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2015年12月25日
注:筆者コメ省略
■日本の世論2015 毎日新聞・埼玉大共同調査(その1)
戦後70年、成長の記憶 毎日新聞と埼玉大学社会調査研究センターによる郵送世論調査「日本の世論2015」は、戦後70年を振り返った「過去」、少子高齢化が進む「現在」、子や孫の世代を展望した「未来」をテーマに実施した。敗戦から立ち直った「高度成長」のイメージで記憶されている戦後70年。現在の安倍政権に対する評価は低くはないものの、人口減や格差拡大など、現代社会の抱える不安は大きい。将来への道筋を政治が示せない中、身近な幸せを大切にして生きる人々の暮らしが見えた。
■過去は評価、現在に不満
戦後70年を迎えた2015年。安倍晋三首相は戦後70年談話で平和国家としての日本の歩みを強調した。今回の調査では「戦後70年の日本社会」と「安倍内閣3年間の日本社会」について評価を聞いた。 安倍内閣の評価は悪くはないものの、戦後70年の高評価には及ばなかった。
評価項目は(1)民主的な政治(2)暮らし・経済(3)日本の国際的地位(4)文化・芸術・スポーツ(5)医療・介護・福祉−−の五つ。項目ごとに「お おいに良くなった」5点▽「少し良くなった」4点▽「変わらない」3点▽「少し悪くなった」2点▽「とても悪くなった」1点−−の5段階で採点してもら い、回答者全体の平均点を集計した。
戦後70年の項目別評価は(1)3・7点(2)3・9点(3)3・7点(4)4・0点(5)3・7点。各項目で回答者の6割以上が「良くなった」(「おおいに」と「少し」の計)と答え、7割を超えた(4)は4点に到達。ほかの4項目も軒並み4点に迫る高評価となった。
安倍内閣3年間の評価は(1)2・7点(2)2・8点(3)3・0点(4)3・3点(5)2・8点。各項目で回答者の半数前後が「変わらない」を選んで おり、安倍内閣のもとで日本社会が良い方向に向かっているとの実感は乏しい。(4)が3点を超えたのは、20年東京五輪の招致などが評価を押し上げたため とみられる。
安倍内閣の(1)の評価が低いのは、安全保障関連法を巡る政府・与党の対応が非民主的な印象を与えた結果と推測される。内閣支持層では3・3点だったの に対し、不支持層では2・1点。安倍首相の政権運営を民主的とみるかどうかが、支持・不支持の分岐点の一つになっているようだ。
(2)と(5)の評価も低いが、その背景は若干異なる。内閣支持層の平均点を見ると、(5)は3・1点で、(2)の3・3点より低い。安倍首相の経済政 策「アベノミクス」は内閣支持層では一定の評価を得ているが、年金不安などを払拭(ふっしょく)できない社会保障政策への不満が内閣支持層にもくすぶって いると言えそうだ。
戦後日本の歩みは安倍首相も高く評価しているが、一方で首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、憲法改正に強い意欲を示す。調査では、戦後の日本の繁栄に憲法が「役立った」との回答が9割近くに達した。
過去の日本を高く評価しつつ、政治の現状には厳しい目を向ける複雑な民意の一端が浮かび上がった。
■日米安保7割が肯定
2015年は、集団的自衛権の限定行使を容認する安保法を巡って国論が二分され、南シナ海での米中緊張などもあって「外交・安保」への関心が高まった年でもあった。
日本が最も関係を深めていくべき国や地域を選んでもらったところ、過半数の54%が「米国」と回答。2位は「東南アジア諸国」の19%で、隣国の「中 国」は7%、「韓国」は2%にとどまった。台頭する中国に日米同盟の強化と東南アジア諸国などとの関係強化で対抗するのが安倍首相の外交方針。慰安婦問題 などで冷え込んだ日韓関係も国民意識に影を落としている。
日米安全保障条約について「これまで通り維持すればよい」と答えたのは58%。「これまで以上に強化すべきだ」の13%と合わせ、肯定的な回答が7割を 超えた。「将来はなくすべきだ」は11%、「ただちになくすべきだ」は2%だった。前年の調査では「強化」8%、「維持」51%、「将来はなくすべきだ」 24%。日米安保を基軸とする政府の外交方針が広く支持されていると言えそうだ。
