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「マイナンバー汚職」逮捕された厚労省の役人がぶちまけた!〜オレよりもっと”悪いヤツ”がいる
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46827
2015年12月17日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
取材/齋藤剛(本誌記者)
「マイナンバーなんて役人と役所のためのもの。国民にとっていいことはひとつもない」
「やっぱり」と誰もが思った一方で、「たった100万円か」と疑問を持った、厚労省職員による収賄事件。派手なルックスで世間を賑わせた「犯人」が、事件の真相とマイナンバーの闇をすべて明かす。
■今は引きこもりのような生活
事業を委託した企業からカネを受け取っていたのは、紛れもない事実。だから何を言っても、言い訳にしかならないのはわかっている。
ただ、報道された「事実」は、真実とあまりにもかけ離れている。なぜ、俺が「マイナンバー汚職」として逮捕されたのか。俺を逮捕しただけで、厚労省は膿を吐き出したと言えるのか。弁明ではなく、真実を語りたい。
マイナンバー制度に関する贈収賄事件の被告で、厚生労働省情報政策担当参事官室室長補佐の中安一幸氏(46歳)が、本誌の独占取材に口を開いた。
中安氏が逮捕されたのは、10月13日。マイナンバー制度導入に備えた社会保障分野でのシステム構築事業について、厚労省が'11年10月に公募した企画競争で、ITコンサルタント会社(以下A社)に便宜を図り、現金約100万円を受け取った。
逮捕直後には、出勤していたのは週の半分以下という勤務態度や、ブランド物のコートやスーツで身を固めた出で立ちなど、「異色の官僚」ぶりが大きな関心を集めた。だが、「判決までは厚労省に籍があり、現在は『自宅謹慎中』」という中安氏は、逮捕前とはまったく違う姿になっていた。着古したグレーのスウェットの上下に、伸び放題の無精ひげ。カーテンを閉めきった自宅で、中安氏は「引きこもりみたいな生活ですよ」と自嘲気味に笑い、その胸中を語り始めた。
■役所はオレには堅すぎた
報道のなかで本当なのは、「異能の官僚」という部分だけ。ITに関する知識と、事業を実現する行動力がずば抜けていたのは事実ですが、それ以外は、実像とはまったく違うものです。
出勤していなかったのも、遊び歩いていたからじゃない。六本木で豪遊していたとも言われていましたが、僕は酒を飲めませんからね。
厚労省に限った話ではないけど、役所というのは、「起きた問題」にしか対応しない。起きうるリスクに対しては、動かないんです。
でも、リスクがわかっているなら、対策を打つべきでしょう。だから僕は、勝手に動いていた。たとえば、これからノロウイルスが流行しそうだと思ったら、病院に行って医者をどうやって手配するか会議したりね。
ただ役所というのは、みなさんの想像どおり堅いところで、決められた業務以外は、仕事として認めてもらえない。だから僕は、仕事のほとんどを自費で行っていた。
当然、カネにはいつも苦労していましたよ。事件があった'11年頃は、四国の病院に頻繁に通っていたので、クレジットカードがパンクした。
そんなとき、助け舟を出してくれたのが、A社の社長だった。社長とは昔から親交があり、「親父」と慕っていたから、「パンクしちゃって困ってる」と話した。すると、「だったら俺がカネを世話してやる」と持ちかけられたんです。
いま振り返れば、驕りがあったんでしょうね。「俺は仕事ができるスーパーマンだから許される」と勘違いして、しかるべき手続きを踏まずにカネを受け取った。
これが、俺が受け取った「賄賂」の真相。だから正直言って、便宜を図ったつもりもない。
■警視庁が追う「本丸」がいる
A社には、俺が信頼を寄せていた技術者がいたから、事業を委託したに過ぎない。誓って言いますが、私利私欲のためではなく、その技術者となら、社会のためになる仕事ができると考えたからです。
そもそも、'11年といえば、マイナンバーの導入に向けて検討している段階ですよ。具体的な制度は何も決まっていなかった。だから当然、A社に委託した事業も、「マイナンバー関連」と呼べるものではない。
じゃあなぜ、4年も前のことを蒸し返して、俺が「マイナンバー汚職」として逮捕されたのか。
はっきり言えば、警視庁のシナリオにはまったんだろうね。
