17. 2015年10月10日 01:00:31
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露・シリア軍、再び合同作戦 産経新聞 10月9日(金)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00000053-san-m_est 【カイロ=大内清】シリア内戦の情報を収集しているシリア人権監視団(英国)によると、ロシア空軍とシリア政府軍の部隊は8日、シリア北西部で大規模な合同作戦を展開した。両軍が連携した大規模作戦は2日連続。ロシア国防省は8日未明に27の目標を空爆し、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の訓練施設などを破壊したと発表した。 作戦の対象とみられるのは、反体制派の拠点である北部イドリブや中部の要衝ハマに近いガーブ平原。攻勢を続けるハマ方面への反体制派の移動ルート遮断を狙っている可能性がある。 露、「挑発」と「賭け」 スンニ派諸国と関係悪化 孤立拍車 産経新聞 10月9日(金)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00000054-san-m_est ロシアのシリア空爆をめぐる主な動き(写真:産経新聞) 【モスクワ=遠藤良介】ロシアによるシリア空爆は7日までに112回に達し、プーチン露政権は「イスラム国」打倒に向けた「成果」を強調している。ただ、米欧や中東諸国は、空爆がシリアの反体制派を標的にしていると強く非難しており、ロシアの国際的孤立は深まる一方だ。「大国」の面目をかけて踏み切った軍事行動は、ロシア自身の首を絞めかねない多くのリスクをはらむ。 ロシアの空爆地点はイスラム国の支配地域から離れたシリア西部に集中する。ロシアの作戦はシリアのアサド政権の温存を目的としており、米国など有志連合の支援する穏健反体制派を「テロリスト」とみなして空爆している疑いが強い。 イスラム教シーア派を基盤とするアサド政権やイランの側に立った軍事行動により、ロシアがスンニ派諸国との関係を悪化させることへの懸念は国内でも強い。ロシアの空爆には、スンニ派の盟主を自任するサウジアラビアが猛反発しており、トルコはロシアとの天然ガス輸入交渉を中止する構えも見せている。 ロシアは今回、イスラム国打倒を建前にしつつ、中東の橋頭堡(きょうとうほ)であるシリアを自らの影響下に保持する狙いで空爆に踏み切った。シリア問題の主導権を握る「大国」であることを誇示する思惑だ。 ただ、ロシアがどの時点でいかに軍事行動を終結させるかの「出口」は見えていない。米国など有志連合の高度な戦力ですら対イスラム国空爆の効果が限定的とされる中、ロシアがどのような成果を出せるのかは疑問視されている。 ロシアがどこまでアサド政権を支える方針なのかも不明で、同政権の求めに応じ、シリア内戦に深入りする危険性も指摘される。 旧ソ連は1970年代にシリアへの軍事支援を本格化させたが、当時のハフェズ・アサド政権が傲岸な武器供与や派兵の要請を続け、ソ連指導部は対応に苦慮した側面があった。旧ソ連は82年、レバノンでのシリアとイスラエルの戦闘に秘密裏に派兵し、死傷者を出したことも明らかになっている。 プーチン政権は、公式には否定しつつ、昨年からのウクライナ東部紛争で親露派側に派兵した前例がある。ロシアはシリアでの作戦を空爆に限定するとしているが、露軍拠点が攻撃された場合など、何らかの形で陸上戦力を投じるとの観測はくすぶり続けている。 ロシアに隣接する中央アジア諸国や露南部の北カフカス地方では、かねてイスラム過激派の浸透が懸念されている。シリアでの軍事作戦に乗り出したことで、ロシアがテロの標的になる可能性はさらに高まったとも指摘されている。 露、「挑発」と「賭け」 米国防長官が非難 戦闘機接近3回 産経新聞 10月9日(金)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151009-00000055-san-m_est 【ワシントン=加納宏幸】カーター米国防長官は7日、訪問先のローマで記者会見し、シリアへの軍事介入を強化するロシアが「イスラム国」以外を攻撃しているとし、「戦略に悲劇的なほどの欠陥がある」と非難した。ロシアが姿勢を改めない限り、イスラム国掃討で協力するつもりはないとも断言。ロシア軍の戦闘機が米軍無人機に接近する事案が3回あったとも報じられており、米露の対立は深刻さを増している。 ロシアが9月30日に空爆を開始したのを受け、米露は今月1日、軍用機の偶発的な衝突回避策をめぐり国防当局高官が協議。ロシアはシリアのアサド政権を支援する立場から米国が支援する反体制派も攻撃対象に含めており、米露それぞれの作戦展開中に不測の事態が起こるのを避ける目的があった。 ただ、カーター氏は記者会見で、協議はあくまでも衝突回避のための技術的な調整が目的であると強調した。また、「間違った戦略を追及し、イスラム国以外を標的にするロシアと協力することでは合意していない」と述べた。一方で、衝突回避によってパイロットの安全を確保するための協議は続ける考えを示した。 ロシアは攻撃対象をイスラム国に限定すべきだとする米側の意向に反する形で空爆を継続している。7日にはカスピ海から巡航ミサイルを発射するなど活動は激しさを増しており、米政府はシリアでイスラム国掃討に携わる米軍など有志連合と衝突に発展することを強く懸念している。 米FOXニュースが7日、複数の米政府当局者の話として伝えたところによると、ロシアの空爆開始以来、同国の戦闘機が少なくとも3回、シリア上空で米軍の無人機MQ1プレデターに接近した。 