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負担減わずか1日50円 1兆円「軽減税率」は家計に恩恵ナシ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/171795
2015年12月17日 日刊ゲンダイ
平均軽減率は1日50円…(C)日刊ゲンダイ
「1兆円」と聞けば、結構な金額と思ってしまう。危うく「自公政権は弱者の味方なんだ」なんて誤解しそうだが、家計にプラスは全然ない。消費税率引き上げ後も食品の税率を据え置くことで、得られるはずの税金が1兆円も目減りするという。これ、あくまで総額である。サラリーマン一人一人の財布は、豊かにならないのだ。
消費税率が10%に引き上げられた時、食料品の税率を8%に据え置くと、果たしてどれくらいの負担が軽減されるのか。民間税調のメンバーでもある静岡大名誉教授の土居英二氏(経済統計学)の試算によると、平均で1万8044円だ。1カ月にすれば1504円である。1日当たりなら50円で、ジュース1本も買えない。「1兆円」の看板からすると、「え? その程度なの」と思えてしまう。
年収が低い人は、恩恵がさらに少ない。ワーキングプアに該当する年収200万円は年間7738円で月644円。1日にすると21円だから、スーパーで割引になるのを待った方が、よほど家計にプラスになるだろう。
国税庁の調査によると、昨年の民間給与の平均は415万円で、男性は514万円だ。そこで、妻が専業主婦のサラリーマン家庭=年収500万円を見てみると、年間1万5715円で月1309円。こちらも1日43円だから、主婦の知恵を活用した方が、お上による制度変更のメリットを上回りそうである。
土居氏が言う。
「消費税の税率を議論するのは重要ですが、そのことだけで低所得者や年金暮らしの家計の負担を減らせるわけではありません。わずか1500円程度の負担減について、政治家が集まり、攻防を繰り返すなんて不毛。そもそも10%を8%にするという程度で“軽減”と呼べるのかも疑問です。品目によって税率を変えれば、事務作業が煩雑になります。その負担増に見合うようなメリットもありません。少ない軽減で、事業者に多大な負担を強いることになるのです」
■逆進性は解消されない
消費税には、年収が低い人が高い人よりも負担が高くなる「逆進性」の問題が付きまとう。これは総額1兆円の軽減税率が実施されたところで解消されない。
年収1000万円の恩恵は年間2万9392円、年収1500万円なら3万4492円である。食品は嗜好品やぜいたく品ではないし、使う金額も年収による開きは少ないとされる。それでも、明らかに高所得者の方が助かるのだ。
〈別表〉にある「年収別にみた家計負担率」を見ると、折れ線グラフのカーブは「全部10%」も「食品のみ8%」も、ほぼ同じ。2%の差をつけても、逆進性は変わらないのである。
「2%ぐらいでは低所得者の暮らしは苦しくなるばかり。本気で国民全体の生活を考えているのなら、今回は給付型にすべきです。軽減税率は、欧州並みに税率が高くなった時に、食品をゼロにするなどの思い切った形で導入すべきでしょう」(土居氏)
一般的なサラリーマンは、「1兆円で少しは楽になる」なんて思わない方がいい。
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