役人の贈収賄事件を挙げることは、警視庁捜査2課にとって、最も大きな手柄になる。それが話題性のあるマイナンバーに絡む事件とあれば、なおさらです。
だから2課は、通知カードが配られる10月にあわせて、1年以上前から探っていたらしい。そのなかで、「怪しい」として捜査線に浮上したのが、A社だった。
東京都千代田区に本社を置くA社は、従業員わずか20名のいわゆる中小企業。だが、厚労省だけでこれまでに6件の事業委託を受けており、その受注総額は14億円超。さらに、他の省庁からも多くの委託を受けていて、特に経済産業省からは、厚労省と同額程度の事業を受注していたとされる。
いま思えば、僕は人が良すぎたのかもね。能力があり、事業委託に関しても発言力のあった俺を利用できると思って近づいてきたA社の社長を見抜けなかった。
ただそれでも、A社とは、'12年頃には袂を分かっていたんだ。さっき言った信頼していた技術者が'12年頃にA社を去ったので、仕事をする意味がなくなったからね。
僕がA社と付き合いがなかったことは、警視庁の取り調べにもはっきり答えましたよ。
だから2課としても、「マイナンバー汚職」として逮捕したはいいが、期待とは違ったと思いますよ。マイナンバー制度が導入された頃すでに、疑わしいA社と僕は無関係だったわけだから。
ただそれだけに、警視庁は「本丸」を挙げようと躍起になっている。
実はA社は、僕が関係を断った'12年以降も、厚労省から事業を受託しているんです。しかも、すでにマイナンバー制度の導入が決まった'14年と'15年に、数億円の事業を委託されている。
その事業を取り仕切った人物こそ、警視庁が狙う「本丸」です。
その人物を知っているか?もちろん知ってますよ。その人は、俺のところにA社に任せる事業の相談に来てたから。
実は相談に来たときから、不自然だと思っていたんです。予算が決まっていて、発注先もA社と決まっているのに、事業の内容があまりにも拙かった。普通なら、こんなことはありえない。もちろん俺は、「そんな相談には乗れない」と言いましたよ。
ただ、その人物の名前は教えられません。
俺は悪だった中高時代にある事件を起こし、6日間にわたり拷問されたことがある。そのときは血尿が出るほど責められ、「関わった仲間の名前を言え」と迫られたけど、決して口を割らなかった。だから「本丸」の名前も、何をされても言わないよ。
とはいえ、A社から賄賂を受け取り、事業を流していた人物を、「仲間」と言えるのかという疑問は、確かに持っている。
おそらく、彼は俺と同じ立場に立ちたかったんでしょう。
俺は大学で教職に就いていたけど、厚労省でも「先生」だった。ITに関してわからないことがあると、みんな俺に教えを請いに来る。デスクの横にホワイトボードが置いてあるので、俺はさっと書いて、簡単に解説してあげる。
そんな姿に憧れていたから、俺と同じように財務省から予算を取ってきて、A社と事業をしたかったんだと思います。能力がないのに、身の丈以上の手柄を立てたがる。そんな男だから。
■マイナンバーはダメな制度
僕は困っている人のために、A社と協力した。しかし奴は違った。A社からカネを受け取っていたことは、関係者からも聞いている。それだけに、許していいのか、という思いはある。
ただ、警視庁の捜査はかなり進んでいると思いますよ。
そして、これからさらに、マイナンバー絡みの問題が頻発するのも間違いない。なぜなら、そもそも番号を国民全員に配るというのが、間違っているからです。
国民の情報を国が一括して管理するなら、番号なんて配らなくても、省庁同士が連携すればいいだけの話でしょう。そして、「国で一元管理してもいいですか。政府を信用できますか」と国民に問えばいいんです。
でも政府は、国民から信用を得られず、マイナンバーを導入できない事態になるのを恐れたんでしょう。そこで、正しい導入のプロセスを踏まず、カードを配るという逃げを打った。誰も求めていないのに、「自分で番号を管理するなら文句ないでしょ」と、制度を押しつけたんです。
カードを配れば、番号を売り買いする人間が必ず出てきます。誰が売るのかといえば、情報を管理している者しかない。つまり、省庁の役人です。
今後、僕以上の「悪人」が逮捕されることになれば、本当の汚職官僚は誰かがわかる。そして、マイナンバーがいかに不安だらけな制度かも、明らかになるはずです。
「週刊現代」2015年12月19日より
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