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安倍政権は倒せる!小林節 野党は人材不足という判断は間違っている
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2015年12月19日 日刊ゲンダイ
小林節氏(C)日刊ゲンダイ
安倍自民党「一強」状態の政界で、その横暴を止めるために野党が選挙協力して反転攻勢をかけるべきだ……という主張はもっともだとしても、その旗頭になり得るリーダーがいない……という嘆きをよく聞く。
しかし、私は、野党には立派なリーダー(たち)がいるではないか、と思う。
まず、筆頭の岡田克也民主党代表ならば総理大臣の任に堪え得ることを、誰も否定できないはずである。衆議院議員当選9回の62歳、東大卒の元キャリア官僚で、元自民党代議士で、副総理、外相等を経験している。その頭脳の明晰さは国会論戦で証明されており、自民党と官僚の手法にも精通しており謀られる恐れはない。頑固で、財閥とも呼べるほどの資産家の御曹司で、利権話に躓く危険もない。ハーバード留学の経験もあり、国際的に日本の代表として恥ずかしくない。
さらに、連立政権になる以上、他党の党首たちも重責を担うことになる。
共産党の志位和夫委員長も、衆院を代表する論客・政策通のひとりであることは、誰もが認めている。しかし、私はそれ以上にあの誠実な人柄が一緒に仕事をする人々に安心感を与える点を強調しておきたい。
維新の党の松野頼久代表も社民党の吉田忠智党首も、その誠実に他者の話を聞く姿勢で、良き調整役を果たせるはずである。
生活の党の小沢一郎代表は、言わずと知れた国会最長老である。現代政治史の重要場面の多くを直接体験したこの人物が、自身の夢である政治改革の一環としての政権交代に参画する効用は高いはずである。
加えて、維新の党の江田憲司前代表は、自民党内閣の首相秘書官(キャリア官僚)から政界に転じながらも自民党と一線を画してきた、筋金入りの論客である。さらに、社民党の福島瑞穂前党首(弁護士)も、自分(たち)の意見を分かりやすく他者(主権者国民)に伝える高い能力を持っている。
代表たちだけを寸評してもこれだけの人材があふれている野党が「人材不足」と揶揄されてしまうのは、単に一致結束していないからである。だから、立憲政治の回復のための一点共闘さえできれば、最強の内閣になる。
小林節
慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。
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