米国、中国、韓国、ロシアの4カ国についてはどの程度、親しみを感じるかを5点満点で点数化してもらった。 回答者全体の平均点は米国3・7点、韓国2・1点、中国とロシアはともに1・8点。前年と大きく変わらなかった。
10年後の4カ国との関係についても5点満点で評価してもらった。5点なら「良くなっている」、1点なら「悪くなっている」として点数化。中間の3点を超えたのは米国の3・5点だけで、韓国とロシアは2・4点、中国は2・2点だった。
日中韓首脳会談が3年半ぶりに開かれたが、中韓両国との関係改善にはなお悲観的な見方が強い。
■6割超える「脱原発」派
日本の原子力発電所については「減らすべきだ」が39%、「なくすべきだ」が25%で、合わせて6割以上が脱原発志向だった。安倍政権は原発の再稼働を 進めているが、「今のまま維持すべきだ」は30%、「増やすべきだ」は3%。内閣支持層でも「維持」は40%で、「減らす」39%、「なくす」14%だった。
不支持層では脱原発派が8割近くを占めた。
「減らす」「なくす」と答えた人には、原発に代わるエネルギーについても尋ねた。85%が「太陽光や風力などの再生可能エネルギーを増やす」と回答。「節電などで電力需要を減らす」は10%、「石油や石炭などの化石燃料を増やす」は1%にとどまった。
■天皇に親しみ65%
象徴天皇制に移行して70年近く。現在の天皇陛下が即位した1989年からは四半世紀が過ぎた。「今の天皇に親しみを感じるか」の質問には「感じる」が 65%を占め、「感じない」は8%、「どちらともいえない」が26%だった。年代が高くなるほど親しみを感じる割合が増える傾向にあり、20代で5割、 30〜40代では6割、50代以上では7割が「感じる」と答えた。
■衆院選改革、4割「小選挙区重視」
「今のままでよい」3割 比例で復活当選「おかしい」68%
今回の調査では衆院選挙制度に関する意識を探った。「小選挙区の比重を増やすべきだ」が22%、「小選挙区だけにすべき だ」が17%で、4割が小選挙区重視の方向での改革論議を求めた。「比例代表の比重を増やすべきだ」は5%、「比例代表だけにすべきだ」は2%にとどまっ た。
小選挙区比例代表並立制で初めて行われた1996年衆院選から来年で20年。調査では30%が「今のままでよい」と答え、ある程度は定着したと言える。 その前は定数3〜5人程度の中選挙区制だったが、「中選挙区制に戻すべきだ」と答えたのは14%。中選挙区制の衆院選を何回も経験した60代以上では2割 を超えた。中選挙区制を経験していない20〜30代は「今のままでよい」が4割を超えた。 投票の仕組みを複雑にしている比例代表への抵抗感は根強い。調査では、投票の際に「候補者名を書く小選挙区」と「政党名を書く比例代表」のどちらをより 重視するかも質問。「小選挙区」が61%を占めた。「比例代表」は15%にとどまり、「どちらともいえない」が22%だった。
人に投票する小選挙区と比べ、自分の投票でだれが当選するかがわかりにくい比例代表。その仕組みをさらに複雑にしているのが、小選挙区で落選した候補者 が比例代表で復活当選する重複立候補制度だ。調査では「落選したのに議員になれるのはおかしい」との回答が68%を占め、「比例代表で救済されるのは良い ことだ」の10%を大きく上回った。「わからない」が20%と、複雑な仕組みへの戸惑いがうかがわれる。
調査では、各種の選挙について関心度の順位をつけてもらった。集計した順位の高い順に(1)衆院選(2)市区町村長選(3)都道府県知事選(4)参院選(5)市区町村議選(6)都道府県議選となり、地方議員の選挙に対する関心は低い。 地方議会については、首長や行政へのチェック機能を果たしていると思うかも尋ねた。「わからない」が44%、「果たしていない」が43%で、「果たしている」は11%だった。
■主な質問と回答
◆あなたは安倍内閣を支持しますか、支持しませんか、それとも関心がありませんか。
全体 前回 男性 女性
支持する 40(44) 43 37
支持しない 39(31) 40 38
関心がない 19(23) 15 23
◆あなたはどの政党を支持していますか。
自民党 35(38) 37 34
