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2015年12月29日 「ジャーナリスト同盟」通信
<ワシントンの圧力の中での政治決着>
12月28日の日韓外相会談で、日韓最大のトゲとなっていた旧日本軍による従軍慰安婦問題が決着した。「日本政府は旧日本軍の関与を認め、責任を痛感、首相が心からおわびと反省の気持ちを表明。被害者支援のため、10億円程度の資金を一括拠出する。合意にもとずく解決策が、最終的・不可逆的であることを確認」というものだ。果たして、これで当事者が納得したであろうか。ワシントンの圧力に屈した合意だとすれば、そこに誠意が感じられず、早くもむなしい気分が半島を覆っている。
<誠意なしの合意に意味は薄い>
「日本軍関与の証拠を示せ」とわめいていた安倍首相ら日本会議の面々である。極右の権化で、安倍の側近中の側近・稲田政調会長はどう理解しているだろうか。
それが一転して「心からのおわびと反省の気持ちを表明した」というのである。黒幕が、無理やり馬を水飲み場に引っ張ってきた印象が強い。要するに、首相に誠意が全く感じられない。一遍の韓国大統領に向けての電話発言である。
ソウルに飛んで行って頭を垂れるわけではない。まさにワシントンの押しつけに従った安倍である。それはソウルも同じだった。
<2度と文句を言わせない東京?>
安倍・自公政権はただでは転ばない。そうした合意でもあった。安倍は記者団に感想を求められれと、反省発言どころか、真っ先に「私たちの子や孫の世代に謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」とコメントしている。いわば開き直りの姿勢を、自ら合格点をくれている。
<野党も市民団体も反発>
こうした東京の対応を予測させるかのように、韓国の野党や慰安婦問題を支援する市民団体、そして被害者から即座に強い反発が聞こえてきた。危うい政治的合意だという認識であろう。
世界の人権問題を監視しているアムネスティ・インターナショナルは、2015年11月30日付で、日本政府首相と韓国大統領に対して、警鐘を鳴らす声明を発していた。その中で「被害者の意見と要望を十分に考慮した被害者本位の対応」「日本政府は責任を全面的に認め、謝罪すること」「賠償請求や裁判所に申し立てる施策は、すべて排除すること」と厳しく条件を付けている。
なぜか。人権問題では、最大の悪逆行為だからであろう。日韓合意は、この条件を処理できなかった。当事者外での政治的合意だからである。
<法的責任回避は許されない>
韓国の最大野党は、被害者の立場から「日本政府は法的責任の認定をしていない」「法的責任に基づいた公式謝罪と賠償を回避した」と鋭い批判を加えている。ソウルは野党の意向にも配慮せずに、事を進めていたことになる。
政権交代の起きる韓国の政情を考えると、火種を残した合意ということになろうか。野党責任者はまた、安倍が力説する「最終的かつ不可逆的解決」について「同意できない」とも述べている。
さらに、日本大使館前の少女像について「撤去の余地を残したのは、非常に残念だ」とも語っている。
<少女像移転はNO>
東京の極右政権が、合意の段階で強くこだわったのは、少女像の撤去だった。これにも強い反発が起きている。野党どころか、当事者である市民団体が、強く反発している。
韓国の通信社は「法的責任が明示されなかった」と報じた。支援団体は「外交的談合」と切り捨てた。元慰安婦女性は「保障ではない法的賠償にすべきだ」と訴えた。
<米国大歓迎・東京右翼は反発>
日韓合意の黒幕は、言わずと知れたワシントンである。対中国封じの前線基地である日本と韓国との戦略が、現地に米軍基地を配している理由だ。日本と韓国のいがみ合いに神経をとがらせてきたワシントンだけに、今回の合意は大歓迎であろう。
このワシントン戦略は、冷静に判断すると、それは米帝国主義の証ともなっている。国際条理に反するものだ。1国独立を封じ込める、ワシントンの不条理の極め付きといっていいだろう。日韓の自立が両国の課題である。
日本に民主的なリベラルな政府が誕生すれば、いずれ基地撤去へと突き進む。すでに沖縄で、その決起が始まっている。
東京の右翼も反発している。これを安倍が抑え込むことが出来るのか。しばし、注目されよう。いずれにしろ、事実上、不条理な日米韓の合意は、中国の対応に比例して、今後ともくすぶっていくことになろう。
2015年12月29日記(武漢大学客員教授・日本記者クラブ会員)
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