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塩野七生氏インタビュー「安倍首相にやりたいだけ、10年はやらせろ」に欠ける近代立憲主義。
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/486.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 22 日 16:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

塩野七生氏インタビュー「安倍首相にやりたいだけ、10年はやらせろ」に欠ける近代立憲主義。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a587478cc548362a62d8464580b701d2
2015年12月22日 Everyone says I love you !



塩野七生さんという作家はご存知でしょうか。


 中世ローマなどに題材をとった作品でもう30年以上もベストセラー作家の地位にあり、このたび、御年78歳で最新作『ギリシア人の物語I 民主政のはじまり』(新潮社)を書き上げたということで、安倍首相をべた褒めする放言インタビューが日経に載っていました。



ギリシア人の物語I 民主政のはじまり
塩野七生著
新潮社
あのローマ人の偉大なる先人たちを描く、鮮烈な新シリーズの幕開け! 古代ギリシアの民主政はいかにして生れたのか。そしていかに有効活用され、機能したのか。その背後には少ない兵力で強大なペルシア帝国と戦わねばならない、苛酷きわまる戦争があった――。累計2000万部突破のベストセラー『ローマ人の物語』の塩野七生が、それ以前の世界を描く驚異の三部作第一弾!


 いや、一見、安倍首相は説明が下手だとか、男として好みじゃないとかエクスキューズもあるんですよ。


 でも、イギリスのサッチャーもブレアも10年政権をとった、10年やらせてみないとわからない、それどころかやりたいたけやらせてみたらなどというのです。


 想像するだけで怖いわ。



 で、この方、民主政・民主制の原始型であるギリシャについての本を書きだしたばかりなのに、安倍首相を評価するこの長いインタビューの中に一回も民主主義という言葉が出てこないのです。


 これではローマ皇帝たちのことを描いていた時と全く変わりません。


 安全保障は統治者が決めることとか、パクス(平和)を達成するには抑止力が必要だという話ばかりで、質問する側の日経も、この人も一度も憲法という言葉を出さないのです。



 長い古代、中世を経て、やっと近代革命で立憲主義憲法ができた、憲法で国家権力の手を縛る立憲主義の原則を踏みにじったから、安倍首相の集団的自衛権の行使容認や安保法案が問題になったのに、立憲主義を問題にしない。


 民意が世論が反対していたのにそれを無視したから民主主義違反だと問題になったのに、それも言わない。


 まるで、塩野七生ワールドだけは数千年前の古代から、何一つ変わっていないかのようです。


 そもそも、ギリシャの民主政って奴隷制が前提でしょ。 


 曽野綾子氏以来の「老害」という言葉が頭に浮かびました。



産経新聞で日本への移民にアパルトヘイト(人種隔離)を主張した曽野綾子氏は悪あがきをやめて引退すべき
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/845b7c68efc885c401bc14f17de48539


老人だから老害だっていうんじゃないですよ。


昔のことで今を語るから老害なんです。


作品は面白くて文章がうまいからご紹介しますが。




ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)
塩野七生著
新潮社
ローマ人の物語ローマ誕生、王政から共和政へ。


前753年、一人の若者ロムルスと彼に従う3千人のラテン人によりローマは建国された。7代続く王政の下で国家としての形態をローマは整えてゆくが、前509年、共和政へ移行。その後、成文法制定のために先進国ギリシアへ視察団を派遣する。ローマ人は絶頂期のギリシアに何を見たのか—— 。比類なき大帝国を築きあげた古代ローマ。その一千年にわたる興亡の物語がいま幕を開ける。



海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)
塩野七生著
新潮社
ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史が今、幕を開ける。「ルネサンス著作集」中の大作、待望の文庫化、全六冊。


「安倍首相、やりたいだけやらせては」
塩野七生氏が語る世界と日本(2)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO95103560U5A211C1000000/?dg=1
(1/3ページ)
2015/12/21 6:31 日本経済新聞


 『ギリシア人の物語I 民主政のはじまり』(新潮社)を書き上げた作家、塩野七生さんへのインタビュー2回目は、日本の安全保障などについて聞いた。


 ――塩野作品には安全保障にかかわる記述がしばしば登場します。安全保障とは結局何でしょうか。日本で今年成立した安保法制をどうご覧になっていますか。



しおの・ななみ 1937年東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒。68年に執筆活動を始めた。82年に『海の都の物語』でサントリー学芸賞、83年に菊池寛賞を受賞した。92年から長編『ローマ人の物語』に着手。99年に司馬遼太郎賞に輝き、歴史研究と歴史小説の両分野にまたがる新たな分野を切り開いた。06年に第15巻でシリーズが完結した。このほど最新作『ギリシア人の物語I 民主政のはじまり』(新潮社)を書き上げた。イタリア在住。78歳



 「デロス同盟(ペルシャ戦役後のギリシャ都市国家同盟)というのは、多国間で一緒になって安全保障をしましょうという目的でできたものです。一方、ペルシャ帝国にはそんな同盟は一切ない。その後のアレキサンダーもローマ帝国もそんなことは考えなかった。つまり『一緒になって力を合わせて安全保障をしましょう』という同盟の考え方は超大国からは生まれないのですね。日本も中小の国々のひとつだから、同盟による安全保障は当たり前な話であって、ヨーロッパでは安倍晋三首相の安保法制は全然問題になっていない。問題にならないどころか、『当然』という感じで受け止められています。中国だってほとんど何も言っていないんじゃないですか」