民主党 8 (4) 10 6
公明党 4 (4) 3 5
維新の党 1 (3) 1 1
共産党 3 (3) 3 3
おおさか維新の会 4 4 3
社民党 1 (0) 1 1
生活の党 1 (0) 1 0
次世代の党 0 (0) 0 0
日本を元気にする会 0 − 0
新党改革 − (−) − −
その他 1 (0) 1 1
支持政党はない 41(43) 37 44
◆2度目の安倍内閣が発足してまもなく3年を迎えます。安倍内閣になってからの日本の社会は、どのようになったと思いますか。 <以下は「1とても悪くなった〜5おおいに良くなった」の平均点>
民主的な政治 2.7 2.7 2.7
暮らし・経済 2.8 2.9 2.8
日本の国際的地位 3.0 3.0 2.9
文化・芸術・スポーツ 3.3 3.3 3.3
医療・介護・福祉 2.8 2.8 2.7
◆日本国憲法の第9条には次のように書かれています。 「(1項)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(2項)前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」 ◇あなたは「1項」を改正すべきだと思いますか。
改正すべきだ 17 24 10
改正すべきではない 57 57 56
わからない 24 17 30
◇あなたは「2項」を改正すべきだと思いますか。
改正すべきだ 23 33 15
改正すべきではない 46 47 44
わからない 28 18 37
◆戦後の日本の繁栄に、今の憲法が果たしてきた役割をどう評価しますか。
かなり役立った 34 37 31
ある程度役立った 52 49 55
あまり役立っていない 9 9 9
全く役立っていない 2 2 1
◆戦後70年間で、日本の社会はどのようになったと思いますか。 <以下は「1とても悪くなった〜5おおいに良くなった」の平均点>
民主的な政治 3.7 3.7 3.7
暮らし・経済 3.9 3.9 3.9
日本の国際的地位 3.7 3.7 3.7
文化・芸術・スポーツ 4.0 4.0 4.1
医療・介護・福祉 3.7 3.8 3.7
◆日本の原子力発電所について、あなたの考えに最も近いのは次のどれですか。
増やすべきだ 3 4 2
今のまま維持すべきだ 30 32 28
減らすべきだ 39 37 41
なくすべきだ 25 24 25
◇<「減らすべきだ」「なくすべきだ」と答えた方に>原発にかわるエネルギーについて、あなたの考えに最も近いのは次のどれですか。注:省略
◆あなたは今の天皇に親しみを感じますか、感じませんか。
親しみを感じる 65 61 68
親しみを感じない 8 11 5
どちらともいえない 26 26 25
◆あなたは、お住まいの都道府県や市区町村の地方議会が、首長や行政へのチェック機能を果たしていると思いますか。 注:省略
◆日本は戦後、米国との同盟関係を重視してきました。これからの日本はどの国・地域との関係を最も深めていくべきだと思いますか。
米国 54 56 53
中国 7 8 6
韓国 2 2 3
インド 2 3 2
ロシア 1 1 1
東南アジア諸国 19 20 18
ヨーロッパ諸国 6 5 6
その他 4 3 5
◆日米安全保障条約について、あなたの考えに最も近いのは次のどれですか。
これまで以上に強化すべきだ 13 16 11
これまで通り維持すればよい 58 60 55
将来はなくすべきだ 11 13 9
ただちになくすべきだ 2 1 2
わからない 15 8 21
◆米国、中国、韓国、ロシア各国との関係についてお尋ねします。 ◇四つの国に対し、どの程度「親しみ」を感じますか。 <以下は「1親しみを感じない〜5親しみを感じる」の平均点>
米国 3.7(3.7)3.8 3.6
中国 1.8(1.7)1.8 1.8
韓国 2.1(2.0)2.0 2.2
ロシア 1.8(2.0)1.8 1.8
◇四つの国と日本との10年後の関係は、現在と比べてどう変化していると思いますか。 <以下は「1悪くなっている〜5良くなっている」の平均点>
米国 3.5(3.5)3.5 3.4
中国 2.2(2.2)2.2 2.2
韓国 2.4(2.3)2.3 2.4
