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最高裁が、再婚禁止期間をめぐる判決(多数意見)で、父親の推定にかかわる期間の「重複を避けるためには、再婚を禁止する期間は100日とすることが合理的」という基準を示した。
私は、憲法に基づき再婚禁止期間は男女同じにすべきで、離婚後ほどなく(300日以内に)生まれた子どもの父親推定は、別の規定に拠るべき(今もそうだがより実際的合理的に)と考えている。
転載するNHKの記事は、「民法では▽女性が離婚したあと、300日以内に生まれた子どもは前の夫の子とみなすという規定と、▽女性が再婚したあと、200日たってから生まれた子どもは、今の夫の子とみなすという2つの規定があります。判決は、再婚禁止の期間は100日あれば前の夫と今の夫がそれぞれ父親の権利を主張できる期間が重複しないため、半年という期間は長すぎると判断したものです」と解説している。
民法第七百七十二条(嫡出の推定)は、(関連条文を添付)
「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」
と規定している。
最高裁が持ち出した「100日」という基準値は、この第七百七十二条2項を援用したもので、次に示す例でわかるように、形式的なつじつま(計算)は合っているように見える。
ある女性が、今年1月1日に離婚し、最高裁が今回の判決で示した新たな再婚禁止期間が終わった101日後の4月12日に再婚した。そして、10月28日に子どもを産んだ。
出産日である10月28日は、1月1日から300日後で、4月12日からは199日後にあたる。
それゆえ、その子の父親は、離婚した前夫と推定される。
もしも女性が4月10日に再婚を許されていると、10月28日は201日後になるので、その子の父親は、離婚した前夫と現在の夫のいずれとも推定できてしまう。(父親の推定が重複する)
このような例から、「再婚を禁止する期間を100日とすることが合理的」に思えるかもしれない。
現実論としては、婚姻届けを出さなければ性的交渉がないというわけではないので、100日後に再婚したケースであっても、生まれた子どもの父親が新しい夫親である可能性は捨てきれない。(実態はほぼそうであろう)
民法に即しても、第七百七十二条2項を読めばわかるが、「婚姻の成立の日から二百日」と「婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内」というように、設定されている“妊娠期間”にズレがある。
まさか、民法が、婚前交渉は一般的になっているから婚姻の成立からは200日後からと規定し、離婚の直前まで性交渉があるかもしれないから離婚後は300日以内と規定しているわけではあるまい。
妊娠期間は約10ヶ月間で、妊娠前の最後の月経第1日が「妊娠0日」で、そこから280日後が出産予定日とされる。
しかし、すべてが予定通りというわけではなく、早産もあるし、晩産もある。
民法第七百七十二条2項は、妊娠はあくまでも婚姻期間内の性交渉を通じて起きるということを前提とし、婚姻成立後の期間については“早産”を最大限に考慮し、離婚成立後の期間については“晩産”を最大限に考慮した値と解釈するのが法理論的に妥当だと考える。
別の観点から言えば、民法第七百七十二条2項はあくまでも(嫡出の推定)を規定したものであり、(再婚禁止期間)を定めた民法第七百三十三条と法論理的につながっているわけではない。
民法第七百三十三条で定める(再婚禁止期間)は6ヶ月(約180日)であり、民法第七百七十二条2項で用いられている300日や200日とは結び付いていない。
妊娠期間が6ヶ月近くになれば、妊娠の事実は母親に認知されている(そばにいる人も外見で知る可能性が高い)はずなので、再婚をことさら禁止する必要はなく、再婚したとしても、出産日が民法第七百七十二条2項の離婚後300日以内なら前夫が父親と推定されるので問題ないと考え、再婚禁止期間が6ヶ月に設定されたと推定する。
最高裁が新たな打ち出した100日であれば、前夫とのあいだの性交渉で妊娠した場合、どうも妊娠しているようだという認識レベルのケースもあるだろう。
このようなことから、最高裁が示した「再婚禁止期間のうち100日を超える部分は憲法違反」は、利用してはならない条文の規定を濫用して算出された根拠なきものと考える。
