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「リアル」政治に踏み出す共産 接近する志位氏と小沢氏
http://www.asahi.com/articles/ASHDR46Q5HDRUTFK002.html
2015年12月24日05時06分 朝日新聞
「安倍一強政治」の流れを変えようと、野党が共闘に動き始めた。23日には安全保障関連法廃止を訴える市民団体が来夏の参院選に向け、熊本と石川で野党統一候補の擁立を発表。台風の目は共産党だ。自前候補の取り下げも辞さない「現実路線」に踏み出し、野党連携の歯車が回り出した。
転機は3カ月前。安保法が成立した9月19日の午後、東京・千駄ケ谷の共産党本部。党幹部を集めた中央委員会総会で委員長の志位和夫は宣言した。「国民の声に応えるため、共産党も変わらなければならない。我々は新たな戦いに入る」
その前夜、志位は国会前に詰めかけた学生らに演説。共産や民主など5党が安保法反対で結束したことを受け、「野党共闘をどんなことがあろうと発展させていく」と強調した。学生たちから「次の選挙は期待していいんですね」と声をかけられていた。
志位は中央委総会で、演説での「約束」を具体化した構想を示す。安保法の廃止を実現させるため他の野党と連立を組む「国民連合政府」だ。共闘を実現させるため、日米安保の破棄や将来的な天皇制の廃止といった他党が受け入れられない政策を棚上げした。
天皇陛下が臨席するため、従来は「戦前の議会の儀式を引き継ぐもので憲法から逸脱する」との理由で欠席していた国会開会式に来年は出席することも24日に発表する。志位は言う。
「我々はウルトラリアリストになった」
「リアル」な政治に踏み出した志位が水面下で会談を重ねていた人物がいる。小沢一郎だ。率いる生活の党と山本太郎となかまたちは衆参計5議席にすぎないが、巨大与党に対抗する策を練っていた。
新進党、自由党、民主党……。自民党の対抗軸を模索し続けてきた小沢一郎。2大政党の「外側」から自民打倒をうかがう志位和夫。対照的な2人は、ある選挙を契機に急接近する。
「仮に戦争法(安保法制)が成立した場合、その後の戦いが重要ですね」
8月19日、盛岡から東京に戻る東北新幹線の車中。乗り合わせた共産党委員長の志位が語りかけると、生活の党と山本太郎となかまたち代表の小沢はこう応じた。「野党がバラバラではいつまでたっても自民党に勝てない」
この日、2人を含む野党5党首は小沢の地元・岩手で共同会見し、翌20日告示の県知事選での「共闘」を宣言。自民は独自候補の擁立を断念し、小沢側近で現職の達増拓也が無投票で3選を決めた。
自民を不戦敗に追い込むカギになったのが、これまで原則すべての選挙で独自候補を立ててきた共産も民主などと足並みをそろえ、支援に回ったことだ。小沢は「共産が自民を利してきた」と説き、協力を取り付けた。岩手での連携を機に、参院選での野党共闘を模索する志位は、小沢と度々意見を交わすようになる。
※続き 文字お越し
安保法をめぐる与野党攻防が最終盤を迎えた夏の終わり、志位は再び小沢とひそかに会談。9月に発表する国民連合政府の概要メモを事前に見せた。小沢の持論、野党勢力が選挙で結集する「オリーブの木」と重なる内容が盛り込まれていた。「これはいい」。一読した小沢は満面の笑みを浮かべて、謝意を示した。
「よく決断してくれた。この年になって、志位さんと一緒に政権取りができるとは思わなかった」
9月19日の共産党中央委員会総会。志位が提案した国民連合政府の構想に異論は出なかった。「すでに立てている候補者は?」「複数区はどうするのか」といった質問は出たものの、中央委員ら約200人が賛成。場内からは「よし!」とかけ声が響いた。
共産にとって野党共闘はバラ色の面ばかりではない。第2次安倍政権が発足して以来、国政選挙で躍進を続けている。党内には「単独で戦っても共産党は議席を伸ばせる」との見方もある。
だが、志位ら党幹部は、勢いがあるからこそ、共闘を持ちかけるチャンスは今しかないとみる。維新の党の分裂もあり、共産の衆参の議席は計32人でいずれも野党第2党。副委員長の市田忠義は12月5日の講演で言った。「一定の議席がある党が提唱しているから、相手も耳を傾けてくれる」
志位は重い政治判断をする際、自宅でピアノに向き合い、思いをめぐらせる。野党共闘に踏み切ると決めた時に弾いていたのは、ドイツ・ロマン派の巨匠シューマンの作品だった。9月28日、小沢との党首会談で、志位はこう頼んだ。
「私たちは政権を取ったことがない。いろいろと教えて下さい」
共産が「柔軟路線」にシフトする背景には、東西冷戦終結後の90年代以降、党勢が衰え続けてきた経緯がある。機関紙「しんぶん赤旗」の読者数や党員数は減少に転じ、支持者にも高齢化が目立つ。96年には小政党に不利な小選挙区比例代表並立制が導入され、自民への批判票は新興の民主に奪われた。
「頑固だと嫌われていた」(党幹部)という共産にとって、無党派層への浸透が課題になっていたことも、安保法廃止の一点共闘をめざす「国民連合政府」構想に結びついた。
共産の呼びかけに、野党第1党・民主が出した答えが野党統一候補だ。23日、熊本と石川で安保法に反対する市民団体が候補擁立を発表。幹事長の枝野幸男は東京・渋谷で記者団に「新しい民主主義のステージ」と期待感を示した。来夏の参院選に向け、全国の10選挙区程度で調整が進む。
市民団体が主導する形で統一候補を立てて各野党がそれぞれ支援すれば、表向きは民主と共産が直接協力し合う形ではなくなる。
一方、統一候補を検討する選挙区以外では、双方が折り合える見通しは立っていない。民主は統一候補を立てない選挙区について、共産が自前候補をおろすことを求めつつ、民主候補への積極的な応援も認めない方針。共産は全面的な選挙協力を実現させ、共闘する各党が候補を応援し合うべきだとして「1+1を3にも4にもしなければ意味がない」と主張する。
民主が協力に消極的なのは、党内に「共産アレルギー」があるからだ。元代表の前原誠司が「共産党はシロアリみたいなもの」と述べるなど拒否感は根強い。国政・地方選で独自候補を立て続けてきた共産には、「選挙で足をひっぱられてきたうえ、国会でも採決などで歩調を合わせず、簡単に信頼はできない」(民主幹部)との声も漏れる。
共産の動きを後押しする小沢も、志位にこう伝えている。「『共産党も政権に入りたい』なんて言ってはだめですよ。閣外協力でいいというのが大事なんだ」
野党共闘で、与党優位の構図を塗り替えることができるか。先行きはまだ定まっていない。=敬称略(星野典久)
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