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中国が東シナ海に合計１６基建設している海洋プラットフォーム（リグ）。補助リグを増やせば、地対空ミサイルシステムの配備も可能になる（外務省提供）
中国が東シナ海も制圧、ガス田開発を隠れ蓑に「ミサイル基地」建設中？
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150806-00051757-playboyz-pol
週プレNEWS 8月6日(木)6時0分配信
いよいよ、東シナ海でも始まってしまった―。
日本政府は７月２２日、日中中間線近くの海域で中国が新たに１２基の構造物を建設していると発表。外務省ホームページで写真を公開した。
沖縄本島の北西、宮古島や尖閣諸島の北に位置するこの海域には、すでに確認されていた４基と合わせ、合計１６基の海洋プラットフォーム（以下、リグ）が存在することになる。
この不気味な動きは一体、何を意味するのか？
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一般的には、この中国の動きは次のように解説されることが多い。〈日中間で話し合いが進んでいないガス田の開発を、中国が一方的に進めている〉ーー中国側も、表向きは資源開発と説明している。
ただし、実際のところ、この説明を真に受けるわけにはいかないという。中国問題に詳しい軍事ジャーナリストの古是三春（ふるぜ・みつはる）氏はこう語る。
「この海域のガス田に関しては、実は採掘したガスをどのように中国本土に送るかという問題が解決していません。海底パイプラインを上海あたりに引こうにもコスト面で採算が合わない。それでもリグを次々と建設しているのは、やはり中国が海洋権益を主張するための“主権維持活動”と見るべきです」
中国の主権維持活動といえば、南シナ海における“人工島”の建設が有名だが、実は東シナ海でも同様の行動に出つつあったというわけだ。
元海上幕僚長で、中国原子力潜水艦領海侵犯事件に対処した経験のある古庄（ふるしょう）幸一氏はこう警告する。
「リグは艦隊と違って動けませんが、逆に言えば動くための燃料を必要としない。ソナーやレーダーを設置し、自衛隊や米軍を常時監視する海上基地とするつもりでしょう。このリグが監視拠点となれば、中国が２０１３年１１月に一方的に設定した防空識別圏の全域がレーダー圏内に入ることになります」
では、中国がリグに構築すると思われる監視設備はどのような実力を持つのか？ まずは「対航空機」について、前出の古是氏はこう説明する。
「現時点でも洋上１００㎞、上空２００㎞程度の探知範囲を持つレーダーや５０㎞前後の固有能力を持つ照準管制装置を配置できます。さらに現在、中国が試作・開発中の大型空中警戒機や偵察衛星による管制システムと結合させれば、南北に連なるリグ群は、有事の際に米軍機や自衛隊機の行動範囲を制約する“壁”の役割を果たすことになります」
「対潜水艦」はどうだろうか？
「中国側のリグは固定されており、自らの位置を秘匿する必要がないので、おおっぴらにアクティブソナー（音波を出し、反射してくるまでの時間差から目標物の位置などを特定する）を使える。日米の潜水艦は隠れることが難しくなります」（古是氏）
レーダーとソナーを合わせれば、沖縄本島など南西諸島以西の空・海域では、自衛隊や米軍の動きが丸裸にされかねないというのだ。
ただ、こうした監視態勢も確かに脅威だが、リグの利用方法はそれだけではない。攻撃・迎撃用のミサイル兵器を設置することも十分に考えられるという。
「まず対艦巡航ミサイルは、ＹＪ－１８など射程２００㎞前後のものを配備したいと考えているでしょう。伸び続ける中国の軍事費の規模から考えれば、航空機や艦艇と運用を統合し、リグを“ミサイル基地化”するシステムも５年以内に完成すると思われます。こうなれば、南西諸島から日中中間線までの海域の大部分が対艦ミサイルの射程圏となります。
一方、対空兵器は、今のリグの配置であれば射程３０㎞程度の中型地対空ミサイルや対空機関砲の配備にとどまります。ただし、もし補助的なリグをさらに建設するようなら多目的地対空ミサイル・コンプレックスＳ－３００の設置が可能になり、日米の航空作戦は大幅な変更が求められるでしょう」（古是氏）
このように、リグの軍事転用が始まれば、東シナ海における「中国ｖｓ日米同盟」の軍事バランスは大きく変わることになる。
この状況が南シナ海より切迫している理由を、発売中の『週刊プレイボーイ』３３号では詳説しているのでお読みください！
（取材・文／本誌軍事班〈協力／小峯隆生、世良光弘〉）
■『週刊プレイボーイ』３３号（８月３日発売）「東シナ海『ガス田施設＝ミサイル基地』完成で中国ｖｓ日米同盟の軍事バランス激変」より
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