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いよいよ鮮明 冷血政権の弱者排除 軽減税率という言葉遊びの大ペテン
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171996
2015年12月18日 日刊ゲンダイ P1、P2文字起こし
詐欺師同然(C)日刊ゲンダイ
上げないだけの軽減税率をあたかも「低所得者対策減税」と思わせる詐欺師同然の巧妙手口で、弱肉強食を煽るデタラメ政治にすっかり騙されている国民のオメデタさ
所得再配分どころか、税で格差を広げる非道政権の暴走を許したら庶民は骨までしゃぶられるだけだ
自公与党の2016年度税制改正大綱が決まった。大メディアは「軽減税率の線引き」のドタバタしか報じないが、自民党税調と財務省から主導権を奪い取った安倍官邸の魂胆を国民は刮目して見抜くべきだ。「強者より弱者へ」税負担を重くする冷血路線が、いよいよ鮮明となってきた。
分かりやすい例は、安倍首相がゴリ押しした法人実効税率20%台引き下げの1年前倒しだ。具体的には来年度に現行32.11%から29.97%に引き下げ、18年度にはさらに29.74%まで下げる。
法人減税は円安政策による為替差益の恩恵で、空前の利益を上げている自動車業界などの輸出大手ほどメリットが大きい。そのツケを払わされるのは「外形標準課税」の拡大で税負担の増す赤字企業や利益の少ない中堅企業となる。
もっと言えば、資本金1億円以上の大規模法人のうち3割は赤字だ。だから大手の中でも空前の利益を出した「勝ち組」企業は税制面で優遇され、業績不振の「負け組」には課税強化という“罰ゲーム”が待っている。まさに「稼ぐが勝ち」の税制改正は、企業活動に弱肉強食のサバイバルゲームをけしかけるような印象だ。
「外形標準課税の拡大によって、『地方創生』を掲げる政権が、地方経済に壊滅的ダメージを与えかねません」と警告するのは、エコノミストの高橋乗宣氏だ。こう続けた。
「外形標準課税は利益以外に課税対象を広げる仕組みで、赤字企業でも資産や従業員数などに応じて税を負担させます。
心配なのは今回の課税拡大で、地方企業の保有資産が過大に評価されてしまうこと。地方には3代前から受け継いだような工場や倉庫など、広大な土地・建物を所有する中堅企業が多く、そうした企業ほど地域の雇用の担い手となっています。土地の過大評価の分だけ税負担は増す。課税強化に耐えられなければ、休業・倒産の道を選ぶしかない。そうなると、その地域の雇用はそっくり消失してしまいます」
これこそ安倍政権のホンネで、足手まといの地方の弱小企業には退場を迫り、一握りの勝ち組企業に利益を集中させ、日本経済をドンドン引っ張ってもらえれば御の字くらいに思っているのだろう。中小・零細企業が日本の雇用の約7割を担っていることなど、お構いなしで、ひたすら「強きを助け、弱きをくじく」。そんな安倍の歪んだ発想が税制改正の枠組みから透けて見えるのだ。
■1兆円の財源は法人税率据え置きで賄える
食品据え置きでも…(C)日刊ゲンダイ
さらに法人実効税率引き下げの減税規模を知れば、激しい怒りが込み上げてくる。その金額は実に1兆円程度。軽減税率の導入に必要な財源規模とほぼ一緒なのだ。
大マスコミは「軽減税率導入に伴う1兆円規模の税収減をどう穴埋めするかが今後の焦点」などともったいぶって書いているが、財源を見つけるのは簡単だ。現行の法人実効税率を維持するだけでいい。
軽減税率の対象品目について、安倍は「最善の結果が得られた」と自画自賛。14日には谷垣幹事長と宮沢税調会長を官邸に呼び出し、「安定財源を見つけなければいけない。しっかりまとめて欲しい」とハッパをかけたが、何てことはない。自分がゴリ押しした法人減税を引っ込めれば済む話なのに、そうはいかないところが、この政権のいかがわしさだ。