 「中国は『一緒になって安全保障しよう』なんて言わない。そういう中国に対抗するには、中小国が集まって、アメリカが後ろ盾になる安全保障を考えればいい。中国が脅威的存在にならなければ、これほどの必要性はなかった。かつてソ連があったときと似た構図です。つまり同盟は強大な敵があるからなのです。今の中国はまだ超大国ではないが、超大国になりたいと思っている国であることは確かです」


■安定、安全の実現は統治者の務め


 ――政権に返り咲いて約3年の安倍首相の政権運営をどう見ていますか。


 「前回(2013年秋)の日経インタビューで『2度も首相としてチャンスをもらい、それで何もしなかったら政治家でないだけではなく、男でもない』と言いました。そうしたら安倍さんは発奮されて『チクショー、絶対にやってやる』となったのではないですか。安倍さんに批判的な人は『塩野さん、なぜ安倍首相を応援するのですか。彼には健康上の理由があるし』と言う。でも、健康上の理由なんぞは奥さんとお母さんが心配すればいい話です。我々国民が心配することではない。むしろ安倍さんにはやりたいだけやらせたらいいと思っています」


 「それからギリシャの政治家、ペリクレスにしても、その統治は30年も続いた。安定ということは、すごく大きいです。人間というのは決してバカではありません。安定、安全であれば、何とか適度に自分たちでやれる。しかし、安全だけは統治者が実現しなければならない。だからルネサンスの時代のフィレンツェでも、メディチ家が僭主(せんしゅ)になって安定を築き、そこにルネサンス文明というか、フィレンツェ文明が花開いた。ベネチア共和国というのは経団連が統治したような国だと思いますが、その経団連が中小企業の保護をしたのです。だから社会が安定した。そのため商売はうまくいき、文化もうまくいった。安定は本当に大切です。だからパクス・ロマーナは大切だったのです。安定というよりは、パクスと言いましょう。平和です」


■政権、10年は続ける必要


 「私は、そんじょそこいらの平和主義者よりかはよほど平和主義者だと思っています。しかしパクスを実現するには、やはり抑止力とかの諸々の力が必要です。だから安倍さんの今の状態は良いと思う。ただし、あの人は説明のやり方が下手だった。安保法制についても説明が十分でなかったのではなくて、はっきり言うと、話し方が下手だったということです。アンチ安倍の人から『安倍晋三という男をあなたは好きですか』と聞かれたから、『まずもって私の好みの男じゃない』(笑)。だけどそんなことは関係ないことです。私は日本が良くなってほしいと心から思っています。今やりますと言っているのが彼なんだから、やってもらいましょうよ、とただそれだけ。もし彼がダメだったら次の人にやらせたらいい。だけど以前のように首相が1年1年で交代するのはいけない。絶対にいけない。あの状態では日本人は何もできなくなりますから」



塩野氏は「首相が1年1年で交代するのはいけない」と語る


 「英国のサッチャー首相は10年続いた。ブレア首相だって10年続いた。つまり10年は必要だと思う。10年続けばおそらく日本人でも何かやりますよ。今のイタリアで中道左派政権のレンツィ首相がやろうとしていることもすごいですよ。まず上院を事実上なくしました。上院議員は選挙では選ばれないことになった。つまり、ねじれ現象が起きない。重要案件を決定する権利は、イタリアの上院にはない。だけど上院の建物は残しました。上院議員は誰がやるかというと、地方都市の市長などです。その人たちには上院議員としての給料は与えない。彼らはすでに市長の給料をもらっているのだからそれでいいだろうと。だから、レンツィ首相は事実上、議会を、一院制にしてしまったのです。これで、ねじれ現象が解消し、2番目には政策決定の時間の短縮につながった」


 「この間、日本人から聞かれたのだが、『レンツィ首相が来日した時に、安倍首相と意見がみな合致したが、なぜか』と。私は『当たり前じゃないの』と言いました。中道左派政権と中道右派政権なんていうものは、もうない。レンツィ首相がやろうとしているのは、(緊縮路線の)メルケル独首相の北ヨーロッパとは反対の道です。つまり成長路線に変えたい。安倍さんのアベノミクスもそれでしょう。安全保障の面では、イタリアは海外派兵を1万人くらいやっている。海外派兵を決めるときはイタリアでも国会が承認する必要があります。そのときには必ず野党まで一緒になって協議している。そうしないとヨーロッパの一国としてやっていけないから。安倍さんは中道右派のはずだし、レンツィは中道左派ですが、そんなことは関係ないのです。ただし、レンツィは40歳というところはあるかもしれない」


 「いま日本で河野太郎氏が担当している行政改革相は、イタリアでは女の子が務めています。安倍さんは、『レンツィ首相は閣僚の半分が女で、よくやれますね』と言ってますが、彼女たちはそれがみな奇麗で、しかも若さがある。重要なところは平然と『女よ』と言えるところ。なぜやれるのかといったら、ベテラン男性を副大臣にしているからです。イタリアの男は美人の若い女を前にするとなんでも喜んでやっちゃいますから。というわけで今、レンツィ首相の話自体が面白いというところもありますが、イタリアで政治番組を見るのが面白くなっています。今や彼が出ると必ず視聴率が上がるらしい」


