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件名:海外軍事企業買収認める 政府方針 民間武器製造拡大の恐れ
日時:20150802
媒体:東京新聞
出所:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015080202000133.html
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政府は、日本企業に課している海外の武器製造企業の買収規制を見直す方針を決めた。関連法の運用指針を現在の「厳に抑制」から「状況に応じ適切に判断」などと変更。法律改正はせず、解釈を変えることで、現在の原則禁止規制を改める。武器輸出を原則認める防衛装備移転三原則を決定したことに伴うもので、見直しにより日本の防衛関連企業の海外進出が可能になる。 (望月衣塑子)
武器を製造する海外企業に日本企業が出資や買収をする場合、外為法などに基づき、政府への事前届け出が必要とされる。届け出を受けた政府は審査で、「国際的な平和、安全を損なう」と判断すれば、計画の変更や中止を勧告できる。
政府がこうした法律を運用する際、指針としているのが一九七七年の福田赳夫首相(当時)の国会答弁だ。福田氏は「投資先企業が武器を生産するのが目的であれば許可しない」「(武器輸出を原則禁じた従来の)武器輸出三原則の精神にもとるような投資は厳に抑制する」などと指摘。この答弁を政府は従来の三原則の下で「三原則に準ずるもの」とし現在まで堅持している。
しかし新三原則決定を受け、武器輸出支援策を議論している防衛省の検討会で、防衛関連企業が「現状のままでは武器を製造する会社を海外で設立できない」などと、指針の見直しを要求。防衛省も「武器輸出を進めるには、現地企業との資本提携は不可欠。これを阻んでいる従来方針の変更は必須だ」と判断した。
今後、安全保障会議での議論を経て、新たな指針を打ち出すが、「厳に抑制する」から「状況に応じ適切に判断する」などと変更することを検討している。
武器輸出規制に関連する指針は、このほか武器技術や武器製造関連設備の輸出、軍事施設の建設にもあり、現在は原則禁止としている。外為法などで同じく規制しているこうした指針についても政府は合わせて見直していく。
運用指針見直しで、外為法の「国際的な平和を損なう」などの解釈も変更される。これにより、日本の防衛関連産業は、これまで事実上閉ざされていた海外進出が可能になる。日本企業の関わる武器生産が増え、海外の戦争への日本経済の依存が高まる懸念がある。
<防衛装備移転三原則> 安倍政権が、昨年4月に閣議決定した武器の新たな輸出ルール。従来の武器輸出三原則は武器輸出を原則禁止し、例外を個別に認めていたが、新三原則では一定の条件下で輸出を認める原則容認に転換。(1)紛争当事国や国連決議に違反する場合は輸出しない(2)輸出を認める場合を限定し、厳格審査する(3)輸出は目的外使用や第三国移転について適正管理が確保される場合に限る−などと規定した。
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