よりによって1兆円の財源探しに社会保障費の削減に手を突っ込もうとしているのだから、本末転倒である。すでに低所得者の医療・介護費負担を軽減するため、自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」の導入が見送られた。勝ち組企業の法人税を大幅にまけてやり、医療費の捻出さえ苦しい弱者優遇措置はあっさり断念とは、典型的な弱いモノいじめ。この選択にこそ安倍政権の本性見たり、血も涙もない冷酷さが表れている。
これで浮いた約4000億円を軽減税率導入の財源に充て、残る6000億円の確保は来年夏の参院選後に先送り。選挙中は社会保障メニューのさらなる削減という穴埋め策をひた隠し、選挙が終わった途端、後出しジャンケンのインチキまがいで、不人気プランを国民に押し付けるに違いない。卑怯だ。
そもそも食料品の一部の税率据え置きが、あたかも国民に「低所得者対策減税」と思わせているのはメディアと一体となった巧妙な論点のすり替え。単なる言葉遊びのイカサマに過ぎない。
「昨年4月に従来5%だった消費税率を8%に引き上げた時点で、年間8兆円もの国民負担が生じています。その税率を食品の一分野で据え置いた程度で、どうして『軽減』と呼べるのですか。この程度で恩を売ろうなんて冗談じゃありません。安倍政権が本気で低所得者対策を考えるなら、生活必需品の税率を『ゼロ』に下げたり、年収200万円未満の世帯は消費税分を全額還付するなど、手段はいくらでも思いつきます。そのアイデアを実現して初めて『軽減』と言い切れるのです」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
改めて言うまでもないが、消費税は所得の低い世帯ほど負担感が増す。この逆進性が「悪魔の税制」と呼ばれるゆえんだが、一部の食品の税率を据え置いても逆進性はちっとも解消されない。むしろ、今の軽減税率は完全なカネ持ち優遇策と言った方が正しい。
静岡大名誉教授の土居英二氏(経済統計学)の試算によると、食料品の税率据え置きの負担軽減額は1世帯当たり年間平均1万8044円。年収別でみると、ワーキングプアに該当する年収200万円の軽減額は年間7738円に過ぎない。これが年収1000万円だと2万9392円、15000万円なら3万4492円に跳ね上がる。
そのうえ、言葉遊びの軽減税率を導入しても、年収に占める消費税の負担率は低所得者ほど高いままだ。1000万円世帯の3.7%と比べ、200万円世帯は8.0%と倍以上の開きがある。要するに消費税率を10%に引き上げれば、低所得者の負担は一段と増し、カネ持ち世帯との生活格差はさらに広がる。
加えて購入時の割高感から、いまだ「庶民の足」には程遠いエコカーの税負担を軽減。自宅を「3世代同居」のためにリフォームした世帯の所得税も減税と、ロコツな金持ち優遇策をみると、軽減税率が低所得者対策の一環だなんて、つくづく詐欺師同然のマヤカシ。所得再配分どころか、ますます格差を広げる「悪魔の税制」を隠し通すため、国民を壮大なペテンにかけるようなものだ。前出の小林弥六氏はこう言った。
「安倍政権のやっていることは『弱者救済』ならぬ『強者救済』です。安倍政権の発足以前には40%を超えていた法人実効税率は、あれよあれよと来年には30%以下となり、富める企業を喜ばせています。この間の減税規模は4兆3000億円ほどで、軽減税率導入後の8%から10%への消費税増税分に匹敵する。つまり富める企業の税負担軽減分を消費増税で補って、その負担は貧しい世帯ほど厳しい“弱者いたぶり”の構図です。安倍政権は法人税を軽くして企業の賃上げや設備投資意欲を高めると主張しますが、今頃は高収益企業から富がこぼれ落ちる“トリクルダウン”現象により、自然と賃上げや設備投資拡大の波が広がっていたはず。さらなる法人減税をセットしなければ賃上げも設備投資拡大も実現しないのなら、アベノミクスは、とうに失敗したのです。その責任も取らずゴマカシに終始する政権には良心の呵責など存在しないのでしょう」
誠実さのカケラもなく笑って弱者を痛めつけているような非道政権。これ以上の暴走を許したら、庶民は骨までしゃぶりつくされることになる。
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