 ――小泉純一郎首相もテレビに出ると視聴率が取れたらしいです。


 「でも、小泉さんはいつも起承転結の起しか言わない人だった。安倍さんは長々と話していると、聞いているほうもわからなくなるけど自分もわからなくなるところがある。それから、外交交渉では主導権は絶対にこちらが持たなくてはいけないが、この大事なことを安倍さんは忘れたりする。でもヨーロッパでは安倍さんはなかなか評判がいいですよ。それからもうひとつ、これは指導者の条件ですが、安倍晋三という男は決して貧相ではない。これはやはり大切な点です。言うことはなんだかわからないところがあるけど、かわいいところがある。一生懸命やろうとしているのは確かです。『男でない』と言われて発奮したんだから。政治のリーダーは美男である必要はないのです。でも明るい顔である必要はある。レンツィだって、トスカーナ風のかわいい顔をしていますよ」


■心躍らされる主張のない女性政治家


 ――安倍政権は女性活躍を看板政策としています。すぐに成果を上げるのは難しく、日本では初の女性首相もまだ見えてきません。


 「女の人は、男社会だと言って文句を言う。しかし抗議するのにもエネルギーがいる。人間にはだいたい一定のエネルギーしかないから、抗議するのにエネルギーを使ってしまうと、創造するエネルギーがなくなってしまう。これが日本の多くの有識の女たちのありさまです。だから次期首相だって女だからダメだっていう訳では全然ないのだけれど、心躍らされるようなはっきりした何か、こっちの注意を引くような主張を言わないといけない。しかし、いまの女性政治家にはそれを言う能力が感じられません。まあ安倍さんにもあまりありませんけれど(笑)」


 ――日本の野党リーダーは優等生タイプが多い気がします。


 「やっぱり辛気くさいのはダメです。だって世の中、全部辛気くさい話ばかりなのに、リーダーまでも辛気くさい顔をしていたらやる気が起きますか。野党の政治家もやはり自分が能力を発揮するチャンスを逃してはいけない。安倍さんはもう後はないのだから、変なことを考えないでやってもらえばよいわけです。私はそういうように見ています。でも日本でこんなことを書いたら、やはりお金を稼ぐにはちょっと具合悪いし、有識者とも呼ばれないし、というわけで、昔の西洋の話を書いているのが楽だという話です」


(聞き手は、伊奈久喜特別編集委員、坂本英二編集委員)



安倍首相の指導力への評価は 作家 塩野七生氏に聞く
時論
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDE27002_X21C13A1000000/
(1/2ページ)
2013/12/1 3:30
日本経済新聞 電子版


 世界では経済政策や安全保障などを巡って先進国や新興国が激しくせめぎ合う場面が増えている。内政や外交の難しい課題に取り組むためには、国を率いる指導者の資質や手腕が重要な要素となる。作家の塩野七生さんに、日本がおかれている現状や内外の政治家への評価などを聞いた。


■「真のエース」へ正念場続く



塩野七生(しおの・ななみ)氏 11937年東京生まれ。学習院大学卒。イタリア滞在の経験を踏まえ、68年に執筆活動を始めた。長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で70年度の毎日出版文化賞。『海の都の物語』でサントリー学芸賞、菊池寛賞を受けた。
 92年から長編『ローマ人の物語』に着手し、1年に1作のペースで刊行。司馬遼太郎賞に輝き、歴史研究と歴史小説の中間に位置する新分野を切り開いた。2006年に15巻でシリーズが完結した。
 その後『ローマ亡き後の地中海世界』『十字軍物語』を発表。このほど13世紀の神聖ローマ帝国の君主を描いた『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』を書き上げた。76歳。


 ――イタリアに住んでいて日本はどう映りますか。


 「久しぶりに帰って来て感じたのは、日本がエースで勝つようになったということ。トヨタ自動車とか日立製作所とかがよくなってきた。安倍晋三首相はみんなと一緒に1度会っただけでよく知らないけどやはりエース。エースで勝つと一番いいし、座りがいい」


 ――安倍首相はエースと言えますか。


 「エースとはどういうものか。プロ野球、楽天の田中将大投手は(日本シリーズ最終戦の)前日にやられてしまった。チクショーと思ったに違いない。もし(再登板を)志願しなかったらエースはちょっと傷ついていた。それで最後に三振で打ち取る。この気合だ」


 「安倍さんがこれからそうなるかどうかは彼次第。エースを中心にして前進するのが、確実な『ジャパン・イズ・バック』。安倍さんはまだ三振で打ち取っていない。だから『帰ってきたエース』になってくださいと言いたい」


 ――経済政策「アベノミクス」の評価は。


 「ようやく日本が動き出した。イタリアの朝のテレビで日本のニュースというと福島の原発事故で(放射性物質が)漏れたとかそれくらいで、各国の株式市場が映っても香港とか上海が中心で日本はなかった。このごろ、ニッケイ(日経平均株価)が出てきた」


