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【社説】中国の海洋進出阻む米国の「ポセイドン」
原文(英語)
2015 年 5 月 25 日 17:44 JST
スプラトリー諸島(南沙諸島)の一部にある中国の建築物を指さす米海軍哨戒機の乗組員 REUTERS/U.S. Navy
米海軍は先日、南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島)に対潜哨戒機「P-8ポセイドン」を派遣した。ここは中国政府が岩礁を埋め立てて軍事基地を建設している場所で、複数の周辺国・地域が領有権を主張している。ポセイドン(ギリシャ神話で海を司る神とされる)に同乗した米CNNテレビの取材班によると、中国軍は米軍機を追い払おうと繰り返し警告を発した。中国軍は英語で「こちらは中国海軍だ」と発信し、「誤解を避けるため(中略)退去してほしい」と告げた。米軍は中国側の警告にすべて応答し、自分たちは公海上空を飛行していると応じた。
中国政府は同国沿岸1000キロメートル近くに広がるスプラトリー諸島の領有権を主張しているが、米国はこの上空を飛行することで中国側の主張にこれまでで最も強い態度で抵抗した。また、これは米政府が同海域における公海の自由を守り、同盟国の海洋権益を保護する姿勢を示したことにもなる。
ただ、遅きに失した感は否めない。ここ数年、中国はフィリピン漁船を漁場から追い出したり、ベトナムの石油探査船のケーブルを切断したり、米軍艦の活動を邪魔したりしてきた。中国はしゅんせつ作業でスプラトリー諸島の総面積を2倍近くに膨張させ、軍事施設の拡充や政治的主張を押し通そうと試みている。新たに生まれた面積は約8平方キロメートルに及び、サッカー場が1500も入る大きさだ。
数年にわたり、米外交官はうだつの上がらない丁寧さで、こうした活動をやめるよう中国政府に要求してきた。オバマ政権は2012年、スカボロ礁で中国の民間船や沿岸警備隊がフィリピン人を追放するのをやめさせるため海軍を派遣しなかった。スカボロ礁はスプラトリー諸島の北に位置する資源豊富な漁場で、フィリピンの200マイル(約320キロメートル)排他的経済水域の内側にある。このエピソードは米国ではほとんど注目されなかったが、アジア全域で警戒感が強まった。
名誉のために言っておくと、オバマ政権はそれ以降、態度を硬化させてきた。中国が日本の尖閣諸島上空を含む東シナ海に防空識別圏の設置を宣言すると、米軍はすぐにB52爆撃機2機を同海域上空に派遣した。ただ、米政府関係者は、爆撃機派遣は事前に予定されていたもので、中国の行動とは関係がないと主張した。それに対し、今回の哨戒機派遣は中国の人工島建設に明確に反応したもので、米軍はそれまで極秘扱いだった監視カメラ映像を公開し、哨戒機にメディアを同乗させた。
米上院の超党派グループは3月、「中国の埋め立て活動をスローダウン、あるいはストップさせるために米国が取り得る具体的な行動」についての説明を求めたが、ここには軍事措置の可能性、米中関係の変化、アジアの同盟国やパートナーとの協力拡大などが含まれていた。米政府関係者はまた、中国の人工島を通過する領域まで海軍の巡回船を派遣し、スプラトリー諸島の周辺海域は中国の管理下にないという認識を強めさせることも検討していると述べた。
これは正しい動きだ。南シナ海における中国の主張に対抗するのが遅すぎれば、中国はより声高にこうした主張を掲げるようになり、主権を守るため戦う意志を一段と強めるかもしれない。今こそ中国の海洋権益主張に対峙すべき時だ。
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