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沖縄で独立気運が高まっている。ところが、安倍政権がそのことに全く気づかず、辺野古新基地建設を強行している。本土に住む人間はこの問題にどう対処するべきか、そもそも沖縄とどう向き合うべきなのか。これは本土に住む日本人一人一人に問われていることであろう。
ここでは、『永続敗戦論』が話題を呼んだ白井聡氏のインタビューを紹介する。
『月刊日本』1月号
白井聡「本土は沖縄と共に立ち上がれ」より
http://gekkan-nippon.com/?p=7488
<このままでは辺野古で死者が出る>
―― 白井さんは新著『「戦後」の墓碑銘』(金曜日)の中で、沖縄問題について言及されています。12月上旬には沖縄を訪れ、辺野古に行かれたそうですね。辺野古を訪れてどのような印象を持ちましたか。
【白井】 第一に挙げたいのは、機動隊や海上保安庁職員などの暴力行為のために、かなり危険な状況が生まれているということです。全国紙でも報道されていますが、彼らに暴力を振るわれて怪我をする人が出ており、中には骨折した人もいます。
私が辺野古を訪れた際も、機動隊との間で緊迫した場面がありました。辺野古ゲート前の幹線道路を通行しようとした米軍の軍用車両に対して、抗議者たちがそれを阻止しようと立ちはだかりました。すると、機動隊員たちがわらわらと走ってきて、少し揉み合っていたようです。辺野古ではこのような応酬が日常茶飯事となっています。
また、辺野古では法的に疑問のある逮捕も行われています。例えば、沖縄平和運動センターの山城博治さんが、罪状が定かでないまま逮捕・拘束されるということが起こっています。辺野古周辺はいわば「法の外」に置かれているのです。
それ故、現在のような状況が続くようなら、今後何が起こってもおかしくありません。私は落命する人が出てしまうのではないかということを非常に危惧しています。
もう一点、今回沖縄を訪れてわかったことは、日本のデモクラシーに対する沖縄の最後の期待が崩壊したということです。沖縄は県知事選挙によって翁長雄志知事を誕生させることで、辺野古新基地建設反対という民意をはっきりと示しました。しかし、それでも安倍政権は辺野古の工事を中止しようとしませんでした。
そこで、翁長知事は辺野古の埋め立て承認を取り消すことで、さらに明確に基地反対の意思を示しました。しかも、承認取り消しに当たっては、法理的に万全を期すためにかなりの時間をかけて丁寧な検証を行っています。沖縄側としては、安倍政権も民主国家という建前がある以上、正規のプロセスに則ったものであれば耳を傾けざるを得ないと期待していたのだと思います。
ところが、安倍政権はそれでも蛙の面に小便なわけです。そのため、沖縄では日本に対する幻滅がますます強まっています。このままでは、沖縄はいずれ安倍政権ならびにそれを成立させた日本人と決定的に決裂します。そうなれば沖縄の人たちの間で「自分たちは沖縄人だ」あるいは「自分たちは琉球人だ」という意識がいよいよ強くなり、独立を志向し始めると思います。
―― 本土では、沖縄独立論は「居酒屋独立論」だとして、酒場談義くらいにしか考えられていません。
【白井】 それは沖縄を馬鹿にし、「どうせ独立などできるはずがない」と高を括っているからでしょう。しかし、世界を見渡せば、沖縄よりも少ない人口や小さい経済規模の独立主権国家はいくらでもあります。沖縄独立論は決して絵空事ではないのです。(以下略)
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