http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/352.html
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「自由化」や「規制緩和」という話を聞くと、「軽減税率」と同じように、あまり考えないまま“いいもの”と思ってしまう人も少ないようだ。
個々の「自由化」や「規制緩和」が現実の経済社会でどういう意味を持つかは、その市場の特性次第である。
環境問題などで供給力の増強が難しいなか旧電力が供給の95%を占める市場で「自由化」をしても、一般家庭の“料金の低下”や“選択の自由”が実現することはない。
先行する英国などの例から推測できるが、一般家庭の電力料金は、旧電力と新電力が激しく競争するであろう大口需要家向け料金を引き上げるための“原資”として高めに推移するだろう。
転載する記事にある「「想定より東京電力の託送料金が高い」。関東地方で参入を検討する新電力幹部は憤る」という事態も想定できたことで、新電力は、旧電力と産業界など大口電力需要家のための「電力自由化」をもっともらしく見せるダシの存在でしかない。
いわゆる「電力自由化」は、基本的に3つの目的で進められてきたものである。
1) 旧電力会社の価格決定を自由化することで利益の増大を認める。
2) 自由化で、一般家庭向けは高く、大企業など大口需要家向けは安くといった差別的な料金体系を可能にする。
3) 電力を小豆や債券などと同じように金融市場のネタにし金融利得の対象にする。
「電力自由化」で恩恵を受けられる層は限られており、一般家庭の多くは、高めの料金体系だけですまず、将来的には不安定な電力供給に悩まされる可能性さえある。
※参照投稿
「発送電の分離 改正案が衆院本会議を通過:本旨は料金の自由化、電力会社の利益のため大企業は安く一般家庭は高くなるという話」
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/368.html
「“旧電力”9社で発電総量の96.5%シェア:その自由化が電力会社に対する“勝手気まま優遇政策”になると理解されぬ日本」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/816.html
「「電力自由化」と電力供給活動の特殊性:「電力自由化」は電力会社の勝手気ままな利益追求を許しかねない政策」
http://www.asyura2.com/12/senkyo142/msg/113.html
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電力監視委、送配電網の使用料小幅減額 電力料金下げ限定的に 新電力は不満も
経済産業省の電力取引監視等委員会は11日、電力大手が所有する送配電網の使用料(託送料金)を決めた。大手各社の申請した料金より引き下げたが、借り手となる新規事業者(新電力)からは「依然として高い」との声が上がる。肝となるコストが小幅修正にとどまったことで、来年4月の全面自由化後も電気料金が高止まりする懸念もある。
「想定より東京電力の託送料金が高い」。関東地方で参入を検討する新電力幹部は憤る。消費者の電気料金のうち、電線や電柱の維持費などで構成する託送料金は3〜4割を占める。電力会社に支払う託送料金が高いままだと、電気料金を引き下げにくくなるためだ。
電力大手10社は今夏、家庭向けで1キロワット時あたりの託送料金を7〜11円台と申請した。東電は8.61円、関西電力は7.86円、中部電力は9.03円――などだ。これを月額約8000円の電気料金にならすと託送料金は約2500円。電力監視委の有識者がこの数字の妥当性を調べた。
事故で発電所が停止した場合に備え電力大手が予備的に抱える設備などにかかる「調整力コスト」が焦点となった。「電力大手の余分な費用が託送料金に上乗せされている」との見方に対し、電力大手は安定供給のためには必要と主張。「双方のバランスに苦慮した」(有識者)結果、申請時より東電が0.04円、関電は0.05円などと小幅減額にとどまった。
来春以降に家庭部門への参入を予定して経済産業省への登録を済ませた新規事業者は現時点で約30社。「申請時より若干下がると思っていたので想定の範囲内だ」(東京急行電鉄の子会社)との冷静な声もある。ただ「託送料金が下がれば新規参入しやすい」(有識者の座長を務めた安念潤司中央大法科大学院教授)との見方もあり、新規参入組に逆風が吹けば料金競争は低調になりかねない。
[日経新聞12月12日朝刊P.5]
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