北朝鮮が南北軍事境界線に向け、ロケット砲のようなものを発射しました。韓国も砲撃で応酬したという情報もあります。

　（大野公二記者報告）
　韓国のテレビは、緊急放送で北朝鮮からの攻撃を伝えています。情報は錯綜（さくそう）していますが、20日午後4時前に南北軍事境界線付近、ソウルから東北方向60km余りの地域に向けてロケット砲とみられる砲弾1発が撃ち込まれたことを韓国軍のレーダーが捉えました。着弾地点は現時点では分かっていませんが、どうやら山に落ちたという情報もありますし、まだ被害は出ていません。この砲撃を受け、韓国軍も早速、打ち返しています。このロケット砲がある地域に向けて、すでに数十発の砲撃を加えたと韓国国防省が発表しています。そもそも、この北朝鮮がロケット砲を打ち込んできた地域には、韓国軍の「宣伝部隊」が駐屯していました。この宣伝部隊というのは、今月10日から、北朝鮮に向けて巨大なスピーカーを使って北朝鮮の体制を批判する放送を繰り返しやってきた部隊です。北朝鮮もこれまで、「この放送をやめない限り、これは戦争行為になる」とコメントしていました。今回の砲撃も、スピーカーでの放送をやめさせる威嚇の意味を込めて射撃されたとみられます。ただ、韓国軍も応戦していますので、これから砲撃が拡大していくのか、それともここでストップできるのか、非常に緊急な状況になっています。