これに関連し、米国防総省のデービス報道部長は7日、シリア上空で有志連合の航空機がロシア機との衝突を避けるため針路の変更を迫られた事案があったことを記者団に明らかにした。1日の国防当局間協議の後にも「少なくとも1回」は発生したという。 露のシリア空爆 「イスラム国」掃討は名目か 2015年10月09日 03時03分 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151008-OYT1T50131.html ロシアのシリアでの本格的な武力行使が、ロシアと米国の緊張を高め、固定化させつつある。 ロシアが、シリアのアサド政権と敵対する反体制派武装勢力への軍事行動を拡大し始めた。攻撃はアサド政権の要請に基づくものだ。 9月末以来、1週間以上の空爆に加え、約1500キロ・メートル離れたカスピ海に展開する艦艇から巡航ミサイル攻撃も行った。 ロシアの標的の9割以上が、親米欧の穏健な反体制派だとされる。子供を含む民間人死傷者が多数出たという。 アサド政権の地盤で、ロシアが中東唯一の軍港を持つタルトゥスに近い西部に空爆は集中する。 ロシアは過激派組織「イスラム国」の掃討が目的だとしている。だが、弱体化したアサド政権を支え、自国の権益を守る狙いが明白で、利己的な行動と言えよう。 ロシアが「義勇兵」を派遣するとの情報もある。シリアの盟友イランの部隊やイラクなどのシーア派勢力と連携し、シリア反体制派と戦う構想だろう。 シーア派を偏重した作戦は、スンニ派勢力と、後ろ盾のサウジアラビアやトルコの反発を買い、宗派対立を煽あおるだけだ。内戦が、近隣国とロシアとの代理戦争に発展する危険も軽視できない。 ロシアの前身であるソ連は隣国のアフガニスタンに介入した。約9年の戦いで経済が疲弊し、体制崩壊の一因ともなった。 ウクライナ問題を巡りロシアは現在、米欧の制裁下にあり、経済は下降線をたどる。中東での作戦が、ロシアの体力を一層奪うのは確実だ。アフガンでの教訓を顧みない愚行ではないか。 オバマ米大統領は、ロシアは「泥沼にはまる」と警告した。 米国は、シリア情勢での主導権を握るため、穏健反体制派への武器供与と「イスラム国」の拠点への空爆を強化するというが、効果は未知数だ。 シリアへの関与を逡巡しゅんじゅんしてきた米国は、ロシアとの協力を断固として拒否している。 ただ、「イスラム国」の弱体化を目指す点では、利害は一致する。米露の偶発的衝突を避け、攻撃の標的を絞り込むためなら、作戦を調整する意義はあろう。 安易に軍事手段に訴えるプーチン大統領の姿勢は、国際社会の不安定要因になっている。 米露の対立が深刻化し、世界は新型の「冷戦」とも呼ぶべき局面を迎えつつある。日本外交への影響も避けられまい。 露、初の巡航ミサイル使用…1500キロ先破壊 2015年10月09日 00時55分 http://www.yomiuri.co.jp/world/20151008-OYT1T50108.html?from=ytop_main2 【モスクワ=緒方賢一】ロシア軍は7日、内戦が続くシリアで展開中の軍事作戦で初めて「巡航ミサイル」を使用した。 カスピ海に展開中のフリゲート艦から26発を発射し、約1500キロ離れたシリア北部のアレッポ、ラッカなどにあるイスラム過激派組織「イスラム国」の拠点を破壊したと発表した。 アサド政権の存続を巡って米欧との対立が続く中、ロシア軍が保有する精密誘導兵器の威力を見せつける狙いもあるとみられる。 ロシア国防省が公表した巡航ミサイルの飛行経路はイラン、イラクの領空を通過しており、ペスコフ大統領報道官は7日、この攻撃について関係国と調整して行ったことを明らかにした。ロシアはイラン、イラク、シリアの4か国間で、シリア情勢についての情報を交換する「調整センター」をバグダッドに置いており、今回のミサイルによる攻撃も、関係する3か国に通知したという。 射程が1000キロを超える本格的な巡航ミサイルを実戦投入したことについて、ロシアのプーチン大統領はショイグ国防相に対し、「国防産業の優れた能力を示した」と語った。 ロシアはシリアでの空爆開始後、同国沖の地中海で海軍演習を実施。黒海艦隊からミサイル巡洋艦や揚陸艦など7隻が参加した。 プーチン氏はシリアでの軍事作戦について、空爆に限定する考えを示しているが、艦船は現在もシリア沖に展開中で、いつでも実戦投入が可能な状態とみられ、ロシアが今後、軍事介入を拡大させる可能性もある。 *巡航ミサイル 全地球測位システム(GPS)などの情報で自らの位置を補正しながら攻撃目標に向かうことができる「精密誘導兵器」。弾道ミサイルが放物線を描いて高高度から高速度で落下するのに対し、海面や地上ぎりぎりを飛ぶため、レーダーで捕捉することが困難とされる。米軍の巡航ミサイル「トマホーク」は1991年の湾岸戦争で実戦投入。2003年のイラク戦争でも使用された。 NATO、露空爆に懸念 国防相理事会 トルコ派遣も検討 2015年10月9日 読売新聞 北大西洋条約機構(NATO)は2015年10月8日、ブリュッセルで国防相理事会を開き、ロシアがシリアに対する軍事介入を拡大していることについて「重大な懸念を引き起こす」との認識で一致した。シリア情勢を踏まえ、ウクライナ危機を機に発足が決まった2日以内に展開可能な「緊急対応部隊」を強化。バルト諸国やポーランドなど6カ国に加え、加盟国の南東部の防衛のため新たにハンガリー、スロバキアにも司令部を置くことも決めた。 ストルテンベルグ事務総長は記者会見で、ロシア軍機が加盟国トルコの領空を侵犯したことに言及。「いかなる脅威に対し防衛する用意もある」と述べ、必要があればトルコに部隊を派遣する考えを表明した。
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