新基準は、子の父親推定問題を解決するものでなく、6ヶ月を100日に短縮したが意味なく再婚禁止期間を残したという謗りは免れない。
また、上述の「民法では▽女性が離婚したあと、300日以内に生まれた子どもは前の夫の子とみなすという規定と、▽女性が再婚したあと、200日たってから生まれた子どもは、今の夫の子とみなすという2つの規定」があるというNHKの解説も“勇み足”である。
民法第七百七十二条2項の規定は、女性の「離婚→再婚」(二つの婚姻)を対象とした(嫡出の推定)規定ではなく、「結婚→離婚」(一つの婚姻)を対象とした(嫡出の推定)規定だからである。
判決となった多数意見より、最高裁山浦善樹裁判官の「近年ではDNA検査によって正確な親子の判定ができるのだから、再婚禁止期間を設ける必要性は完全に失われている。父親の推定が重なる子どもについては、事後的、個別的な救済手続きに委ねる方が妥当だ」する意見のほうがまだまともと言える。(憲法ではなくDNA検査をストレートに出していることは問題なので賛成はしない)
さらに言えば、原告代理人の作花知志弁護士が言うように、「『妊娠していない』という医師の診断書があれば、すぐに再婚ができる」などを法的に定めるほうが合理的である。
書きかけで投稿していないが、東京地裁の安倍首相(当時代議士)のメルマガに関する菅元首相の訴えをめぐる判決も酷いものだったが、国会や内閣だけでなく裁判所も危機的状況にあるのが日本なのかもしれない。
※ 関連する民法条文
(再婚禁止期間)
第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
(嫡出の推定)
第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
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再婚禁止期間「100日超の部分は憲法違反」
12月16日 18時23分
離婚した男女のうち女性にだけ再婚を6か月間禁止する民法の規定について、最高裁判所大法廷は「再婚禁止期間のうち100日を超える部分は憲法違反だ」とする初めての判断を示しました。これによって再婚禁止期間に関する民法の規定は、見直しを迫られることになります。
民法には離婚後に生まれた子どもの父親が誰なのか争いになるのを防ぐため、明治時代から女性にだけ再婚を6か月間禁止する規定があり、岡山県の女性は「男女の平等などを保障した憲法に違反する」として、国に賠償を求める裁判を起こしました。
判決で最高裁判所大法廷の寺田逸郎裁判長は、「再婚禁止の期間は、生まれた子どもの父親が前の夫なのか今の夫なのか重なって推定されないように設けられたものだ」と指摘しました。そのうえで、「重複を避けるためには、再婚を禁止する期間は100日とすることが合理的で、それを超える部分は少なくとも原告が離婚した平成20年には過剰な制約で憲法違反だ」と指摘しました。
民法では▽女性が離婚したあと、300日以内に生まれた子どもは前の夫の子とみなすという規定と、▽女性が再婚したあと、200日たってから生まれた子どもは、今の夫の子とみなすという2つの規定があります。
判決は、再婚禁止の期間は100日あれば前の夫と今の夫がそれぞれ父親の権利を主張できる期間が重複しないため、半年という期間は長すぎると判断したものです。
この判決によって明治時代から100年以上続く再婚禁止期間に関する規定は、見直しを迫られることになります。
一方、原告が賠償を求めていたことについては、「平成20年当時、憲法に違反することが明らかだったとはいえない」として退けました 。
最高裁 違憲判断は10例目
最高裁判所が法律の規定そのものを憲法違反としたのは10例目で、過去のケースではいずれも法律が改正されています。
法律が憲法に違反するという訴えが起こされた場合、最高裁判所は、社会状況の変化などを踏まえて憲法違反といえるかどうか判断します。最近では、平成20年に、日本人と外国人の間に生まれた子どもが日本国籍を取得する際に両親の結婚を条件にした国籍法の規定について、そして、平成25年には結婚していない両親の子ども、いわゆる「婚外子」は結婚している子どもの半分しか遺産を相続できないとする民法の規定について、それぞれ憲法に違反するという判断を示しています。
