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【カイロ秋山信一】イラク政府軍などの混成部隊は11日、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)が実効支配する北部ティクリート中心部の軍病院などを制圧した。国営テレビなどが報じた。ティクリートでの大規模な軍事作戦を始めてから10日が過ぎ、政府側は南北から部隊を進めて優位に立つ。ISは地雷や狙撃で抵抗を続けており、政府側は慎重に作戦を進めている。
イラクからの報道によると、政府側は軍とイスラム教シーア派民兵組織が主体で、シーア派国家イランも作戦指揮に加わっている。総勢約3万人の部隊は、北郊のアラム、南郊のドールなどISの拠点を次々と制圧。11日には市街地北部にある軍病院を奪還した。
ティクリートは首都バグダッドと第2の都市モスルを結ぶ幹線道路沿いにある要衝。ティクリートを制圧すれば、昨年6月に奪われたモスル奪還に弾みがつくため、政府側はISとの戦闘が本格化した昨年以降では最大規模の兵力を投入している。
IS側は1000人規模の部隊がティクリート中心部に駐留しているとみられるが、一部は撤収したとの情報もある。放棄した拠点に地雷を敷設し、政府軍の進軍ルートに狙撃手を潜ませるなど政府側の攻撃を遅らせる戦術をとっている。チグリス川にかかる橋を爆破したとの情報もある。
政府側にはティクリート奪還によって優勢ぶりをアピールし、ISを支持するスンニ派勢力の切り崩しを図りたい思惑もある。ティクリートは2003年のイラク戦争で失脚した故フセイン大統領の出身地で、失脚後にシーア派が政治の実権を握ったことに不満を抱くスンニ派住民が多い。「スンニ派の牙城」とも言えるティクリートを奪還できれば、ISを支持する北部ニナワ県や西部アンバル県などのスンニ派部族が政府になびく可能性もある。
ただ、スンニ派の支持を得るには、軍事作戦以上に戦後処理が重要になる。スンニ派住民が政府への協力に消極的なのは、シーア派主体の軍や警察、シーア派民兵の暴力を恐れているためだ。マリキ前政権下では司法手続きを経ずにスンニ派住民が長期間拘束される事件も多発し、政府への不信感は根強い。
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しかもティクリート攻略に参加するシーア派民兵の一部は、ISによるシーア派兵士らの殺害に「スンニ派部族が関与した疑いがある」として報復を主張している。スンニ派住民への大規模な報復行為は明らかになっていないが、シーア派民兵に影響力があるムクタダ・サドル師は10日、「ISから解放した地域で、スンニ派住民への過度な暴力が行使された場合には政府が速やかに調査すべきだ」との声明を発表し、民兵らに自制を求めた。
http://mainichi.jp/select/news/20150312k0000e030159000c.html
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