 ――日本が大きく右傾化したとか、一部には正確でない情報もあります。


 「ジャーナリストは基本的に左派だ。(海外メディアは)日本のことを本当に知って報道するのではなく、中国とか韓国の新聞を読みながら日本を見る。失礼ながら日本のメディアの発信力が全くない。有名な国際メディアだから必ずしも正しい報道をするとは限らない、と外国に住んでいて身にしみて感じている。社名では絶対に読まない」


 ――異質な価値観をもった近隣の国と付き合っていくうえで、歴史に学ぶべきところはありますか。


 「近隣国と仲良くあるべきだというのは日本人だけだ。近隣とは常に問題があり、摩擦が起きないという方がおかしい。日本人はこれからも絶対の友好はないのだと思えばいい。しかし近隣国ゆえの突破口はある。それは経済関係がより密であるということだ」


 「『十字軍物語』の最後で十字軍の運動は西洋側、キリスト教側が負けた。しかし本当の勝者は誰か。イスラムの経済人たちは200年間で西洋の市場の有効性に目覚めた。経済的にくっついてやっていた方が得であったと。そしてベネチアとかジェノバとかの経済人が戻ってくる。決裂した関係が戻ってくる」


 「(中韓両国とは)政治的な関係改善を急がない方がいいと思う。イスラムとキリスト教の価値観の違いは、中国や日本に比べるとものすごく大きかったはずだ。それでもなお(関係修復が)できた」


 ――政界を引退した小泉純一郎元首相が最近、脱原発で積極的に発言しています。


 「小泉さんはお辞めになった後に会ったことがある。どうして辞めたのか聞いたら『僕は疲れちゃった』と。もう時効だから言ってもいいと思うが、『首相の当時は時々、夜にがばっと起きるときがあった。今はそういうことがなくなって熟睡しているよ』と言っていらした」


 「私の無責任な見方から言えば、小泉さんは熟睡に飽きちゃったのだと思う。彼はこの間まで『イタリアでオペラを見たことがない』と言っていたから、いらしたらお連れする。熟睡するのに飽きちゃったようだから(笑)。もう一つ言いたい。粋な男は焼けぼっくいに火をつけないこと。やめると言ったらやめる」


 「(原発は)大変な問題だから科学者に徹底的に話させるべきだ。日本への不満は、我々は福島で絶対的な安全はないと学んだはずだ。それなのに原発再開にまた絶対安全を求めるのは論理的におかしい。ただ科学者に決める権利はない。意見を聞いてお勉強して、最後は投票で委託された政治家が決めるべきだ」


■改革者は必ずぶつかる



 ――新作『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』で訴えたかったものは何ですか。


 「書いている時は、日本の役に立つとか、リーダー像なんかは考えない。中世にこういう男がいたということを知ってもらいたい。ヨーロッパの中世研究の傾向は、キリスト教会とケンカしない人がいいとなる。彼はその反対だ」


 ――歴史に名を残すリーダーはケンカしないといけないということですか。


 「改革をすれば必ずぶつかる。ぶつからない人はその時はいいかもしれないが、後世には何の影響もない。良い人の生涯を書くと時代が描けない。あちこちで周囲とぶつかる人を書くと、何で、誰とぶつかったのかで、その時代が描ける。どうしていま書くかは実に私の問題だ。ずっとルネサンスを書いて、古代ローマを書いて、その間に1000年あいている。それを埋める最後の作品。これで中世は終わりだ」


 ――当時のイスラム圏は西洋より科学技術的、文明的に進んだ面があったと。


 「実際にそうだ。イスラム圏の学者たちが『十字軍の後に西洋はルネサンスに入っていった。なのに自分たちはなぜ停滞したのか』という問題を提起している。イスラム世界は工業よりも商業。しかし商業はなかなか職をうまない。職を与える社会、政治が成功するのであって職を与えるのに失敗したら成功しない」


 「今のイスラム世界も同じ。原材料を輸出している。オイルもガスも技術者を呼んで、動かすのはその国の高学歴者じゃなくてもいい。職を保証する社会づくりを忘れたのがジャスミン革命の始まりで、宗教的でも何でもない。9.11の米同時テロを指揮したのは、みんな高学歴者だった」


 ――フリードリッヒ二世は反逆児ゆえに、イスラムとの和解を成し遂げたように思います。


 「彼は要するに自分の頭で『これっていいわけ?』と疑問を持つ。人間の発展はシンプルで疑問を持つことだ。疑問を持たない人はいかに大学の成績が良くても、それはただ学校の成績がいいということだけ」


 ――今の世界のリーダーでフリードリッヒ二世と似ている人はいますか。


 「アイルランド問題を解決したトニー・ブレア元英首相。パレスチナ問題も託されたが、あれは気の毒だった。(フリードリッヒ二世は)丸腰で交渉に臨んだのではない。いざとなったら軍事力で交渉したから成功した。ブレアはパレスチナ問題を託された時にいかなる経済的、軍事的、政治的権力もなかった」


 「私はリーダーを見るときに自分がよしとする型にはめない。絶対オーダーメードだと思っている。安倍さんはブレアのように敵をも味方にする説得力はない。なくても、ブレアが持っていなかったものを持っている。それは現在、(先進国の議会で)民主的に絶対多数を持っているということだ。オバマ米大統領やメルケル独首相を見ても、イタリアなどを見ても他の国に1人もいない」


