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消費税や「軽減税率」の投稿をするのは気が進まない。それなら投稿をやめればという声もあるだろうが、愚痴を言わせてもらうと、消費税問題の投稿は、わかっている人にとって、なにをいまさらそんなことはとっくにわかっているとなる一方、政府やメディアさらには会計処理の説明に囚われている人にとっては、ええっ何を言ってるの?そんなのおかしいよ!となるからである。
今回は、囚われの発端と思われる消費税の基礎について説明してみたい。
消費税税率が8%の今、スーパーなどで買い物するとき、本体価格350円に8%の消費税28円を加えた378円を払っていると思う人も少なくないだろう。
そして、そのような思考回路なら自然に、お店のものになるおカネは350円で、28円は消費税として政府部門に納められるものと考える。
しかし、そのような区分は、小売売上税ではなく、事業者が稼ぐ付加価値に課される消費税に関しては幻想(錯誤)でしかない。
最終支払い価格378円のみが意味のある価格である。
378円には「原価と儲け(荒利)」だけが含まれているのであって、消費税というものは一切含まれていない。
(“儲け”は結果的に納付する消費税の原資になるが、付加価値を稼いでいる事業者がみな消費税を納付するわけではない。また、税務処理的にも、消費税納付額算定において「売上に係わる消費税額」の一部を構成するという意味はあるが、複数税率ではなく単一税率なら、「売上に係わる消費税額」や「仕入に係わる消費税額」といった概念は、「輸出免税」を除いて不要である。そのような概念は、国家詐欺である消費税還付をもっともらしく見せるための仕掛けでしかない)
消費税として請求されている28円は何かと言えば、お店に支払う“儲け”の上乗せである。
いわば、高級レストランやホテルが理不尽にも請求するサービス料(10%など)のようなものである。
(仕入力に乏しく価格競争力がないためぎりぎりで商売している店なら、消費税を前面に出すことで得られる上乗せの28円で、原価の一部までなんとか充当でき少しは利益もでるというケースもある)
このように説明しても、名目はなんであれ払わなければ買えないのだから、そんなことはどうでもいいと思う人もいるかもしれない。
しかし、そのような錯誤は、「軽減税率」に関するデタラメな説明を受け入れ「軽減税率」の導入に賛同してしまう素地にもなっている。今話題の「軽減税率」が消費者の負担を軽減してくれると“錯誤”するのも、このような考えがベースにあるからだ。
消費税の標準税率が10%になったとき、本体価格350円の商品は、軽減税率が適用されないと、本体価格350円に消費税35円が加算されて385円になると考える。
そして、軽減税率が適用されると、消費税は28円のままだから総額も378円のままで済むと考えることで、軽減税率で負担を緩和すると錯覚してしまう。
350円の品物に、8%の消費税がかかるのか、それとも、10%の消費税がかかるのかといった算数的捉え方をしている限り、「軽減税率」が魅力的な仕組みに思えてしまう。
問題は、350円という価格設定が、固定(公定)的なものではなく、経済状況と力関係のなかで販売者が自由に変動できるという理解がすっぽり抜け落ちていることである。
何より、商売の基本は、「出来るだけ安く仕入れ、出来るだけ高く売る」ことという理解がない。(ただし、「出来るだけ高く売る」ことに関しては、同じ期間に出来るだけ多くの利益が得られる価格で売るというのが合理的な考え)
電気ガス水道(電気はそうではなくなるが)など価格統制品目は別として、本体価格は自由に設定できる。本体価格が自由に設定できるということは、8%という掛け率は守らなければならないが外税の消費税額も“自由”に設定でき、総額も自由に設定できるということを意味する。
同じ品物について、350円に10%の消費税を加算した金額385円と370円に8%の消費税に加算した総額399円の価格差を考えればより具体的に見えてくる。
同じ品物の外税方式価格表示の総額でも、消費税税率8%のほうが高く、消費税税率10%のほうが安いことがありえるのである。
それと同じ論理で、統制経済国家でも社会主義国家でもない日本で、消費税の税率を「軽減」したからといって対象品目の価格が下がるという保証はない。せいぜい、利益が多くなることで、価格を下げても倒産しないで済む余裕度が増す効能を果たすだけ。
※ 追記:消費税に関わる価格表示問題について
日本では89年の消費税導入後の小売価格表示は、消費税相当分を別に示す外税方式が長く認められ、04年になってようやく、欧州諸国のVATと同じように総額表示(内税)方式が義務化された(消費税法第63条)。
広く長く続いた外税方式価格表示が、消費税は最終消費者が負担するものという誤った理解を普及させた大きな要因である。
価格表示“正常化”の流れも、15年4月の消費税増税を控えて施行された特別措置で覆った。13年10月から18年9月までいったん禁止された外税方式で価格を表示することも認めるようになった。
外税方式への価格表示復帰は、特別措置法の名称が「消費税転嫁対策特別措置法」であることからわかるように、消費税税率引き上げで増大する事業者の消費税負担を“納税義務者ではない”消費者にスムーズに転嫁できるようにするための細工である。
ずばり言ってしまうと、国民はあまり利口ではないから、本体価格と消費税を切り離して表示する外税方式を使えば、消費税の分なら負担しなければならないと思ってより高く買ってくれるだろうという財務省官僚や政治家の“国民蔑視”と“浅知恵”の産物である。
(少し深い見えにくい層には、そのような手立てを講じないと、事業者が消費税増税に納得してくれないという思惑もある)
※参照投稿
「「軽減」だけでなく「加重」にもなる複数税率制度:創価学会や新聞社が熱望するワケは“原価で売っても消費税で利益”の仰天構造」
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/189.html
「軽減税率 「外食」で折り合わず 12日再協議:自民党が「外食」を対象にしたいワケ」
http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/867.html
「ついに新聞拡張員に成り果てた安倍政権:「軽減税率」適用問題でイジメられている“自由奔放”な日刊ゲンダイやスポーツ紙」
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/232.html
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