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2015/12/16 05:29
<政府・与党は70歳以上が支払う医療費の上限額を2017年度から引き上げる方針を決めた。来年度の診療報酬改定で、診察料を増額する財源の一部に充てる。負担増となる高齢者の反発も予想されることから、具体的な引き上げ幅は来年夏の参院選後に議論し、来年中に決める。
医療費の自己負担割合は所得や年齢に応じて原則1〜3割だが、高額療養費制度で月ごとの支払額に上限を設けている。70歳以上なら70歳未満よりも上限額は低めに設定され、外来だけの受診ならさらに優遇される。年収が現役世代並み以上の70歳以上の人が外来受診する場合、医療費はいくらかかっても月約4万4千円払えばよい。
このため財務省は、70歳以上の高齢者の上限額を70歳未満の現役世代並みの水準に引き上げる高額療養費制度の見直しを検討。政府の経済財政諮問会議は4日に公表した財政健全化の改革工程表案で、見直しについて「16年末までに結論を出す」としている>(以上「朝日新聞」より引用)
安倍自公政権が政権運営を始めて3年になるが、その間国民負担は軽減されることなく、一貫して負担増を強いられている。これでも日本はアベノミクスにより景気が回復して国民生活は良くなっている、というのだろうか。
政府はいつまで嘘で国民を騙し続ければ気が済むのだろうか。いつまでマスメディアは政府広報機関に成り下がって国民に嘘を垂れ流せば気が済むのだろうか。アベノミクスは一部投機家だけが株相場で儲けたに過ぎず、円安でほんのわずかな輸出企業が潤ったに過ぎない。
安倍自公政権下で国民の格差は拡大し、国民実質所得は毎年のように減少している。生活保護受給家庭は過去最大数を記録し更新し続けている。政府広報機関紙に堕したマスメディアは「失業率は大幅に低下した」と好景気かのように宣伝するが、職の内容を子細に報道することはない。
若者や正社員を外れた中・高齢者がいかに劣悪な労働環境で働かざるを得ないかをマスメディアは伝えようとしない。コンビニ店バイトや飲食店バイトで「安定」した家庭を営むことは不可能だ。工場勤務でも派遣社員がなかなか婚姻を考えられないのは賃金だけの問題ではない。いつ派遣切りになるのか、不安定な労働環境が彼らの人生の婚姻や子育てへの歩みを思いとどまらさせるのだ。
ここに来て、安倍自公政権は高齢者の医療負担増を求めるという。いうまでもなくすべての国民は若くして死なない限り、いずれ高齢者になる。つまり若者たちが「高齢者医療負担が増えるのは当たり前だ」と世代間戦争を前提として考えるのは余りに皮相だ。
しかも高齢者も若年時代から営々と高額医療保険を支払ってきた人たちだ。やっと保険制度により恩恵を受ける順番が回ってきた人たちだ。その人たちに対して医療費の高齢者優遇は限定的にする、というのは詐欺に等しい。何のために長年医療保険を支払って来たというのだろうか。
「国民の生活が第一」の政治を政治家が忘れて、世界各国を漫遊してバッパと札束をばら撒いて歓待されるのに気を良くしているのは困ったものだ。いかにも日本は金満大国かのように振る舞う必要があるのだろうか。
国債残1000兆円を上回る財政を楯にして国民には負担増は「当たり前」だと言いつつ、公務員報酬は毎年のように引き上げる。そして役員や特別待遇者たちを除く「公務員平均報酬」を発表して、600万円台だから高くない、などと嘯く欺瞞体質には呆れ果てる。
民間企業なら赤字に陥ればレイアウトし一時金支給が凍結されるのは当たり前だ。国や地方自治体が巨額な債務を負っているのなら、職員報酬を引き下げるのは当たり前ではないだろうか。もちろん国会議員や地方議員、知事や市町村長の報酬額も引き下げられるべきだ。彼らは選挙の時に何と言っているか、「皆様の手足となって奉仕します」と叫んではいなかっただろうか。言葉通り「奉仕」して頂きたいものだ。
腐り切ったマスメディア関係者も後継者医療費削減を報じるのに「世代間戦争」を煽る手法を駆使するのはやめるべきだ。若者たちもいずれ老人になる。高齢者の問題は高齢者だけの問題ではない、すべての国民の人生の時系列上に存在する共通の問題だ。安易な削減は高齢者の貧困問題を悪化させるだけだ。
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