 「安倍さんは民主的に権力を持っている。2度も(政権を率いる)チャンスをもらい、民主的な方法で絶対多数をもらった。そこでおじけ付いて何もしなかったら、政治家でないだけではない、男でもない」


 ――フリードリッヒ二世は女性関係もなかなか面白い。安倍首相には「家庭内野党」を自称する妻の昭恵さんがいます。


 「彼女のインタビューを見ていて、この人はなかなか頭のいい人だなと。そして安倍晋三さんにとっては、とても適した奥さんじゃないかなと思う。非常に率直な方であると同時に、旦那様のことを笑いながら話しているが、これが決して人格を低めることにつながっていない」


 「今までとは違うが、なかなかいい奥さんじゃないかと思う。あんまりベタベタとあちこちの外遊について来ないし。首脳が深刻なことを話すのに、奥さんがちょろちょろくっついてくるのは状況にふさわしくない。あの方は頭のいい、賢い女の子ではないか」


■「旦那タイプ」から期待込めエースに


 18日発売の「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」は、ローマ法王から3度も破門された男の物語だ。十字軍に行き、イスラムとの和解もなした。チェーザレ・ボルジア、ユリウス・カエサルにほれ込んだ筆で、中世に生きながら中世的なキリスト教原理に反逆した男を描いた。歴史に現れるいい男たちを書き続けてきた作家の目に、現代の日本と世界はどう映るのか。7年ぶりに聞いてみた。刺激的な言葉が次々に飛び出した。


 なかでも面白かったのは小泉純一郎元首相への発言だ。「熟睡に飽きちゃった」には思わず膝を打つ。「粋な男は焼けぼっくいに火をつけない。やめると言ったらやめる」は男の美学だろう。「粋な男」の反応が聞きたい気がする。


 安倍晋三首相への見方は変わった。7年前は「旦那様にするにはいいタイプ」と突き放したが、今回は「『帰ってきたエース』になってください」と期待がこもる。ただし「何もしなかったら政治家でないだけでない、男でもない」とも。甘い評価ではない。(特別編集委員 伊奈久喜)



 

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コメント
 
1. 2015年12月22日 16:14:06 : iH9fiZxpwr : dZG2WykY5P0[3]
この御仁の頭には、現代民主主義は
国民が主権者なのである、ということが存在していません。

あくまでこの人の「民主主義」というのは
古代の「民主主義」でしかないのです。

おそらくこの御仁、フランス革命とか
アメリカの独立戦争とかいうのは
大嫌いだと思いますよ。

アナクロとは違いますが、
あくまで古代にしか興味はないようで
その御自身の狭い価値観でしか
世界を見ることはないようです。


2. 2015年12月22日 16:14:48 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[45]

 どんなにがんばっても 資本主義は2020年に限界が来る 

 資本主義は 成長があって初めて意味のある仕組みなのだ 

 マルクスの資本論 富を作る労働者と資本家の関係は ロボットができて

 経営者は 労働者の首をきることだけだ  首を切られた社員は どうやって

 食いつなげばよいのかという命題にたして 何の指針も出されていない

 ===

 東芝の粉飾決算が公になったが 世界経済は 2014年を天井として

 経済活動は 縮小に向かっている 原油価格が値下がりしているのもご存知のとおりだ

 キリンがブラジルのM&Aに失敗した事も 主たる原因は「成長」が止まった事だ

 M&Aは 企業が大きくなる仕組みであって 成長が止まった現在 M&Aは もう古い手法になった
 
 ===

 21世紀は ベーシック・インカム 以外に 経済を動かす方法は有得ない
 


3. 2015年12月22日 16:17:34 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[46]

 アベノミクスで「笛ふけど企業踊らず」という結果に終わったのも

 世界経済の 拡大が減少に転じたという 21世紀の大問題なのだ!!

 安倍の頭で考えて どうにかなる というものでもない
 


4. 2015年12月22日 16:28:08 : ynSQvzTlvk : 6wei7eXaaho[12]

「日本人へ リーダー篇」と「日本人へ 国家と歴史篇」は随分前に読みましたがね、ピントのズレた人間ですよ、この人は。

ルネッサンス本だけ書いてりゃいいと思いますね。政治にはクチをはさまないほうがいい。


5. 2015年12月22日 16:41:52 : NveYX8dXMg : XTuuglDh9tw[1]
塩野はマキャベリを理解しているのはいいが、
カント以降の啓蒙主義を、まったく欠いているんだな。

それがなければ、今でも世界は常時戦争状態にあった。

自民党政治家も、特に菅とか、
マキャベリは読んでそうだけど、
やっぱりカントはまったく理解してなさそう。

塩野の人間精神の理解は、しょせん1500年で止まっているんだよ。
ルイ王朝とハプスブルク家の戦争、アフリカ奴隷貿易、
そして二つの世界大戦という、人類の蹉跌とそれを乗り越えるための真剣な考察。
こういうものをまったく持っていない。

アナクロだよね。


6. 2015年12月22日 16:47:33 : NveYX8dXMg : XTuuglDh9tw[2]
カント「永遠平和のために」は、啓蒙主義の粋で、
国連や戦争法、その他平和的なイニシアチブのインスピレーションの元となった。