ロシア 2.4(2.5)2.4 2.4
◆公職選挙法は、国会議員をはじめ、知事や市長、県議会や市議会の議員などの選挙について定めています。次の選挙について、あなたの関心の高い順に1から6までの数字を記入してください。
注:省略
◆衆議院議員の選挙では、投票する際に「小選挙区」では候補者名を、全国を地域別に分けた「比例代表」では政党名を投票用紙に記入します。あなたはどちらの投票をより重視しますか。
◆衆議院では現在、選挙制度改革について議論されています。これについて、あなたの考えに最も近いのは次のどれですか。 注:省略
◆衆議院議員の選挙では、「小選挙区」の候補者が「比例代表」でも重複して立候補でき、小選挙区で落選しても、比例代表で復活当選できます。重複立候補について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
注:省略
毎日新聞・埼玉大共同調査(その2止) 身近な幸せ、募る不安
■産み働ける社会に
「日本の世論2015」では、少子高齢化による「人口減少社会」の問題を取り上げた。 生産年齢人口(15〜64歳)が減少していく中、労働力を確保するのに何が最も有効だと思うかを聞いたところ「仕事を持たない人の雇用を促す」を選んだ人 が47%、「出生率の向上をはかる」が37%を占めた。「仕事を持っている人の生産性を上げる」は6%、「外国からの移民を増やす」は3%。人手不足を外国人労働者で補うことも議論されているが、移民の受け入れに対する抵抗感は根強い。
「仕事を持たない人」としては失業者のほか、出産や育児で職を離れた女性、定年退職した高齢者らが想定される。安倍晋三首 相は「1億総活躍社会」の実現へ向け就労環境の整備を図る方針を示すとともに、昨年1・42まで低下した合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの 数の推計値)を1・8に向上させる目標を掲げる。政権の問題意識と調査結果に表れた国民意識の傾向は重なる。
出生率の向上を図るには、出産後も女性が働き続けられる職場環境や制度が求められる。調査では、女性が働きやすい環境をつくる政府や企業の取り組みとして何が最も重要だと思うかも質問。「産休や育休をとりやすくする」との回答が25%、「在宅勤務など柔軟な勤務体系の導入」が24%と、職場環境の改善を 求める声が強かった。子どもを安心して預けられるよう「待機児童の解消」を選んだ人は21%だった。
「長時間労働の是正」は11%。育児と仕事の両立には家事を分担する父親の存在も重要だが、長時間労働が男性の育児参加を阻む要因として意識されていることもうかがわれる。
安倍首相が呼びかけている「指導的地位に就く女性の割合を増やす」は6%。政府は、配偶者控除制度の収入制限が女性を専業主婦やパート勤務に押しとどめているとの考えから制度の廃止も検討しているが、「配偶者控除の撤廃」を選んだ人は5%だった。
政府は家族間の支え合いを促そうと3世代同居住宅の整備を「1億総活躍プラン」に盛り込む方針。調査で「最も暮らしたいと思う住まい方」を尋ねたところ 「2世代世帯(親と子)」36%▽「3世代世帯(親と子と孫)」32%▽「1世代世帯(夫婦だけ)」22%▽「1人世帯」5%−−の順となった。20〜 40代では「2世代」が5割、50代以上では「3世代」が4割近くを占め、年代層が上がるほど3世代同居を望む割合が増える傾向にある。
人口減少は都市部より地方で深刻だ。「地方創生」の取り組みとして首都圏の中高年層に地方移住を促す政府方針については「賛成」が35%で「反対」の23%を上回った。ただ、40%が「わからない」と答え、国民の間に理解が広がっているとは言い難い。
■不平等感、7割超
現在の日本では、どのような境遇に生まれ育っても、社会的な地位や経済的な豊かさを得るチャンスは平等にあるのだろうか。調査では、「平等にはない」との回答が72%に達し、「平等にある」の27%を大きく上回った。 では、将来の日本はどうか。子どもや孫の世代になったらとの質問にも「平等にはない」72%、「平等にある」26%。現在、将来のいずれについてもほぼ同じ回答結果となった。
