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自国の女性を平気で「慰安婦」にしてきた日本人エリートが侵略した先で女性を性奴隷にする必然
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201512280000/
2015.12.28 21:01:56 櫻井ジャーナル
日本と韓国、両国の政府は「従軍慰安婦問題」で合意したと12月28日に発表した。岸田文雄外相によると、安倍晋三首相は「元慰安婦」に対し心からのおわびと反省を表明、「元従軍慰安婦」を支援するための財団を韓国政府が設立し、日本政府が自国予算で資金を一括拠出することを明らかにしたという。しかも、両国政府は国連など国際社会で慰安婦問題に関して互いに批判/非難しないことにしたともいう。誰が見ても、この合意はアメリカ政府の指示に基づくものだろう。
徳川から薩摩/長州藩を中心とする勢力へ支配体制が変わった直後、日本は琉球、台湾に続いて朝鮮半島を侵略、支配した。「従軍慰安婦」はそうした流れの先で引き起こされたのだが、日本と韓国/朝鮮との問題の一部にすぎず、今回の合意で日韓問題が全て解決されたと考えるべきではない。
現在、アメリカの好戦派はベトナム、フィリピン、日本を軸にして中国に軍事的な圧力を加えようとしているが、この軸に韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。韓国では政府が済州島での海軍基地建設を1993年に発表、2007年に候補地は江汀(カンジョン)に絞られた。アメリカのアシュトン・カーター国防長官がハーバード大学で朝鮮空爆を主張した翌年のことだ。韓国海軍の基地として建設されているが、中国の大陸部まで約500キロメートルの新基地が完成した後、アメリカ軍が入ってくるのは時間の問題だと言われている。
アメリカや東アジアの支配層にとって「朝鮮空爆」はリアルな話で、済州島における基地建設が発表された後、1998年にアメリカでは金正日体制を倒して朝鮮を消滅させ、韓国が主導する新たな国を建設することを目的としたOPLAN 5027-98が作られた。それに対し、同年8月に朝鮮は太平洋へ向かって「ロケット」を発射、翌年の3月には海上自衛隊が能登半島の沖で「不審船」に対し、規定に違反して「海上警備行動」を実行している。
日本で「周辺事態法」が成立した1999年になると金体制が崩壊したり第2次朝鮮戦争が勃発した場合に備える目的でCONPLAN 5029が検討され始め、2005年にOPLAN(作戦計画)へ格上げされた。このほか、朝鮮への核攻撃を想定したCONPLAN 8022も存在している。
2003年3月、アメリカ軍がイギリス軍などを引き連れてイラクを先制攻撃した頃に空母カール・ビンソンを含む艦隊が朝鮮半島の近くに派遣され、また6機のF117が韓国に移動し、グアムには24機のB1爆撃機とB52爆撃機が待機するという緊迫した状況になった。
こうした動きを韓国の盧武鉉やアメリカ支配層の一部がブレーキをかけるのだが、その盧大統領は2004年3月から5月にかけて盧大統領の権限が停止になる。済州島の海軍基地建設の候補地が江汀に絞られた翌年、2008年の2月には収賄容疑で辞任に追い込まれてしまう。次の政権はアメリカの戦争ビジネスと関係の深い李明博。
WikiLeaksが公表した2009年7月付け文書によると、韓国の玄仁沢統一相はカート・キャンベル米国務次官(当時)と会談、朝鮮の金正日総書記の健康状態や後継者問題などについて説明、同年10月に朝鮮は韓国に対し、韓国軍の艦艇が1日に10回も領海を侵犯していると抗議、11月には韓国海軍の艦艇と朝鮮の警備艇が交戦した。
http://www.theguardian.com/world/us-embassy-cables-documents/217956
2010年3月に韓国と朝鮮で境界線の確定していない海域で韓国の哨戒艦「天安」が爆発して沈没、5月頃から韓国政府は朝鮮軍の攻撃で沈没したと主張し始める。11月になると韓国軍は領海問題で揉めている地域において軍事演習を実施、朝鮮軍の大延坪島砲撃につながった。
ソ連が消滅した直後、1992年の初めにアメリカ国防総省の内部では主導権を握っていたネオコン/シオニストがDPGの草案を作成したが、これは世界制覇プランと呼べる代物だった。
http://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html
彼らは自国が「唯一の超大国」になったと認識、潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアも支配することを決めている。
この段階でロシアは西側に操られていたボリス・エリツィンが大統領になり、その娘であるタチアナ・ドゥヤチェンコを中心とした腐敗勢力が外部の人間と手を組んで国の資産を略奪していく。そして誕生したのが「オリガルヒ」だ。
中国の場合、アメリカ支配層はエリートの抱き込みを進め、その子どもを留学させて新自由主義的な価値観を叩き込んでいたが、属国化に成功したとは言えない状況だった。そしてアメリカ政府は東アジア重視を打ち出す。DPGに基づいてネオコン系シンクタンクのPNACが2000年に発表した『米国防の再構築』も東アジア重視を掲げていた。この戦略変更のひとつの結果として朝鮮半島では軍事的な緊張が高まったと言える。
日本と対立していた韓国はその間に中国へ接近、アメリカ支配層にとって良くない状況になった。その原因を作った安倍晋三を含む好戦派だが、彼らに限らず日本のエリートには女性を蔑視する人が少なくない。それが「従軍慰安婦」の問題をこじらせることになった。
本ブログでは何度も指摘しているように、中国の利権を狙い、ロシアをつぶそうとしていたイギリスを後ろ盾として日本は近代化を始め、関東大震災ではイギリスの金融資本を後ろ盾とするJPモルガンに復興資金の調達を頼った。そして導入された新自由主義的な政策によって日本の不況は深刻化、東北地方では娘の身売りが増え、欠食児童、争議などが問題になった。支配層は裕福になり、庶民は貧困化、つまり貧富の差が拡大したわけだ。貧困化が売春婦を増やすことは古今東西、共通している。
こうした経済政策を推進した浜口雄幸首相は1930年11月に東京駅で銃撃されて翌年の8月に死亡し、32年2月には大蔵大臣だった井上準之助が本郷追分の駒本小学校で射殺され、その翌月には三井財閥の大番頭だった団琢磨も殺され、5月には五・一五事件が引き起こされている。そして1936年2月には二・二六事件だ。こうした事件を支配層がどのように利用したかは別にして、事件を引き起こした原因は新自由主義的な強者総取り政策があった。
第2次世界大戦後、日本の支配層は自国の女性を「慰安婦」にしようと目論む。国境を越えた軍隊が占領地で女性をレイプするのは日本に限った話ではないが、日本政府はそれを「慰安婦」でコントロールしようとしたのだ。1945年8月18日、日本政府の指令に基づき、内務省警保局長は「外国駐屯慰安施設等整備要項」を全国の警察に出し、26日には「特殊慰安施設協会(RAA)」が設置された。アメリカ兵向けの「慰安婦」を組織しようというわけだ。28日には「小町園」が東京の大森でオープンしたという。
そのとき、何が行われようとしているかを理解できた「遊興業者」は警察の協力要請に難色を示していたが、少なからぬ年少の未婚女性が「外人に対する好奇心」、「享楽的職業に対する憧憬」、あるいは「良好なる待遇宣伝」に惹かれて「女給」の募集に応じている。応募した女性の少なくとも半数は仕事が売春行為だということを理解していなかったようだ。アジアの占領地で行ったことを日本でも繰り返そうとしたと言えるだろう。これが日本人エリートの女性観だった。いや、今でも大差はないだろう。
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