実際、数学とコンピュータが発達してわかったことは、
カントの理想主義は、ゲーム理論に適っているということ。

それに比べてマキャベリズムは、
線形計画法で自己の最大化する発想に過ぎず、
合成の誤謬を起こして、争いを増幅させてしまう。

だいたい、塩野が好きな、チェーザレ・ボルジアもカエサルも暗殺された。
マキャベリだって失脚して不遇の晩年を送っている。

それは、彼らの思想に信頼がなく、安定性を欠くのですぐに潰えやすいのだ。
これに対し、永続する思想は、理想と相互尊重を含んでいる。

ま、基本的な学を欠く、自民党政治家や松下政経塾系、経団連の連中には、
永遠に理解できないだろうけどね。


7. 2015年12月22日 16:53:47 : MC3Dtej4S2 : W0ZRVCO5ivU[54]
国民にツケを払わせることを禁止すれば、安倍の営業は懲戒解雇に相当する。

[32初期非表示理由]:担当:関連が薄いコメントが多数につき全部まとめて初期非表示
8. 2015年12月22日 17:55:06 : OtUeAykcYA : SHJ116kcX84[29]
> 塩野七生氏インタビュー「安倍首相にやりたいだけ、10年はやらせろ」に欠ける近代立憲主義。

「・・に欠ける近代立憲主義。」は朝鮮人の主張。

日本人から見れば
塩野七生氏インタビュー「安倍首相にやりたいだけ、10年はやらせろ」に見られる近代立憲主義。

> 憲法で国家権力の手を縛る立憲主義の原則を踏みにじったから、安倍首相の集団的自衛権の行使容認や安保法案が問題になったのに、立憲主義を問題にしない。

安倍首相は憲法改正を主張して居る。
憲法を改正すれば集団的自衛権の行使容認や安保法案が合憲になり、近代立憲主義が実現される。
憲法改正に反対する方が立憲主義に反している。

> 民意が世論が反対していたのにそれを無視したから民主主義違反だと問題になったのに、それも言わない。

朝鮮人の民意が朝鮮人の世論が反対していたのにそれを無視したから民主主義違反だと問題にするのはナンセンス。それを云うのも無意味。

>>5. 2015年12月22日 16:41:52 : NveYX8dXMg : XTuuglDh9tw[1]
> 塩野はマキャベリを理解しているのはいいが、
カント以降の啓蒙主義を、まったく欠いているんだな。
それがなければ、今でも世界は常時戦争状態にあった。

理性による思考の普遍性と不変性を主張する啓蒙思想の基に自然科学が発達し、ついには原爆が開発されて大量殺人時代を迎え、今でも世界は常時戦争状態にある。

>>5は二つの世界大戦という、人類の蹉跌とそれを乗り越えるための真剣な考察。
こういうものをまったく持っていない。

アナクロだよね。

それに反して、塩野七生氏は人類の2000年の歴史を理解して発言している。


9. 2015年12月22日 19:26:02 : hBUZQEg8uN : ggpGoLzBm9o[11]
>>6
>カントの理想主義は、ゲーム理論に適っているということ。


面白そうだね、どういうこと?
リンクや本の名前でも良いので
教えてほしい。


10. 2015年12月22日 19:49:55 : v11X7OH0q2 : 59pB9Vdulx8[1]
戦後の日本に、立憲主義なんてもともとないじゃん(笑)あるのは、つじつまあわせだけでね。でも、ご都合主義的な憲法解釈をやってこないと、今の日本はなかったね。だって、憲法を素直に読めば、自衛隊の存在さえ違憲だからね。

ま、「そういうご都合主義名な憲法解釈の積み重ねからすら逸脱している」と言う人もいるかもしれんが、旧来の憲法解釈も、それが新しくなされた当時は、同じように「とんでもない逸脱」として批判されたのよ。

こういう一国の安全保障の根幹に関わる問題は、立憲主義で縛りをかけるのは、非常に難しいと思うよ。国際情勢に常に左右されるしね。結局のところ、選挙やメディアの批判を通じて、全体としての民主的統制によってて、行き過ぎに歯止めをかけていくしかない。

他の国はみんなそうしてるのだから、70年平和国家としての道を歩んできた日本に、それができないわけないじゃない。

で爺


11. 2015年12月22日 20:03:13 : G9pRncd5P6 : kNLawzAmjgA[122]
このおばあさまに何か言わせてもだめだし、言ったことを批判しても意味ない。
だって、福島原発事故当時、すぐに「食べて応援」とか言い出した我が国の政府に疑問を感じて、福島原発周辺地域の作物を避ける人を「人情のない人でなし」呼ばわりした人だから。
御自分のお子さんが中学生くらいだった頃に起こったチェルノブイリ事故でお住まいのイタリアも一部がかなり汚染されたが、イタリア政府は一早く農作物の出荷を停めて国民を守ったことも御存知なかったようだ。(イタリア政府は「食べて応援」などと言わず、農家に補償金を払う方を選んだらしい)
こういう方は、いくら歴史作家として有名でも現実問題で頼ることは出来ない。

