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戦争をするのかどうかを決めるのは中国ではなくアメリカだ
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2016-06-15 ダークネスDUA
オバマ大統領になってから、アメリカの外交がどんどん弱体化しているのは見ての通りだ。
チュニジアやエジプトで親米政権が崩壊していくのを見過ごし、イランの核問題も結局はうやむやになり、シリアに鉄槌を下すという話も立ち消えになった。
ISISは人類史上でも最悪の非人道的な虐殺を中東で繰り広げ、中国は尖閣諸島から南沙諸島まで進出して、やりたい放題している。
バラック・オバマが「戦争をしない」大統領であることは、オバマ自身が2013年9月10日のテレビ演説で、「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と宣言したことで全世界が理解した。
もともとオバマ大統領は、前ブッシュ大統領の戦争を終わらせるためにホワイトハウスに送り込まれたので、アフガニスタン・イラクから兵を引くのは既定路線でもあった。
アフガニスタンでもイラクでもゲリラ戦で泥沼に引きずり込まれ、アメリカは経済的に弱体化していた。撤兵は待ったなしで必要だった。
■ゲリラ戦こそがアメリカを自壊させるための手法
アメリカ軍は短期戦に強い。圧倒的な火力と物量で華々しく敵の正規軍を叩きつぶすことができる。
ところが、イラクやアフガニスタンは、アメリカと真っ向勝負を避けて、どんどん奥地に引き寄せてから、ゲリラ戦やテロでアメリカを疲弊させる作戦を取った。
アメリカ軍が長期戦に弱いというのは、ベトナム戦争によって明らかになっていた。アメリカ軍はあまりの重装備であり、長期戦になると出費が嵩んで兵力を維持できないのである。
さらに、長期戦が続くとアメリカ国内でも必ず厭戦気分が蔓延し、次第に反戦運動が大きなものになっていく。カタルシスのないだらだらとした戦争は、さっさと白黒つけたいアメリカ人には耐えられないプレッシャーなのだ。
ベトナム戦争は、まさにゲリラ戦こそがアメリカを自壊させるための手法であることが証明された戦争だった。
この点、もともと兵力が脆弱でアメリカと真っ正面から戦えないアフガニスタンのタリバンは、最初から戦争を10年でも20年でも続けることを前提として戦っていた。ゲリラ戦になるとアメリカは次第に疲弊していくしかない。
また、イラクのテロリストも普段は国民の中に潜んでいて、思い立てばテロを仕掛けてアメリカ軍を翻弄する作戦を10年以上に渡って続けた。
ブッシュ前大統領の率いるアメリカはこうして泥沼に引きずり込まれ、戦費を無尽蔵に消費し、いつまで経ってもアフガニスタンもイラクも制圧できず、窮地に陥った。
そのブッシュ大統領にとどめを刺したのが2008年9月15日に起きたリーマン・ショックだった。
■オバマは、次につなげるための大統領だった
2つの泥沼の戦争によってじわじわと国力を消耗したアメリカは、リーマン・ショックによって衝撃的なダメージを受けることになった。
リーマン・ショックは、アメリカが崩壊するどころか資本主義そのものが根底から崩壊しかねないほどの超弩級の衝撃だった。普段は自由競争を謳っていたアメリカ政府も、有無を言わせない実行力で破綻しかけた巨大銀行の救済を行った。
こうした中でアメリカ国民は、戦争推進派の大統領ではなく、戦争収束派の大統領を選んだ。それがバラック・オバマだったのだ。
こういった時代の流れの中でホワイトハウスに送り込まれたオバマ大統領が課せられた仕事は、アメリカを立て直して経済的に復活させることであったと言える。
間違えても、世界のあちこちに戦争を仕掛けることではなかったのである。
そう考えると、オバマ大統領の行動には一貫性があることに気付く。オバマ大統領とは、戦争を避けることによってアメリカを立て直し、次につなげるための役割だったのだ。そのために、アメリカの外交が弱体化していると言われても、それは覚悟の上なのだろう。
とすれば、次の大統領が再び好戦派になるのか、それとも経済優先派になるのかは、アメリカ人が「経済は充分に回復した」と考えているかどうかにかかっていることになる。
すでにアメリカでは大統領選が事実上スタートしており、共和党からジェブ・ブッシュ、民主党からはヒラリー・クリントンが有力候補として注目されるようになっている。
アメリカ人が再び好戦派の大統領を選ぶかどうかは、何とも言えないが、これは日本にとって非常に大きな影響を及ぼす可能性がある。
なぜなら、次の戦争は東アジアが舞台になるかもしれないからである。
■戦争をするのかどうかを決めるのは中国ではない
現在、南沙諸島(スプラトリー諸島)の領有権と人口島の軍事基地化の問題で、アメリカと中国は大きな対立を抱えている。これは東南アジアや日本を巻き込んだ複雑な紛争になる可能性がある。
前CIA副長官のマイケル・モレル氏、投機家ジョージ・ソロス、そしてアシュトン・カーター国防長官が次々と戦争の可能性を指摘している。
もっとも、中国の軍事力は見かけ倒しで、戦争が始まったらアメリカに勝てる見込みはない。そのために、アメリカと戦争になったら応戦すると激しく吠える中国も、実際は戦争を回避したいというのが本音である。
しかし、ここに重要なことがある。
中国と戦争をするのかどうかを決めるのは「中国ではない」ということだ。戦争をするかどうかを決めるのは、アメリカなのである。
アメリカはどこかの国と戦争をしたいと思えば、たとえ相手が大量破壊兵器を持っていなくても「持っている」と決めつけて一方的に戦争を仕掛ける能力がある。
それは2003年のイラク攻撃から、サダム・フセインの処刑までの流れを見れば分かる。
オバマの次の大統領が好戦派であった場合、かつてアフガニスタンやイラクに襲いかかったのと同じ姿勢が、東アジアで見られる可能性もある。
2003年のイラク攻撃の時も、馬鹿な国際評論家は「イラク戦争はない」ときっぱり言い切っていたが、アメリカはあっさりと戦争に踏み切った。
中国の傲慢不遜な拡張主義は、戦争を引き起こす。アメリカはいずれそれを決断する。アジアで戦争が起きないというのは、ただの希望的観測だ。
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