【モスクワ時事】ウクライナ東部で１５日午前０時（日本時間午前７時）、政府軍と親ロシア派の停戦が発効した。ポロシェンコ大統領と親ロ派トップは１４日夜までに、それぞれ部隊に停戦を命令したが、戦闘が沈静化するか予断を許さない状況だ。ルガンスク州当局によると、政府軍が支配する同州ポパスノエが停戦約２０分後に砲撃され、住民２人が死亡した。

　親ロ派が政府軍数千人を完全包囲したとされるドネツク州デバリツェボでは停戦後も戦闘が継続。この周辺ではポパスノエに加え、ドネツク州ゾロトエも同じ時間帯に砲撃を受け、政府軍は停戦違反を欧州安保協力機構（ＯＳＣＥ）に報告した。

　ポロシェンコ大統領は「親ロ派のデバリツェボ攻撃で和平プロセスは崩壊の危機にある」と非難した。大統領は１４日、停戦が失敗に終わった場合、全土での戒厳令発令もあり得ると改めて警告していた。

　一方、親ロ派は、デバリツェボで政府軍から停戦後に銃撃を受け、住民が死亡したと訴えた。親ロ派は停戦後の攻勢について「デバリツェボは（前線でなく）われわれの支配地域。その中での攻撃は停戦違反に当たらない」と主張。デバリツェボの一部を占領したとも述べた。

　ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの４カ国首脳は１２日、新ミンスク停戦合意をまとめ、親ロ派トップが署名した。合意には、一両日中に重火器撤去を開始することも盛り込まれている。昨年４月以降、住民を巻き込んで少なくとも「約５５００人」（国連推計）が死亡した戦闘の沈静化が最大の焦点だ。

　ドネツク州の州都ドネツクでは１４日、砲撃で住民３人が死亡したが、これについて親ロ派幹部は「内部で破壊分子が活動した可能性が高い」と説明した。今後、砲撃事件が起きた際、破壊分子や政府軍の「謀略説」で責任回避することもありそうだ。

　ポロシェンコ大統領は１４日夜、オバマ米大統領と電話で協議。独仏首脳はポロシェンコ大統領、ロシアのプーチン大統領とそれぞれ３者で電話会談した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015021500190 　

コメント

01. 2015年2月16日 13:55:56 : nJF6kGWndY また予想通りの展開になりそうだな http://digital.asahi.com/articles/ASH2J1P7NH2JUHBI001.html　 ウクライナ情勢で４首脳協議　孤立の政府軍拠点巡り緊張 モスクワ＝駒木明義2015年2月16日12時33分　 　ウクライナ東部の停戦合意発効を受けて１５日夜、ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの４首脳が電話で意見交換した。親ロ派武装勢力がウクライナ政府軍を包囲してにらみ合ったまま停戦を迎えたドネツク州デバリツェボの事態収拾が当面の停戦の成否を握る状況となっている。 　ウクライナ大統領府によると、ポロシェンコ大統領は電話協議の中で、停戦合意に盛り込まれた重火器の撤去について「完全な停戦が実現して初めて実施できる」と述べ、まだ条件が整っていないという認識を示した。念頭にあるのは、親ロ派に包囲されて孤立している政府軍の拠点デバリツェボだ。 　デバリツェボは親ロ派支配地域の２大都市ドネツクとルガンスクを結ぶ戦略上の拠点。インタファクス通信によると、親ロ派が自称する「ドネツク人民共和国」を代表するザハルチェンコ氏は１５日夜、「ウクライナ軍が武器を放棄するなら、デバリツェボからの脱出を認める」と述べた。あくまでデバリツェボを親ロ派の支配下に置く考えだ。 　デバリツェボからの退去を拒む政府軍に対して親ロ派が攻撃を再開すれば、停戦合意は水泡に帰しかねない危うい状況だ。 　ザハルチェンコ氏は停戦合意が成立した１２日も、デバリツェボからウクライナ軍が撤退するまでは署名できないと主張。ロシアの説得に押されて署名に応じた経緯がある。 　ロシア大統領府も、１５日の電話協議について「デバリツェボを巡る複雑な状況について意見交換をした」と発表。事態が緊張していることをうかがわせた。ウクライナ大統領府によると、４首脳は１６日にも引き続き意見交換するという。（モスクワ＝駒木明義）

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