12. 2015年12月22日 21:00:41 : hBUZQEg8uN : ggpGoLzBm9o[12]
>>10
その意見、100%同感だ。

日本の国益を蔑ろにする
自民党なる国賊集団は
我々の手で叩き潰す
必要がある。


13. 2015年12月22日 21:16:22 : 14kkzzCqQP : 2JP_woa5YuY[1]
ただのロウバ!じゃなくローマオタク。

14. 2015年12月22日 21:56:18 : FcwNS8Q2Bc : HRf7ayOwTTk[1]
  民意を理解しないヤツはタダの暴君だ。 悪名高いネロとおなじ。 
 称賛に値するものかョ。ナナミちゃん。
 

15. FEMA入予定者[8] gmWCZIJsgmCT_JdckuiO0g 2015年12月23日 01:39:21 : 4ZB8p8EwNM : xi6i_7P0etg[12]
安倍やブレアを支持するのは、彼女が世界統一政府側だからじゃないんでしょうか。つまりお仲間では?

16. 2015年12月23日 07:13:06 : Qk0z0gVGLY : lQZkNLxHm_4[37]
国民がまともに選んだ政治家なら10年やらせてもいいと思うけど、

米国が選んだ傀儡政権の無能な政治家に10年やらせても結果は出ないと思うぞ。

それは当の米国も認識していることだと思う。

国民が、無能な政治家だとどれだけ辛い思いをするか、を体験するのには
調度いいかもな。


17. 2015年12月23日 10:59:51 : rwgORSmgTI : ySbarMWNCPU[7]
昔「三婆」と言う映画(演劇)があったが、現代のろくでもない三婆(桜井よしこ・曽野綾子・塩野七生)が跋扈するこの世の中は戦前以上に醜い世の中の到来が予測される。

18. 2015年12月23日 12:52:56 : kz35nb2wiM : rrbI7ItwNFY[18]
歴史ってのは自分の好きなように解釈できたりするから注意が必要だ。
だから黒鉄ヒロシやら武田鉄也、中途半端な歴史趣味でおかしくなってしまう。
このおばさん、歴史趣味も程々にしたほうがいいね。

19. 2015年12月23日 15:16:43 : wo1FNLaOyk : uVNViAAi@xU[69]
「戦争という麻薬」に「麻薬中毒患者並みに」中毒している、塩野七生が、禁断症状にのたうみ、ヘロイン注射を欲しがるように安倍政権に早く戦争準備をして「戦争に明け暮れて欲しいのでは無いかと感じます。日本の女性は日本会議の桜井よしこ。にしても稲田朋美政調会長にしてもとにかく戦争が好きで好きでたまらない感じ。日本の女性は戦争好きでも「金メタル」級だと思う。瀬戸内寂聴さんや吉永小百合さんはさんは平和の女神と尊敬するが「戦争好き女子」には激しい反感しかない。

20. 2015年12月23日 20:16:49 : kz35nb2wiM : rrbI7ItwNFY[19]
>「(原発は)大変な問題だから科学者に徹底的に話させるべきだ。日本への不満は、我々は福島で絶対的な安全はないと学んだはずだ。それなのに原発再開にまた絶対安全を求めるのは論理的におかしい。ただ科学者に決める権利はない。意見を聞いてお勉強して、最後は投票で委託された政治家が決めるべきだ」

しっかしいったい何なんだこの論理?
事故前に絶対安全を叫んでいたのはどっちだ?
事故後に絶対がうそだと学んだと思ったら、今度は開き直って絶対はないからと基準を甘くするってのか?
絶対を信じ込まされていざ事故にあったらそれは当たり前のことのように負担を受け入れさせる。
要するに国策だからとあたかも戦艦を惜しんで民間船舶やら民間人を犠牲にした過去に習って今度は原発を惜しんで国民を犠牲にするというわけか。
この人命軽視の思想を当然として疑うことのない塩見、安部周辺は皆似かよっている。


21. 2015年12月23日 20:31:06 : PatCAjlV8I : OM4cNIEpki8[10]
民主主義とは資本主義

[32初期非表示理由]:担当:アラシ
22. FEMA入予定者[9] gmWCZIJsgmCT_JdckuiO0g 2015年12月23日 21:27:14 : 4ZB8p8EwNM : xi6i_7P0etg[13]
現在のギリシャなど、国際金融資本にはめられて経済危機に陥っているではないか。国際金融資本の手羽先の阿部に首相をさせていたら、日本も明日は我が身である。(えっ?日本も、もうガタガタだって?)
中国だって、国際世論を配慮せずに、一方的に攻撃してくるような無謀なことはしないだろう。(米国戦争屋は、日中戦争を願っているらしいが。)それより、安保法で自衛隊が中東に派遣されてしまう方が危険である。(偽イスラム国は、米国戦争屋がシリアを傀儡国家にするための手羽先だし。英軍や仏軍は、わざと誤爆を続けているし。)塩野婆さんは、情報不足で現状認識が出来ないか、国際金融資本の手羽先だな。

