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NewsPicks 2月27日(金)17時10分配信
後藤氏殺害の「黒覆面男」。彼はなぜ「殺人鬼」になったのか
Source: CAGE
日本時間2月27日の午前0時ごろ、イギリスの情報機関は、「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(ISILの処刑人)」がクウェート生まれのイギリス人Mohammed Emwazi(モハメド・エムワジ)だと特定した。
エムワジの生涯は一般的なヨーロッパの移民者に見える。1988年にクウェートで生まれ、湾岸戦争後、6歳のときに家族でイングランドに移民、西ロンドンで育った。エムワジは、ロンドンのウエストミンスター大学出身で、コンピュータ・プログラミング学士を取得。ここまでのエムワジの生涯はごくごくノーマルだ。
米国の大手メディア「The Washington Post」によると、エムワジの友人は、エムワジについて「彼はいつも“礼儀正しい”。また、お洒落で、熱心なイスラム教義信奉者らしく顎ひげをたくわえ、知らない女性とは決して目を合わせないようにしていた」と説明している。
いったいなぜエムワジは、潔白な青年から聖戦(ジハード)を行う大量殺人者に変身したのだろうか?
後藤氏殺害の「黒覆面男」。彼はなぜ「殺人鬼」になったのか
Mohammed Emwazi holding hostage Steven Joel Sotloff prior to brutally beheading him.(Rex Features/Aflo)
卒業旅行から大量殺人者になるまで
エムワジの人生が転落し始めたのは、2009年だ。この年、一体何が起きたのか?
エムワジは、彼の友人2人と卒業旅行でタンザニアに、“サファリ”に行こうとした。しかし、着陸したタンザニアの空港で警察に一晩拘留され、翌朝、欧州連合(EU)に強制送還された。イギリス当局が「エムワジはAl-Shabaab(アル・シャバブ)に参加するためソマリア渡航した」と誤解し、彼をタンザニアに入国させなかったのだ。帰りはオランダ経由だったが、この時再びアムステルダム空港で警察に拘留されたと、エムワジは権利擁護団体であるCAGE(ケージ)に語ったという。
エムワジは、英国の情報機関MI5とオランダのシークレットサービスの2人に事情聴取を受けた。そのエージェントたちに、ソマリアにあるアルカイダとつながりのある組織、Al-Shabaab(アル・シャバブ)に参加しないかと持ちかけられた。そのMI5部員は、エムワジに情報提供者としての仕事を依頼したのだが、これを本人は断った。
ロンドンに帰ってエムワジはケージと会い、この一連の“ハラスメント”について説明した。エムワジと会ったケージの代表によると、エムワジはMI5とオランダのシークレットサービスのエージェント2人の扱いに“激怒”していたという。
そのあと、エムワジはクウェートへ引っ越す。そして、現地のIT企業に就職し、婚約もした。だが、それは結局破談となった。
クウェートに住んでいた間、少なくとも2回以上、英国に帰った。ロンドンからクウェートに帰る最後の渡航中、ロンドンの空港でエムワジはまた警察に数時間ほど拘留され、身体検査を受けた。その結果、クウェートがエムワジのビザを無効にしたことで、エムワジは2人目の婚約者と仕事を失ってしまった。
それから、しばらく彼はイギリスに滞在した。しかし、The Washington Postに掲載されたエムワジの友人によると、「彼はサウジアラビアで英語の先生になろうとしたけど、結局なれなかった」という。
こうした経緯により、2009年から2012年の間、エムワジの生活はイギリスの情報機関にますます制約された。彼がケージ内部の人間に語った話を信頼すると、エムワジが変わったのは、イギリスの情報機関から虐待を受け始めた頃だ。その虐待は壮絶で、彼に過激派テロリストになる芽を植え付けた。
ケージの代表Asim Qureshi(アシム・クレシ)がエムワジについてThe Washington Post にこう語っている。
「この青年は、個人的な状況に大きな変化をもたらすために、英国内で出来るあらゆる手を尽くした。しかし、情報機関はエムワジを犯罪者扱いした。これに対し、本人はなすすべもなかった」
結局、エムワジは2013年に蒸発し、その間に、イラク・レバントのイスラム国(ISIL)に参画することとなった。
エムワジが再び現れたのは、それから1年後のことだ。シリアのイドリブ市にある、過激派勢力が欧米系の人質を集めるための施設に彼は居た。この施設で人質となり拘束された人物によると、エムワジはこの施設で、警備と水責めなどの拷問を担当していたという。
2014年8月、ISILは、人質の一人James Foley(ジェームズ・フォーリー)がエムワジの手により斬首をされる動画を公開した。その後、ISILが、後藤健二氏、湯川遥菜氏の日本人2名を含む、一連の殺害をインターネットにリリースしたことにより、エムワジは「ジハーディ(聖戦士)・ジョン」として悪名を馳せることとなった。
次ページは:なぜエムワジは過激派になったのか
なぜエムワジは過激派になったのか
一般的にイスラム系移民に対する、欧州社会の差別やいじめは少なくない。警察や情報部員に尋問・拘留された経験のある罪のないイスラム系移民もいる。だが、そうした被害を受けたイスラム系移民の圧倒的多数が、ISILに参加しようなどとは考えもしない。なぜなら、彼らは人殺しや過激派を嘆く合理的な人々だからだ。
イギリスの反テロ政策を批判する人たちは、反テロ活動こそがむしろ、エムワジを過激派にさせた原因になっていると言う。つまり、イスラム系イギリス人は本質的に暴力的な人だから、空港で拘束されるといった屈辱を味わわせると、テロリストになってしまう可能性があると考えがちだ。
しかし、これは間違っている。イスラム系イギリス人らは、「エムワジが過激派になった理由はイギリスら欧州社会がイスラム系の人々に容疑をかけがちなことだ」と言う欧州のリベラルな人々を、恩着せがましいと感じている。そうではなく、イスラム系イギリス人の多くは、エムワジは大人として、自分の決断をしたことに対して責任をとるべきだと考えているのだ。
Jordan Krogh
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最終更新:2月28日(土)2時24分NewsPicks
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150227-00010000-newspicks-bus_all
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Bloomberg 2月28日(土)1時52分配信
(ブルームバーグ):オバマ米政権は「ジハーディ(聖戦士)・ジョン」として知られる過激派組織「イスラム国」の男を殺害あるいは拘束すると表明した。この男はイスラム国がこれまでに公開した数々の人質殺害動画に覆面姿で出ている。
米紙ワシントン・ポストが26日報じたところによると、この男はロンドン育ちのムハンマド・エムワジ容疑者と特定された。ホルダー米司法長官は同容疑者に責任を取らせるための行動を米政府が検討していると述べた。
ホルダー長官は27日に放映された米ABCニュースのインタビューで、「一連の野蛮な行為の責任を取らせ、相応の処罰を与えるべきだと考えている」と述べた。
オバマ大統領とホルダー長官はいずれも、ジハーディ・ジョンの身元について確認することは控え、特定の事件への言及を避けた。
原題:U.S. Vows to Capture, Kill ‘Jihadi John’ From Beheading
Videos(抜粋)
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