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軽減税率で大幅譲歩 菅長官と創価学会に「W選密約」説
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171663
2015年12月15日 日刊ゲンダイ
なぜ官邸は公明党に花を持たせたのか(C)日刊ゲンダイ
スッタモンダした軽減税率の適用範囲は食品全般となって、公明党の言い分がそのまま通った。公明党の幹部は「ほぼ満額回答だ」とか何とか言っているらしいが、交渉の過程で明らかになったのは菅官房長官と創価学会幹部とのパイプだ。軽減税率の落としどころを決めたのは自民・谷垣氏、公明・井上氏の両幹事長ではなく、菅氏と学会幹部の“裏ルート”だったのである。さては、この密談で、来年のダブル選挙も決まったのか。
今度の決着劇で象徴的だったのが今月上旬に行われた菅官房長官と学会幹部との会談だ。ここで学会幹部は「加工食品に軽減税率を適用しなければ、高齢者や働く女性はコンビニで何も買えない」と直談判。菅氏が了承したとされるが、この時、谷垣氏、井上氏は訪中していた。当事者不在中にコトが決まっていたのだが、2人の蜜月ぶりは以前からささやかれていた。この幹部は菅の後ろ盾を得て、今や学会内では押しも押されもせぬ存在となっているほどだ。
「実は先月、創価学会では仰天の人事があった。74歳という高齢で、今期限りで引退とみられていた原田稔会長が再任され、次期会長の有力候補だった正木正明理事長が参議会副議長に追いやられた。もうひとりの会長候補、谷川佳樹氏は主任副会長となり、原田会長に何かがあれば、代行をする立場のひとりとなった。この“谷川派”の重鎮、懐刀とされるのが菅さんの密会相手です。この学会人事の裏側にも菅さんの影がちらついています」(学会事情通)
■橋下氏も絡む「改憲トライアングル」
どういうことかというと、辞任した正木理事長は平和の党の看板を守るタイプで、おそらく安倍首相嫌い。一方、谷川氏らは現実路線で、公明党が安保法制賛成に回ったのも谷川氏らの台頭と無縁ではない。そうしたら、正木理事長はスパーンと外され、菅氏は谷川派の幹部の顔を立てて目いっぱい“配慮”した。
あまりにもわかりやすい構図で、となると、次は菅氏が学会・公明党に売った恩を返してもらう番になる。だからこそ、来年の衆参ダブル選挙がまたまた取りざたされているのである。
「学会・公明にしてみれば、力が分散してしまうダブル選挙はやりたくない。だから、いくら官邸が頼んでものむかどうかはわからない。でも、安倍官邸が学会、公明に気を使う理由の半分は選挙協力、とりわけ、来年の政局次第ではダブル選挙も視野に入れなければいけないからです。あとの半分は安保法制へのお礼。実は安保法制の審議がたけなわだった昨年6月に安倍官邸は軽減税率の話を約束しているんですよ。だから、官邸は自民党、財務省がこぞって反対する案を力でねじ伏せた。当然、学会・公明は悪い気はしていないはずで、こうなると、たとえ、憲法改正の是非を問うダブル選挙になっても、条件次第で学会・公明党は協力すると思いますよ」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
安倍・菅官邸には学会・公明に加えて橋下・維新というラインもある。橋下徹大阪市長は軽減税率に大反対していたのに、安倍首相の軽減税率適用拡大を「凄すぎる」と大絶賛、「今回の公明党への大幅譲歩と引き換えに安倍首相が目指す憲法改正に公明党も賛同の可能性が高まる」とツイートしていた。菅氏、学会、橋下氏がダブル選密約をしているのだとすれば、おぞましいの一語である。
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