23. 2015年12月23日 21:54:02 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[67]
  日本は大統領制と全く違い、国のトップとして相応しいか、考え方はどうか、リーダーシップはどうか、などと吟味して首相を国民が選んでいる訳では無い。
  たまたま多数の議員を抱えた政党の党首であった、というだけであり、誰も安倍氏に首相になってもらいたい、と思って総選挙で投票した訳では無い。
  地元から出た議員の政党がどうあれ、地元民としては、予算を引っ張って来てくれるだろうとか、地方を良くしてくれるだろうとか、復興に力を入れてくれるだろう、などの有権者個別の要求で選んだ議員が自民党であったというだけだ。
  選挙民が地元において個々の議員に一票を入れた際に、軍事に関して、その議員の属する党の党首の思想信条などに関心があるわけでは無かったのである。
  それを勘違いして、阿部首相そのものの資質が買われた、と思い込んでいるのが、当の首相とブレーン、塩野氏のような人であろう。
  政権党の面々がそんな大仰に国政について考える必要はそもそも無い。
  議員内閣制における政権党の役目は、所轄省庁の大臣として、議会における基本法の原則、その前に憲法理念に違わない行政事務を行っているか、民意を反映した予算支出が行われているか、官製談合や役人の贈賄、汚職が無いか、等々、管理監督が出来れば良いのである。それが主権者に代わる総理と各大臣の役目である。
  かつまた、国民代表議会性民主主義が確実に機能しているか、議会運営をしっかりと支えるのが役目である。初めに結論ありきの法案の強硬成立など、そもそも政権党がやるようなことではない。
  議院内閣制は、納税者目線で行政実務を誰が管理監督しようか、そうだ、多数議員を抱えた政党にしよう、というだけの話なのであり、法案可決までは、与党も野党も無く、いわばラウンドテーブル状態で喧々諤々と議論をした後に法案を成立させる政治体制である。
  大統領制の米国とて、議会では与党でも野党でも、個々の議員が一人一党の精神で賛否を決するのであり、法案成立までは与党も野党も無い状態である。
  これでこそ、白熱の論戦が最後の法案採決に生きるのであって、たかが党首の思想信条を最優先させ、何が何でも国民をそれに従わせようと、「この道しか無いんです、皆さん」などと政党の党首に言わせる、日本の方が完全におかしいのである。
  

24. 2015年12月24日 01:49:11 : kz35nb2wiM : rrbI7ItwNFY[20]
>結局のところ、選挙やメディアの批判を通じて、全体としての民主的統制によってて、行き過ぎに歯止めをかけていくしかない。

他の国はみんなそうしてるのだから、70年平和国家としての道を歩んできた日本に、それができないわけないじゃない。

いやそれがこのおばさんの言うように10年安倍にやらせたらそれもかなわぬことになる。
そもそもメディアの批判だとか民主主義的手続きとかを嫌う安倍政権である。
行き過ぎを警戒どころか行け行けの世の中。
戦前世界に限りなく郷愁を覚える安倍には70年平和国家は仮のものでしかない。
戦後レジームの情けない日本。
目指すは国体明徴のスローガンによって国論を一色にまとめる全体主義の日本。
広くアジア太平洋に版図を広げた大日本帝国の復活。
そしてかつては果たせなかった八紘一宇への夢へ再チャレンジなのだろう。


25. 2015年12月24日 01:51:45 : kz35nb2wiM : rrbI7ItwNFY[21]
24は>>10のコメントへ

26. FEMA入予定者[13] gmWCZIJsgmCT_JdckuiO0g 2015年12月24日 07:25:12 : 4ZB8p8EwNM : xi6i_7P0etg[17]
国際金融資本のスローガン
ブルジョワジーよ。団結して支配力を強化せよ。貧乏人たちから力を奪い取れ。

27. 2015年12月24日 12:19:58 : kz35nb2wiM : rrbI7ItwNFY[22]
>――日本が大きく右傾化したとか、一部には正確でない情報もあります。


 「ジャーナリストは基本的に左派だ。(海外メディアは)日本のことを本当に知って報道するのではなく、中国とか韓国の新聞を読みながら日本を見る。失礼ながら日本のメディアの発信力が全くない。有名な国際メディアだから必ずしも正しい報道をするとは限らない、と外国に住んでいて身にしみて感じている。社名では絶対に読まない」

いやあそれは一安心ですな。
近頃ヨーロッパは極右政党の台頭ということが言われたり、アメリカではトランプ発言が物議をかもしたりしているがなんら憂慮するに足らないわけですね。
それもこれもメディアが騒ぎすぎるだけ。
何も世界が右旋回している訳ではない。
それぞれの国で愛国的な機運が盛り上がっているだけなのかもしれない。
その中で真っ先に愛国政党が政権を握った例として安倍政権がいち早く世界に名乗りを上げ、世界の中で先導役を果たしているというわけなのか。
いよいよ八紘一宇実現の目が見えてきましたねってところか。
いいぞばあさん勇ましい、もっと進軍ラッパだ。


28. 2015年12月28日 00:57:15 : mOQxFhUIr2 : LhnBkf9jJVk[5]
若干の政治的立場の違いはあれど塩野先生は尊敬すべき作家であり中世イタリア史は先生の著作で学びました。
曽野なんちゃらという三流作家と一緒にしないでいただきたい。
塩野先生に対して失礼だ。

29. FEMA入予定者[64] RkVNQZP8l1yS6I7S 2015年12月31日 20:31:07 : NKr6CBIoiE : rRWFBrqCRos[1]
実績のある先生の意見でも、正しいとは限らないということが証明された。


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