01. 2015年2月20日 20:55:22
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ウクライナがロシアに勝てるはずもないし安保理など拒否権で役にたたない 経済制裁で泥沼化し、中国などが喜ぶ展開か http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42975 ウクライナ軍撤退で終わったデバリツェボの戦い 2015年02月20日(Fri) Financial Times (2015年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 親露派が東部の要衝制圧 ウクライナ大統領、平和維持軍派遣を要請 2月18日、ウクライナ東部デバルツェボから撤退する政府軍の兵士ら〔AFPBB News〕 ウクライナ軍に召集されたジャーナリストのビクトル・コバレンコ氏(43歳)が昨年12月にデバリツェボに送り込まれた1カ月後、彼のソーシャルメディアのページが突如、まったく更新されなくなった。友人と家族は最悪の事態を恐れた。 2月18日、コバレンコ氏は突如、再び姿を現した。疲労困憊していたが、安堵していた。彼は、ロシアの支援を受けたウクライナ反政府勢力が1週間の包囲を経て戦略的な鉄道の要衝であるデバリツェボを制圧した後、爆撃で荒廃した街の残骸から急ぎ撤退した数千人のウクライナ兵の1人だったのだ。 ジャーナリストの政府軍報道官が語るデバリツェボの戦い 「デバリツェボに入った時、我々の大隊には約350人の兵士がいた。そのうち200人程度が生きて戻った」と同氏は語った。残りは戦闘で死亡したか、捕虜にされたという。 所属する大隊の報道官を務めるコバレンコ氏は、彼のツイッターとフェイスブックの投稿が1月下旬に止まったのは、「ロシア勢が通信を妨害したからだ」と言う。「それが、我々にとって今日やっと終わった大規模攻撃の始まりだった」 同氏によると、ミサイル発射台や戦車から飛んでくる砲弾の雨の後、「彼らは戦術を変え、ウクライナ兵を装った破壊工作部隊を送り込んできて、組織的にこっちの兵士を殺そうとした」という。 その後、ウクライナ兵たちは携帯メッセージを受け取り始めた。「相手は、我々の司令官とペトロ・ポロシェンコ(ウクライナ大統領)が我々を裏切ったと言って、降伏するよう迫ってきた」 「相手側には間違いなくロシアの人員と武器」 親露派が東部の要衝制圧 ウクライナ大統領、平和維持軍派遣を要請 ウクライナ東部では新たな停戦の発効後も散発的な戦闘が続いている(写真は2月18日、ウクライナ東部ゴルロフカで、グラート多連装ロケット砲を発射する親ロシア派武装勢力)〔AFPBB News〕 コバレンコ氏はデバリツェボの近くのアルテーミウシクからの電話で、ウクライナ軍が戦っていた相手にはロシアの人員と武器が含まれていることを確信していると語った。 あれほど激しい攻撃は、志願兵の寄せ集め集団によって指揮できたはずがないという。 デバリツェボの戦い――この街はロシアとつながる幹線のために親ロ派にとって極めて価値の高い鉄道ハブだ――は、これまでの紛争で最も激しい戦いの1つだった。 デバリツェボの包囲と大量殺戮の恐れから、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は交渉に乗り出すことになり、先週、ベラルーシの首都ミンスクで、ウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの首脳による停戦合意に至った。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が15日午前0時に発効した停戦の延期を求めたことは、一部関係者の間で、まず親ロ派にデバリツェボを制圧させるために時間を稼ぐ試みだと解釈された。 西側諸国とロシアの応酬 18日のウクライナ兵の撤退は、ポロシェンコ大統領の政府軍にとって屈辱だが、西側諸国の外交官らによると、それ以上に、政府軍撤退に至った親ロ派のデバリツェボ侵攻はあからさまな停戦合意違反だという。 西側諸国の政府はまたしても不意打ちを食らい、プーチン氏とどう対処すべきなのか頭を悩ますことになった。 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は18日、ミンスク合意はデバリツェボに触れていないとするプーチン氏と親ロ派の主張を繰り返した。「実際の停戦ラインはデバリツェボの外に引かれている。この線は親ロ派が支配しているからだ。ドネツク人民共和国の指導者たちは何度もそう言ってきた」。ラブロフ氏はモスクワでのブリーフィングでこう語った。 ウクライナ停戦で合意 武器を撤退へ 4か国首脳会談 西側の外交筋は、親ロ派勢力によるデバリツェボへの進軍は新ミンスク停戦合意違反だと語っている〔AFPBB News〕 しかし、欧州連合(EU)と米国の外交官は、デバリツェボの地位は明示的には記述されていないものの、親ロ派の部隊が重火器を撤去することになっていた線を越えていると話している。 デバリツェボを包囲したのが親ロ派勢力だという事実にもかかわらず、ロシア政府はこの街で続いた戦闘をウクライナ軍のせいにした。 ある西側の上級外交官は、親ロ派によるデバリツェボ制圧は、プーチン氏が「まだすべてを終えたわけではない」という明白なメッセージを送ったと言う。欧米諸国にとって目下の問題は、次にどうするか、だ。 米国のジョー・バイデン副大統領は、ポロシェンコ氏との電話協議の後、「ロシアにとって、将来のミンスク合意違反の代償は大きくなる」と警告した。 プーチン氏を阻止するための今後の努力には、ウクライナに対するより高度な軍装備の供給が含まれるかもしれない。そうした装備には、デバリツェボで起きたような通信妨害に耐えられるハイテク通信システムや、相手のさらなる進軍を防げるかもしれない対戦車ミサイルなどの防衛用兵器がある。 親ロ派がまだ狙いかねない戦略的ターゲット 一方、親ロ派は今回の成功で勢いづき、ドネツクとルガンスクの親ロ派の「人民共和国」をより存続可能な経済主体に変える助けになる戦略的標的をさらに奪取しようとするかもしれないとウクライナ外務省のドミトロ・クレバ特使は警鐘を鳴らす。 そのような標的には、ドネツク空港の近くに位置し、ウクライナの鉄鋼産業の大部分にとってコークスの主要供給源となっているアウディーイウカのコークス工場のほか、ルガンスクのすぐ北にあり、この地域の電力の大半を供給しているシャスティヤの発電所、ウクライナの3大製鉄所のうち2つが拠点を構え、クリミアに続く道路の途上に位置するアゾフ海の港マリウポリなどが含まれる。 ポロシェンコ大統領に大きな政治的打撃 だが、ウクライナ政府高官らは、たとえ親ロ派のさらなる進軍がなくても、デバリツェボの陥落はポロシェンコ氏にとって大きな政治的な打撃となりかねないと危惧している。 「これは国家の信頼性と、実行力を発揮して国民を守る能力を破壊するものだ」とある高官は述べた。 電話の背後でデバリツェボの死者に敬意を表する礼砲の音が聞こえる中、コバレンコ氏は、ウクライナ兵の士気はまだ高いと強調しながら、「我々は今、もっぱら闘志だけで戦っている」と付け加え、それは「最も高度なハイブリッド戦争の戦術を駆使する、明らかにロシアの軍隊」にかなうものではないと語った。 By Neil Buckley and Roman Olearchyk in Kiev, Courtney Weaver in Moscow |