を探してイラクの戦場に戻ってきたのだ。
撮影■横田徹
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