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安保反対「SEALDs」後の模索 あのデモから3カ月〈AERA〉
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/461.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 22 日 00:00:08: igsppGRN/E9PQ
 

国会議事堂前で、安保関連法制反対を訴えるSEALDsのメンバー。ドラムのリズムに乗って「民主主義って何だ」が連呼された(撮影/写真部・加藤夏子)


安保反対「SEALDs」後の模索 あのデモから3カ月〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151221-00000009-sasahi-soci
AERA 2015年12月28日―2016年1月4日号


2015年の夏、民主主義を自分たちの手に取り戻そうと奮闘した「SEALDs」。あの熱気が去ったいま、私たちは「これから」に向け、どう行動すべきなのか。(編集部・宮下直之)

 SEALDs(シールズ)のコールが消えて、3カ月が経った。いま、国会前にあの熱気はない。季節は巡り、彼らに続く民主主義の模索が始まっている。

 社会活動家の湯浅誠(46)は、かつての自分を重ねながらSEALDsを見つめていた。

 東京・渋谷の街頭でホームレス支援をしながら、貧困や格差を生み出すこの社会はおかしい、と訴えてきた。リーマン・ショックが起き、年越し派遣村が注目を集めるようになると、その声が政府に届く。民主党政権では、内閣府参与に迎えられた。

 しかし、湯浅はある種の挫折感とともに職を辞した。

「『貧困問題という現実がある』と主張して、共感が広がっているときにはわからなかったことがあった。100万人の支持が集まればすごいことだが、逆の見方をすれば人口の1%でしかない」

●政治と日常をつなぐ

 社会運動には問題の理解度などに応じたステージがあり、魅力的なスローガンで支持を集めるデモは最初のステップに過ぎない。スローガンを政策などの形にまとめるのが次の段階。そこで共感を広げるには、高い壁があると実感した。

「『俺は気にいらない』と誰でも主張できることが民主主義の根幹。同時に、仲間ではない人たちに協力してもらうために対話が必要なときもある。中間にいる多数派の賛同を得ることで、政策は動いていく」(湯浅)

 若者と政治の距離を縮める活動をする、NPO法人「YouthCreate(ユースクリエイト)」代表の原田謙介(29)は、デモに踏み出せなかった学生たちのことを思う。

 戦争は嫌だが、安保関連法制によって必ず戦争に行くことになるのか。東アジア情勢に目を向けたとき、どう考えるべきか。割り切れない問いを続け、立ちすくんでいた学生たちだ。

「賛成と反対の間で悩む若者も多い。モヤモヤしている人間にも自分たちの主張を伝える、そんな視点が欠けていないか」

 原田は、そう自問してきた。活動では双方向性を意識する。まずは政治家という存在を、「あっちの人」から身近に引き寄せたい。政治家と食事をともにしたり、フットサルをしたりするイベントを仕掛け、政治の入り口に導く取り組みに力を入れる。

「普段の生活と政治がつながっていると感じられるような見せ方が大事。生活のなかで見つけた関心を、政治に結びつける考え方も伝えている」(原田)

 SEALDsも“次”に向けて動きだしている。夏の参院選を目標に、野党に選挙協力を促す取り組みを始めた。

 研究者らでつくる立憲デモクラシーの会など4団体との会合に、野党5党の代表者を招いて、各選挙区での候補者調整に入っている。統一候補を野党から出すだけではない。地域で長く活動する市民団体に有力な候補者がいれば、彼らを政党が推薦するような形も模索する。

「安保関連法制反対、立憲主義の回復、個人の尊厳の回復。この3点で連携することは、野党側から大筋で合意をもらっている。次の選挙で、市民と野党が同じ方向を向いて戦うんだというメッセージを、強く打ち出すことがいまの課題です」

 SEALDsの本間信和(21)は話す。彼らのデモは、現政権に問題意識を持つ人々の求心力になり、野党結集で中心的役割を果たすまでになったのだ。

●争点は市民が決める

 リベラル勢力はこれまで、こうした広範な協力体制を築けなかった。14年の都知事選が典型だ。このとき、脱原発を掲げる二つの非自民陣営の間で、対話の糸口を探し続けた三宅洋平(37)が振り返る。

「あのときは理念同士がぶつかり、それを乗り越えることができなかった。リベラルの面倒臭さを痛感した体験だった。彼らの話法は『断固戦う』。対話のきっかけを閉ざすような言葉を前に、政治が本質的に変わらなければいけないと感じた」

 そうした閉塞感のなかで登場したのがSEALDsだった。本間はこう話す。

「僕らには、安保関連法制に反対というほかにイデオロギーがない。党派性がないのがよかったんじゃないか」

 野党協力がこのまま進めば、夏の参院選は、市民と野党連合が自公政権に対峙する形になる。

「選挙のときにアジェンダを設定する権利は、市民の側にあるはずだと思うんです。1億総活躍や経済政策じゃなく、市民が問うているのは次の選挙も安保関連法制だと訴える。これって市民の政治参画の新しいフェーズだと思うんです」(本間)

 若者、政治、希望。SEALDsが背負わされたものの大きさは、いまの政治の貧困と背中合わせのようにも映る。

「彼らが政治を変えられるという考えは危険で、間違っている」

 東京大学先端科学技術研究センター助教の佐藤信(しん)(27)は、そう話す。佐藤の分析によれば、彼らを際立たせているのは、その“政治力”ではない。

「SNSで自分の考えをつぶやき、常に誰かに見られる日常を送ってきた。人生をセルフマネジメントすることをみんながやってきた世代。だからこそ、社会に向かって自分の姿を見せることがうまい」

 ファッショナブルに叫び、エモーショナルに躍動する。その姿に飛びついたマスコミがつくり上げたのが、この夏の現象だったと佐藤は考える。だが、彼らが社会に残したのは、そんな薄っぺらな残像だけなのか。

●同じ熱源持つ10代

 東京・池袋の立教大学で15年12月、学生グループSPAR(スパー)の活動報告があった。

 安保関連法制の問題点について学び、街頭で考えを語ってきた。発足は同年6月。きっかけはSEALDsのデモに参加したことだった。高橋真由(まゆう)(19)が話す。

「最初は3人でした。1人でも抗議する人間が増えたら、それだけ法案の成立を止められる可能性が高まると思って、SPARをつくりました」

 仲間は約20人になった。成立阻止はできなかったが、活動はやめない。最後に、益子亜明(ましこあみん)(18)がスピーチした。

「沈黙は賛成につながりかねない。学び続けないと、大きな力にやられちゃう。意思を示し続けることが、社会の空気を変える第一歩になると思っている」

 報告が行われた教室に集まったのは、友人や教員ら20人。SEALDsの抗議とは規模が違う。だが、彼らは確かに、SEALDsと同じ熱源を持っている。

(文中敬称略)

 

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コメント
 
1. 2015年12月22日 07:58:43 : D2wSkmKorc : AP17zBnfvcY[8]
>「最初は3人でした。、、」
、、、 報告が行われた教室に集まったのは、友人や教員ら20人。SEALDsの抗議とは規模が違う。だが、彼らは確かに、SEALDsと同じ熱源を持っている。

私自身に示唆するものがあります。

それにしても、彼等、彼女等は、日本の希望ですね。


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