過去の例では判決が言い渡される前に見直されたケースも含め、いずれも法律が改正されています。
裁判官のうち2人「規定そのものが憲法違反」
女性の再婚禁止期間についての判決では、最高裁判所の15人の裁判官のうち2人が、「規定そのものが憲法違反だ」とする意見を出しました。
このうち鬼丸かおる裁判官は、「再婚禁止の規定は、離婚したすべての女性に一律に禁止期間を設けているように読め、婚姻の自由を不必要に制約するおそれがある」として、規定そのものが憲法違反だと主張しました。そのうえで、父親の推定が重なる場合があることについては、「法律上の父が確定していない子どもも社会生活を支障なく送ることができ、行政サービスを受けることができる」と指摘しました。
また、山浦善樹裁判官は、「近年ではDNA検査によって正確な親子の判定ができるのだから、再婚禁止期間を設ける必要性は完全に失われている。父親の推定が重なる子どもについては、事後的、個別的な救済手続きに委ねる方が妥当だ」として規定そのものが憲法違反だと指摘したうえで、国に賠償を命じるべきだとしました。
原告の代理人「速やかに法改正を」
原告の代理人の作花知志弁護士は、判決のあと記者会見しました。
作花弁護士は「判決を踏まえて、国会で速やかに6か月の再婚禁止期間を100日に短縮する法改正をしてほしい。また、今回の判決では憲法違反とした理由について、医療や科学技術の発達を述べているので、行政には離婚から100日以内のケースについても、例えば『妊娠していない』という医師の診断書があれば、すぐに再婚ができるという運用を認める通達を出してほしい」と述べました。そのうえで、作花弁護士は「原告の女性は仕事の都合で裁判所に来られなかったが、『自分のようなつらい思いをする人が出なくなってほしい』という思いで始めた裁判なので、原告にはぜひおめでとうと言ってあげたい」と話していました。
原告の女性「思い受け止めてくれた」
原告の岡山県の女性は、弁護士を通じてコメントを出しました。女性は、「私は前の夫の暴力や離婚に応じてくれなかったことなどに苦しみました。そして、やっと離婚が成立したにもかかわらず民法の再婚禁止の規定で、新しいパートナーとすぐに結婚できなかったことでも苦しみました。裁判に訴えたのは、法律は人を幸せにするためにあるもので、不幸にするものではない、私のように法律でつらい思いをする人が出ないような社会にしたいと思ったからです」としています。そのうえで、16日の判決について、「最高裁判所が私の思いを受け止めてくれたように感じ、とてもうれしいです。きょうの判決を受けて、国会が1日も早く法律を改正してくれることを希望しています」と述べました。
菅官房長官「早急の検討必要」
菅官房長官は午後の記者会見で、「違憲立法審査権を有する最高裁判所が違憲の判断をしたことは厳粛に受け止めたい。早期に民法改正を行うとともに、民法の改正までの間も、戸籍事務については離婚後100日を超えた婚姻届が出された場合には受理することを、今後、早急に検討していく必要がある」と述べました。
法相「6か月以内でも受理」
岩城法務大臣は法務省で記者団に対し、再婚禁止期間について「最高裁判所の判断を踏まえ民法を改正することになるが、改正法が成立するまでの間であっても離婚後100日を超え、6か月以内の女性を妻とする婚姻届が出された場合には受理することになる。各法務局・各地方法務局に対し、その考え方を各市区町村へ周知するよう事務連絡を発出した」と述べました。
専門家「違憲判断は非常に重い」
判決について、家族法が専門の早稲田大学の棚村政行教授は、「100日という限定は設けたものの、最高裁は国会が法制審議会の提案を20年近くほったらかしにしてきた規定について、『違憲』と判断したことは非常に重い」と評価しました。そのうえで「国会は速やかに法改正を進めるべきだし、法制審で議論された時よりもさらに時代は変化しており、100日を残すのか、もしくは全部廃止するのかという点から議論を進めるべきだ」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151216/k10010343131000.html
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