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2015年年間回顧と2016年の課題ー(植草一秀氏)
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30th Dec 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
第二次安倍政権が発足して3年の時間が経過した。
そして、2015年が終わろうとしている。
この3年間、五つの重大問題が存在し続けた。
原発
憲法=戦争法制
TPP
基地
格差
格差をもたらす最大の元凶は消費税である。
これを加えて6大問題と言うこともできる。
2012年12月の選挙は、野田佳彦氏が実行した自爆解散である。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」
と声を張り上げていた、その本人が、
「シロアリを退治しないで消費税を上げる」
ことを強行した。
主権者の怒りは頂点に達した。
そのさなかで解散総選挙を実施したのは、単なる自爆であり、
安倍晋三自民党に政権を贈呈することを目的にしたものであったと言える。
成立した安倍政権が2013年7月参院選に勝利した。
メディアがアベノミクスを絶賛し、「ねじれ解消」を熱烈推進したためである。
私は、この参院選で安倍政権が勝利してねじれを解消すれば、
史上最悪の災厄が日本を覆うことを警告した。
『アベノリスク』(講談社)
を上梓して、
消費税増税、インフレ誘導、天下り、TPP、原発、憲法、戦争
の七つのリスクを列挙して警告を発した。
そして、懸念した災厄が日本を覆い尽くしてきたのが、この2年半である。
2014年に安倍政権は消費税率8%を強行実施して、日本経済を撃墜した。
その責任を負う安倍政権が2014年末に、
2015年10月の消費税率10%実施先送りを決定して解散総選挙に打って出た。
これまた、日本の御用メディアが、アベノミクスを絶賛する偏向報道を展開して、
安倍政権は総選挙を乗り切り、2015年を迎えた。
その2015年に、安倍政権は5大問題を次々と強行する大暴走を展開したのである。
安倍政権は8月11日に、九州電力川内原発を再稼働させた。
9月19日には戦争法を強行制定した。
10月5日には、TPPが大筋合意に達した。
そして、同じ10月、安倍政権は沖縄県名護市辺野古海岸の米軍基地建設本体工事に着手した。
さらに9月11日、安倍政権は派遣労働法を改定し、9月30日に施行することを強行決定した。
また、2017年4月に消費税率を10%に引き上げることも決めている。
つまり、冒頭に提示した5大問題、6大問題のすべてについて、
大暴走を展開したのが2015年だったのである。
日本の主権者多数がこの政策に賛同しているのなら問題はない。
日本は民主主義国家で、国民主権国家だから、
日本の主権者の賛同を得て政策を推進するなら、それを妨げることは正当ではないだろう。
もちろん、多数意見が正しい保証などないから、
多数意見であることだけで「正しい」ことにはならないが、その方向に進む「正当性」はあるということになる。
問題は、安倍政権が強行している政策に対して、
日本の主権者の過半数が反対である疑いが濃厚であることだ。
主権者の過半数が反対である政策が強行されるのは、
国会の議席配分が、主権者の意向を正しく反映していないからである。
この部分を是正する必要がある。
日本で最も深刻な「ねじれ」とは、この部分の「ねじれ」である。
主権者の意思が国会議席数に反映されていないこと。
主権者の意思と国会議席構成に「ねじれ」が生じていることが問題なのだ。
2016年は選挙の年になる。
この選挙を通じて、日本最大の「ねじれ」問題の解消を図らねばならない。
「ねじれ」を解消するためには選挙制度の改革が必要であるとの意見がある。
小選挙区制をやめて、すべてを比例代表にすれば、民意が正確に国政に反映される、との意見がある。
一理ある主張だ。
しかし、その制度改正を実現することは極めて難しい。
現在の国会議席構成で、この提案が法律として可決成立する可能性が皆無に近いからである。
小選挙区制は、多くの死票を生む制度である。
死票となる主権者の意思は国会議席構成に反映されない。
その点は問題である。
しかし、ものごとには「陰」と「陽」がある。
「陰」の裏側に「陽」があり、「陽」の裏側に「陰」がある。
単眼思考では、ものごとの評価が偏る。
複眼思考で、ものごとの陰陽全体を把握することが重要だ。
小選挙区制度は死票を多く生み出すという欠点があるが、政権交代をもたらしやすいという美点がある。
ある政権に対する主権者の批判が強まるとする。
小選挙区制度下の選挙では、この批判が直ちに政権交代、政権退場をもたらしやすい。
これは美点と言って良いだろう。
政権の座から退場させられる恐れが常に存在することが、
政権の堕落を防ぎ、政治に緊張感をもたらす原因になることも美点のひとつだろう。
ただし、政権与党に対峙する勢力が、
この小選挙区制の特性を生かす行動を示さなければ、この美点は生かされない。
日本の現状は、ここに位置している。
政権与党に対峙する勢力が、バラバラで、一つの選挙区に候補者を何人も擁立すれば、
候補者を一人に絞っている与党が選挙で有利になるのは自明のことだ。
このことによって、主権者の意思と国会議席構成に深刻な「ねじれ」が生じ、
民意に反する施策が強行される、暴走政治がもたらされている。
したがって、選挙の年になる2016年。
何よりも重要なことは、安倍政権に対峙する勢力の結集、大同団結を図ることだ。
7月10日が投開票日になると見込まれる参院選の場合、
勝敗を決定する最重要の部分は、32ある1人区だと見込まれる。
この32の1人区において、自公候補に対峙する候補者を、一人に絞り切ることができるかどうか。
ここが、まずは重要なポイントになる。
熊本で候補者の一本化が進行し、
石川、新潟、山形、鳥取・島根、などでも一本化に向けた取り組みが始まっている。
この動きを主権者が後押しする必要がある。
より重要になるのは、衆院総選挙である。
その際に、考え方として最重要になるのが、政策を基軸に候補者の一本化を図ることだ。
衆院選では、候補者調整を進めても、最終的には完全な一本化は難しいだろう。
野党と言っても、政策主張に大きな幅と隔たりがあるため、単純な一本化は困難である。
重要なことは、その際に、主権者の視点で、政策を基軸に候補者の一本化を推進することだ。
原発・憲法・TPP・基地・格差
の五大問題について、立候補予定者の政策公約を確認し、
主権者の意思に沿う候補者を、ただ一人に絞り込むことだ。
この手続きのなかで重要な役割を担うべきなのが、主権者運動である。
政党に働きかけて、同一公約を掲げる候補者をただ一人に絞り込むのだ。
野党候補といえども、5大問題について、主権者の意思に反する公約を掲げる者が出てくるだろう。
その場合には、その候補者の立候補を妨げない。
この候補者の政策公約は自公候補と近いものになり、
立候補すれば、自公候補と票を食い合うことになるからだ。
主権者運動としては、政党から一定の距離を取り、愚直に、
政策基軸、超党派、主権者主導
の地道な運動を展開するべきだ。
主権者が政党間のどろどろの権力闘争、個利個略に深く絡まるのは避けるべきである。
原発、憲法、TPP、基地、格差
そして、消費税という、この国の根幹に関わる施策について、決定権を持つのは、
主権者
である。
2016年は、主権者の意思が政治に反映される国会の議席構成を作り上げなければならない。
主権者にとって、もっとも重要な、そして正念場となる1年になる。
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