「現在、平等にはない」と思う人のうち95%は「将来も平等にはない」と回答。一方、「現在、平等にある」と答えた人のうち、「将来も平等にある」と思う人は86%だった。「格差の拡大」が指摘される中、「格差の固定化」を懸念する人も多いようだ。
戦後の高度経済成長を経て、一時は「1億総中流社会」が流行語にもなった。調査では、日本社会を五つの層に分けた場合、自分がどの層に入ると思うかも質 問。「中の下」が最多の37%で、「下の上」24%、「中の上」19%、「下の下」6%、「上」1%だった。「中の下」は前年から4ポイント減ったもの の、「中の上」と「中の下」を合わせた「中」の層に過半数が入る傾向は変わっていない。
一方、10年後の日本が今より住みやすい国になっていると「思う」との回答は10%にとどまり、「思わない」が59%と過半数を占めた。「思わない」は 前年より8ポイント減ったものの、「思う」は1ポイント増の横ばい。10年後という近い将来に対して悲観的な人が6割前後を占める傾向は2013年の調査 から変わっていない。
日本が抱える社会問題や政策課題を15項目列挙して不安に思っているものを複数選んでもらったところ、「年金」を選んだ人が81%と、3年続けて最も多 かった。次いで「医療」50%▽「自然災害」47%▽「巨大地震」46%▽「地球温暖化・異常気象」44%▽「原発・エネルギー」39%▽「所得」 36%−−など。安倍政権は「税と社会保障の一体改革」として17年4月に消費税率を現行の8%から10%に引き上げる予定だが、年金・医療などの社会保 障に対する不安はなお大きい。
格差拡大の懸念に将来への不安が重なり、「機会均等」という民主主義社会の根幹に対する信頼が揺らいでいると言えそうだ。
■「家族」で増す幸福感
人生における「幸せ」とは何か。最も重要だと思うことを五つの選択肢から挙げてもらったところ、「健康であること」が 51%で最多。続いて「家族や友人がいること」が19%、「暮らしていけるお金があること」が18%で並んだ。「生きがいや夢中になれるものがあること」 は8%、「社会的地位や評価があること」は1%にとどまった。
生活の基礎となる健康と経済力があり、家族や友人と支え合って生きていけたら−−。そんな人生観が調査結果からは浮かぶ。 年代別に見ると、高齢になるほど「健康」の割合が上がり、若い層ほど「家族や友人」を重視する傾向が表れた。20代は4割が「家族や友人」を選び、「健 康」は2割。60代以上は「健康」が6割を超えた。40代は4割が「健康」と答える一方、4人に1人が「お金」を選び、子どもの教育費や住宅ローンに悩む 中年層の悲哀もにじむ。
性別で目立った違いはなかったが、子どもの有無で意識差が見られた。子どもがいる人では「健康」が57%。これに対し、いない人では「健康」が35%に 下がり、「家族や友人」24%、「お金」20%、「生きがいや夢中になれるもの」16%と分散している。子どもの健康な成長を願う気持ちが「幸せ」の感じ 方にも影響しているのかもしれない。
では、現実に幸福と感じているのかどうか。「ある程度、感じている」が66%を占め、「大いに感じている」の9%と合わせて7割以上が幸福感を持って暮 らしている。「あまり感じていない」は21%、「全く感じていない」は3%。2013年の調査から傾向は変わらない。
世帯構成で見ると、1人世帯では幸福と感じている人が6割強にとどまる一方、1世代・2世代・3世代世帯では8割前後に上り、家族の存在が幸福感を増す傾向がうかがわれる。
今の生活に「ある程度、満足している」との回答は58%で、「大いに満足している」の4%と合わせると6割を超える。「あまり満足していない」は 29%、「全く満足していない」は8%。生活に満足している人の96%が幸福と感じ、満足していない人の59%は幸福と感じていない。
世帯収入が多いほど生活満足度も上がる傾向にある。幸福を実感しながら生活できるかどうかには、家族の存在と経済力が深く関係していると言えそうだ。
■同性婚 世代、性で意識差
注:省略
■主な質問と回答
◆あなたは今の生活に満足していますか。
全体 前回 男性 女性
大いに満足している 4 (7) 5 4
ある程度、満足している 58 (58) 55 61
あまり満足していない 29 (28) 32 27
