http://www.asyura2.com/15/warb15/msg/582.html
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「イラク軍「ラマディ奪還の作戦開始」」(NHK)という記事が発信されている。
米国カーター国防長官はラマディからのイラク政府軍の恥ずべき撤退を非難したが、ラマディは、戦車や重砲を含む重武装の2千人規模部隊を率いるラマディ守備部隊の司令官が150人(仏F2説:200人というBBC説も)規模の軽装備IS兵士に怯えて撤退命令を出したことで陥落に至ったという“事件”である。
むろん、戦争だからすべての戦闘が彼我の兵力差で決してしまうと主張するつもりはないが、その司令官は、米英仏とアバディ政権の代理人としてシナリオを完遂させたことは間違いない。
政府軍勢力は、ラマディをISにあっさり明け渡しただけでなく、100両を超える戦車・兵員輸送装甲車を含む米国支給の兵器弾薬をISへの置き土産とした。(米国ABCニュース)
ISに対する“武器供与”は、今回のラマディに限ったことではなく、昨年6月のモスル陥落・昨年秋のコバニ(アイン・アル・アラブ)攻防戦でも見られたことである。
今回のラマディ攻防戦は、昨年初めから始まったイラクにおける“IS騒動”の焼き直しや二番煎じに過ぎない茶番劇なのである。
というより、これまでの攻防戦よりも茶番劇の度合いがいっそう強く、「イラク軍「ラマディ奪還の作戦開始」」という報道(かけ声)を聞いても何を今さらと言うほかない。
なぜなら、アンバール県の中心都市ラマディは首都バグダッドからわずか110Kmほどしか離れておらず、バグダッドに駐留しているイラク政府軍20万人(全兵力25万人の8割)から数部隊が支援に駆けつけようとしたなら幹線道路を使ってわずか2時間ほどで到達できる。
(有志連合もラマディ攻防戦では空爆を行っていない:砂嵐を言い訳にしているが、政府軍兵士をヘリで脱出させていることから空からの支援がずっとできなかったわけではないとわかる)
ラマディ攻防戦は1週間近く続いていたから、たかだか150人から200人のIS勢力なら、ラマディに陣取った政府軍とバグダッドから到着した政府軍が内と外から挟み撃ちのかたちで本気で攻撃すれば、それほど手間取らずに鎮圧できたはずである。
イラクにおけるISとの闘いは、昨年1月のファルージャ撤退(政府軍が突如いなくなってISがその後に入城)、昨年6月のモスル陥落(今回のランマディと似た遁走劇で大量の兵器と膨大なドル紙幣を提供)、昨年8月に始まったヤジディ教徒逃避行(クルドペシュメルガ部隊の夜逃げ同然の失踪で大混乱)、昨年9月からだらだらと続いたコバニ(アイン・アル・アラブ)攻防戦などを思い起こせばわかるが、ひとの命や生活をもてあそぶ仕組まれたおぞましい戦争劇であることがわかる。
イラクにおける“IS騒動”は、IS(旧フセイン派が支配)+米英仏+イラク政府+クルド勢力の合作劇であり、「イスラム国」問題を報道のように理解してしまうと、現実の世界政治は何もわからなくなる。
※ 参照投稿
「イラクを突然崩壊寸前に追い込んだISISの正体:首に賞金1千万ドルの指導者バグダディ氏は米国のアセットらしい」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/870.html
「クルド多数派が“人身御供”にしたクルド少数派ヤジディー・コミュニティ:水も食糧も与えられず逃避行を強いられた経緯」
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/765.html
「「たちの悪いボウフラ」をわかした張本人は米英仏:首切り処刑映像もフィクション:イラクの「イスラム国」はフェードアウト」
http://www.asyura2.com/14/senkyo170/msg/937.html
「米軍がコバニのクルド自衛部隊向けに投下したはずの武器弾薬は「イスラム国」部隊にも“おすそ分け”」
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/507.html
「ISISI攻撃特需で米軍需産業が大儲け:攻撃参加国から注文殺到:空爆は住民虐殺が続き、ISISは支配地をいっそう拡大」
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/406.html
「ISIS空爆「効果ゼロ」の訳:米軍が空爆したのはISISの「空っぽ」の基地」
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/407.html
「ISIS指導者バグダディの謎に満ちた素顔:5年前米軍は4年間拘留後あっさり釈放:露RTRが本人の最新ビデオ映像を放送!」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/103.html
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イラク軍「ラマディ奪還の作戦開始」[NHK]
5月26日 21時08分
イラク政府軍とイスラム教シーア派の民兵組織は過激派組織IS=イスラミックステートに制圧された主要都市ラマディの奪還に向けて大規模な軍事作戦を開始したと発表し、住民を巻き込んだ激しい戦闘になることが懸念されています。
イラクでは、過激派組織ISに制圧された西部アンバール県の中心都市ラマディに向けて、政府軍と数千人のシーア派民兵組織などからなる部隊が前進しています。
シーア派民兵組織のスポークスマンは、26日、記者会見で、ラマディを含むアンバール県全体の奪還に向けた大規模な軍事作戦を開始したと発表しました。
政府軍とシーア派民兵組織は、すでにISが制圧していたラマディの南20キロほどのタシュという町を攻撃し、ISの戦闘員を撤退させたほか、ISが補給路として使っている主要な幹線道路を封鎖したということです。
シーア派民兵組織のスポークスマンは「われわれは3方向からラマディを包囲している。軍事作戦には、シーア派民兵だけでなく、ISに反発するスンニ派の勢力も加わっている」と述べ、シーア派とスンニ派の合同部隊であることを強調しました。
これに対してIS側は、ラマディの市街地に地雷を埋めたり狙撃手を配置したりして、徹底抗戦の構えを見せているほか、一部の住民を市内にとどまらせて、いわゆる「人間の盾」にしようとしているという情報もあり、住民を巻き込んだ激しい戦闘になることが懸念されています。
7万人近くがラマディから避難
イラクで、過激派組織IS=イスラミックステートが主要都市ラマディを制圧して以降、国連によりますと、7万人近くがラマディを脱出し、戦火を逃れて首都バグダッドなどを目指して避難しています。
バグダッド中心部から南西に50キロの地点にあるユーフラテス川に架かる橋の周辺には、避難民が続々と到着しています。
ラマディがあるイラク西部のアンバール県では、ISが支配している地域が点在し、各地で政府軍との戦闘が行われているため、住民にとって、この橋がバグダッドに避難する唯一のルートになっています。
イラク政府は、ISの戦闘員が避難民に紛れて首都に侵入することを警戒し、避難する人たちを詳しく調べたあと橋を渡る許可を出しています。
このため、手続きに時間がかかっていて、現在、2万人を超える避難民がアンバール県側で立往生を余儀なくされています。
こうした事態を受けて、国連の機関は橋の周辺で避難民向けに250ほどのテントの設置を始めています。現地では日中の気温が40度に達するなど厳しい暑さが続いていて、橋の周辺では、体調を崩して死亡する人も出ているということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150526/k10010092731000.html
- わざとイスラム国に負ける米軍(田中宇の国際ニュース解説) HIMAZIN 2015/6/05 00:55:59
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