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沖縄県VS国、基地問題はどちらに軍配?[スプートニク日本語]
2015年12月27日 01:06
沖縄県は普天間米軍基地の移設をめぐって日本政府を提訴した。今週初め、沖縄県の翁長知事は2013年に前知事が出していたボーリング、建設作業の許可を取り消した。
沖縄県は国からの提訴に真っ向から対抗して提訴した。これにより日本では国と一県の間に同時平行して2つの裁判が進行することになった。
モスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授はこの事態は多くの観測筋にとっては不測のものではなかったと指摘した。ストレリツォフ氏は、国と沖縄県の対立はかなり前から膨れ上がっており、いつかは裁判に持ち込まれるか、あるいは正面きった衝突にいたることは十分予想されていたとして、次のように語っている。
「沖縄県知事は抗議の気運の波にのって、まさに国に対抗する人物として選出された。状況の先鋭化を促したのは沖縄が常に抗議の気運度がより高い状態にあるという事実だ。過去数回の全国議会選挙で沖縄県からは共産党員が国会に送り込まれているのも偶然ではない。これは前代未聞の事態だ。これまでは共産党員が与党の選出者に勝つことはなかった。これは単にありえないことだったのだ。沖縄の野党は基地反対以外に、沖縄県は長年にわたって犠牲者である種のコンプレックスを十分に味わってきたと考えてきた。住民は沖縄県は政治的な駆け引きの代償にされ、米軍基地へと変えられてしまったと明確に意識している。これにプラスしてエスニックな問題も気運には絡んでいる。沖縄が日本の一部となったのは19世紀後半と、その歴史は浅い。しかも戦前までは沖縄は被差別民である感覚を味わってきた。」
こう語る一方でストレリツォフ氏は米軍基地に対する強力な抗議運動が展開されていても、これが功を奏して島民に有利な裁判結果が得られると考えるのは拡大解釈だとして、さらに次のように指摘している。
「日本の司法は独立しており、この理由で国の決定に反した判決が採られることも稀ではない。だがこの場合、最高裁が国の決めた基地に関する方針に反対することはまずないだろう。米国との連合を支柱に国の安全を守ることは日本の外交政策の要となっている。しかも軋轢は首相が沖縄県知事との面談を拒否するところまで達してしまっている。このため地方レベルでは抗議市民に有利な判決がでるかもしれないが、その後は必ず抗告になり、最終的にはどちらの側にも有利な判決には至らないだろう。」
だが、基地の移転のような地方政権の許可なしには実現不可能な事柄については、日本の法律では地方政権にはかなり大きな権利が認められている。このため、ストレリツォフス氏は、国はいずれにしても国と地方政権の軋轢解決の道を探る必要にせまられるとして、さらに次のように語っている。
「国は地域住民を買収する形で事なきを得ることがよくある。一例では沖縄県が国から得ている補助金は全国一だ。特典もそうだ。とはいえエコノミストらの試算では、沖縄県に米軍基地がなければ、県の経済状況は今よりずっとよくなるといわれている。基地が県に雇用を創設しているという論理は逆に、基地さえなければ沖縄のリゾート観光は今よりずっと進んだはずだという論理によって反駁されている。現段階では多額の補助金をもらっても沖縄県は日本の中でも最も抑圧された地域にとどまっている。」
日本にある米軍基地の74%が沖縄県に集中している。また2200人を超す日本人が、自宅が基地空港の付近にあるため騒音からストレス、不眠に悩まされているとして裁判に訴えている。このほか、日本人は不慮の航空機墜落を非常に恐れている。だが日本人は長年にわたり米軍基地は日本の安全のために必要と思い込まされてきた。このため米国との連合を支持せざるを得ない。
http://jp.sputniknews.com/opinion/20151227/1374071.html
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