全く満足していない 8 (7) 8 8
◆あなたは現在、どの程度幸福と感じていますか。
大いに感じている 9 (12) 7 11
ある程度、感じている 66 (64) 65 67
あまり感じていない 21 (20) 24 18
全く感じていない 3 (3) 4 3
◆10年後の日本は今より住みやすい国になっていると思いますか、思いませんか。
思う 10 (9) 13 7
思わない 59 (67) 60 57
わからない 31 (23) 26 35
◆今の日本社会を以下に挙げる五つの層に分けたとすると、あなた自身はどれに入ると思いますか。
上 1 (2) 2 1
中の上 19 (18) 19 18
中の下 37 (41) 37 37
下の上 24 (23) 27 22
下の下 6 (5) 7 6
わからない 10 (10) 6 13
◆あなたは、近所の公園や電車、バスなどでの子どもの声は騒音だと感じますか、感じませんか。
騒音だと感じる 7 (10) 7 6
騒音だとは感じない 71 (69)74 69
どちらともいえない 20 (19)17 22
◆あなたの世帯では、去年の今ごろと比べて、ひと月に使うお金が増えましたか、減りましたか。
増えた 41 (48) 38 44
減った 19 (22)18 20
変わらない 38 (29)42 35
◆あなたの「幸せ」にとって、最も重要なのは次のどれですか。
健康であること 51 48 53
暮らしていけるお金があること 18 18 18
家族や友人がいること 19 19 19
社会的地位や評価があること 1 1 0
生きがいや夢中になれるものがあること 8 11 5
◆東京都の渋谷区と世田谷区は、男性同士、女性同士の同性カップルを公的に認める制度を作りました。あなたはこの制度を評価しますか、評価しませんか。
評価する 42 36 48
評価しない 26 35 19
わからない 29 26 31
◆日本がかかえる社会問題や政策課題の中で、あなたが不安に思っていることがらを選んでください。(いくつでも)
就職 25(27)23 27
失業 21(22)20 22
所得 36(40)38 34
年金 81(85)80 81
医療 50(49)48 51
教育 26(27)25 27
治安 31(29)29 32
1人暮らし 22(24)23 21
インターネット社会 26(24)22 29
原発・エネルギー 39(41)39 38
地球温暖化・異常気象 44(50)39 49
巨大地震 46(47)40 50
自然災害 47(45)42 51
外交 26(25)30 22
憲法改正 33(24)32 35
その他 3 (3) 3 3
◆あなたが最も暮らしたいと思う住まい方を選んでください。
注:省略
◆少子高齢化で、15歳から64歳までの生産年齢人口は年々減少していきます。今後、国内の労働力を確保していく上で、あなたは何が最も有効だと思いますか。
出生率の向上をはかる 37 40 34
外国からの移民を増やす 3 4 2
仕事を持たない人の雇用を促す 47 44 49
仕事を持っている人の生産性を上げる 6 6 7
その他 3 2 4
◆女性が働きやすい環境をつくるために、政府や企業の取り組みとして、あなたは何が最も重要だと思いますか。
注:省略
◆政府は、地方を活性化する「地方創生」の取り組みとして、首都圏の中高年層に地方への移住を促す方針です。あなたはこの方針に賛成ですか、反対ですか。
賛成 35 41 30
反対 23 23 23
わからない 40 34 45
◆現在の日本では、どのような境遇に生まれ育っても、社会的な地位や経済的な豊かさを得るチャンスは平等にあると思いますか。
平等にある 27 30 24
平等にはない 72 69 74
◆将来、あなたの子どもや孫の世代になっても、社会的な地位や経済的な豊かさを得るチャンスは平等にあると思いますか。
平等にある 26 30 23
平等にはない 72 68 75
*一部省略
≫(毎日新聞)
*主な質問回答の合計、男女差などの数字列整合不調があります。
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