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オバマ氏の政策が、イスラム国を勢いづかせた
【世界を斬る】オバマ政権の中東戦略破綻を象徴するイスラム国の台頭
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150617/dms1506171140006-n1.htm
2015.06.17 夕刊フジ
イラクを侵略し続けている過激派組織「イスラム国」軍が攻撃力を強化し、首都バグダッドに迫っている。このため、オバマ米大統領は、イラクに対する基本政策を変えて、米軍を増派し、新鋭ヘリコプターを送り込むことを決めた。
だが、米陸軍を退役したばかりの友人の元将軍は、イラクの最新の軍事情勢について、こう言っている。
「イスラム国の戦闘部隊は、世界各国から集まっている過激派テロリストの集団に過ぎない。だが、イスラム国軍を統制し、戦略をたて攻撃を指揮しているのは、独裁者サダム・フセインのもとで、8年間もイランとの戦いに負けなかったスンニ派の軍事エリート集団バース党の生き残りだ。中途半端な戦略では、勝てない」
バース党は、アラブ民族主義を推し進めるため、1950年代の終わり、シリアやイラクなどで結成。イラクのバース党は、サダム・フセインのもとで近隣への侵略行動を続けていた。だが、2003年、「核兵器を製造した」という理由で米軍に攻め込まれ、勝ち目がないと悟ったフセインは、バース党を地下にもぐらせ、幹部をシリアに避難させた。
米国は、フセインを滅ぼした後、イラク国内の多数派シーア派による政権を作った。今、このシーア派政権の軍が、スンニ派の軍事エリート集団バース党の生き残りに率いられたイスラム国軍の攻撃を受けている。
シリアに逃げ込んでいたフセイン派バース党幹部は、イスラム国軍を指揮してシリアからイラクに攻め込み、国内のバース党の地下組織を利用して、米軍の指導の下にあるイラク政府軍を翻弄している。三国志の「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の故事さながら、死せるフセインがオバマ氏を走らせているのだ。
イラク・シーア派のマリキ前首相、現在のアバディ首相はともに宗教の関わりから、イランに近い。オバマ氏もイスラム国軍の掃討にイランの支援を依頼した。
だが、米国の保守系中東専門家やペンタゴンの分析家は、「歴史的にみても戦争に弱いイラク・シーア派に肩入れし、イランの助けでイラク問題を解決しようという戦略は、成功しない」とみている。
米国防総省の専門家も、イスラム国軍と対等に戦うためには、ブッシュ前大統領のときと同じように、3万人〜4万人の米海兵隊や陸軍精鋭部隊が必要であると考えている。だが、大統領選を来年に控え、国内の政治情勢などからも、大量の米軍をイラクに送り込むことは不可能だろう。
オバマ氏は就任早々、選挙公約を果たすため、国内が安定していなかったイラクから米軍を撤退させたが、その失敗のツケが今、回ってきている。イスラム国の台頭はまさに、オバマ氏の中東政策の破綻を象徴している。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。
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