（昨夜の報ステ）
　先ほど、親ロシア派はロシア・メディアにデバリツェボの大部分を制圧したと話した。親ロシア派の幹部によると「警察と鉄道の駅を占領した」としている。
　一方、ウクライナのメディアは「ウクライナ側は確認していない」としているが、デバリツェボ近くの政府軍は「援軍が来ないと長くて１２時間しかもたない」と伝えている。

（昨夜のＮ９）
　ＥＵがロシアへの追加制裁を発動したにもかかわらず、プーチン大統領への支持は一層の高まりを見せている。
ロシアではウクライナで緊張が高まった去年３月以降、プーチン大統領への支持率が急上昇、今も８０％以上を維持している。厳しい経済状況を強いられているロシアだが、多くの市民はその原因は国外にあると考えている。

　市民「プーチン大統領の政策は正しい。大国の国民の生活に責任を持っている」
　市民２「国際社会にもてあそばれるのはたくさんだ。大統領が正しい、１００％支持する」

　ロシアのかなりの人たちが、ウクライナ情勢をめぐって不当に介入してきているのは、むしろ欧米の方だという感情を抱いているのは事実のようだ。

〔激しさ増す米ロ対立〕

　ウクライナ東部は米ロの代理戦争の場ともなりかねない状況になっている。１７日に開かれた国連安保理の緊急会合で、ウクライナ東部の戦闘に関わる全当事者に停戦合意を完全に守るよう求める決議を全会一致で採決した。提案したのはロシア。決議案採択後も米ロが激しい非難の応酬を繰り広げた。
　ロシアの国営放送は、「ウクライナ軍の多くの兵士を捕虜にした。１日で約１５０人のウクライナ兵士が捕虜になった。政府軍には食料や弾薬がなくなりそうだ」と報じた。

　こうした中、日本時間の今日午後新たな動きがあった。
　ルイセンコ報道官（ウクライナ）「政府軍は今日デバリツェボから一部の兵士を撤退する作業を行っている。現在約８割の兵士の撤退が完了した」
　ポロシェンコ大統領も同内容を宣言した。政府軍のほとんどが撤退したことで、デバリツェボは親ロシア派が制圧する見通しである。
　今回の事態を受けて米とロシアの対立がさらに深まる恐れもあり、最終的な戦闘停止につながるかどうかは、なお予断を許さない状況だ。