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米、武器供与論に賛否 ウクライナ緊張緩まず オバマ大統領、判断難しく
【ワシントン=吉野直也】ウクライナ東部での同国政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘は15日の停戦発効後も一部の地域で続いている。ケリー米国務長官は近くロシアのラブロフ外相と会う方針だが、親ロ派の態度が改まるかどうかは不明だ。米側では一部でウクライナ政府軍への武器供与論が根強いが、供与に踏み切れば戦闘が激化する恐れもあり、オバマ米大統領は難しい判断を迫られている。
ケリー氏は28日に米国を出発し、ラブロフ氏と会う。会談場所は明らかにしていない。ケリー氏は21日に「ロシアや親ロ派がウクライナ東部の停戦合意を守っていない」と批判。オバマ氏が対ロ制裁強化やウクライナへの武器供与について「数日内に判断する」と明言した。
ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの首脳合意に基づき発効した東部の停戦は部分的には守られている。親ロ派に続いて、26日にはウクライナ政府軍も重火器の撤収を開始すると表明した。ただ双方の重火器の完全撤収がいつごろ完了するかは不透明なままで、現地の緊張は緩んでいない。
米側はロシアや親ロ派に「現代の世界秩序の基礎を危うくする」(米国務省のサキ報道官)といった警告を重ねている。
米議会は昨年12月にロシアの主要産業である軍事・エネルギー企業に追加制裁を可能にする法案を可決した。オバマ氏が決断すれば、ウクライナに対戦車兵器や無人監視機など3億5千万ドル(約400億円)相当の軍事支援もできる。
超党派の米上院議員は20日、ウクライナへの即時武器供与と制裁を促す書簡をケリー氏に送った。書簡は共和党のマケイン上院軍事委員長や民主党のダービン上院院内幹事らの連名でロシアが停戦を守ることに「極度の疑念」を表明した。
共和側には停戦合意を公然と無視する親ロ派の進撃を食い止めるために殺傷能力を持つ武器の供与に踏み切るべきだとの意見が大勢だが、米政権内ではなお賛否が割れている。
武器供与は短期的な抑止効果を期待できる半面、ロシアの親ロ派への軍事支援拡大の口実に使われ、本格的な戦争に発展する危険性もあるためだ。停戦合意の当事者の独仏は武器供与に慎重だ。
キャメロン英首相は24日、ウクライナ軍の訓練支援で同国の非戦闘地域に英軍を3月に派遣する計画を表明。「ウクライナの歩兵部隊の訓練プログラムを強化し、耐久力を高める」と説明した。
キャメロン氏は「欧州連合(EU)が立ち向かって阻止しなければ、ロシアはバルト諸国やモルドバにも侵攻し、欧州全体に大きな損害をもたらす恐れがある」と強調し、停戦合意の形骸化を指摘した。
[日経新聞2月27日朝刊P.6]
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