タリバン内部抗争激化 グループ間で戦闘　和平協議に暗雲

　【ニューデリー＝黒沼勇史】アフガニスタンの反政府武装勢力タリバン内部の権力抗争が激化している。２年前に死亡していたことが明らかになった最高指導者オマル師の後継をめぐる対立とみられ、29日には対立するグループの間で初めて戦闘が起きた。アフガン政府がタリバンとの間で進める和平協議は難しくなりそうだ。

　アフガン南部ザブール州で29日、オマル師を引き継いだ最高指導者マンスール師の支持派に対し、ダドゥラ指揮官が率いる一団が銃撃し、ＡＰ通信によると少なくとも５人が死亡した。

　ダドゥラ氏は日本経済新聞に対し「故オマル師の親族がタリバンを率いるなら誰であっても支持する」と述べ、親族ではないマンスール師の新体制に従わない意向を示した。ダドゥラ氏はオマル師の弟マナン氏を指導者に推している。

　過去２年、タリバンで事実上のトップを担ったマンスール師は、アフガン政府との和平に前向きに取り組んできた。７月上旬には、パキスタン首都イスラマバード近郊で初の公式和平協議を開いた。７月に同師がオマル師の後継者と公表されると、アフガン政府は歓迎を表明した。

タリバンとは

　▼タリバン　アフガニスタンのイスラム原理主義武装勢力。1990年代前半にアフガン南部で台頭し98年にほぼ全土を掌握した。2001年の米同時テロ後、首謀者ビンラディン容疑者をかくまったとして米軍が空爆、タリバン政権は崩壊した。その後もパキスタン国境付近の南部などで勢力を保ちテロ行為を展開。今年に入り北部の山岳地帯を一時制圧するなどアフガン政府の脅威となっている

［日経新聞８月３１日朝刊Ｐ．７］

コメント
1. 2015年9月07日 15:33:11 : nJF6kGWndY シリアやウクライナもそうだが、あのエリアは完全に泥沼化している さらに難民が欧州に押し寄せれば、EUの崩壊は加速しそうではある さらに米国でも白人の少数化、そして国内格差拡大と成長率の鈍化していけば 栄華を誇った西欧先進諸国も今世紀中には崩壊のリスクが高まるか まあ、その前に日本の経済＆社会保障崩壊が、巨大地震を引き金にその先陣を切ることになりそうだ

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