35. 2015年12月16日 01:22:19
: 9NYLKkKzFQ
: LW2s1j@zEEA[13]
日本でチェルノブイリ事故後甲状腺がんの超音波スクリーニングを乳がん検診時に同時に行うようにシステムを構築してその検診により何が起こったか? 韓国では超音波検査による甲状腺癌のスクリーニングが盛んになってどうなったか?日本甲状腺学会雑誌への寄稿「甲状腺癌と超音波」から始まった議論:30年前、日本は21世紀の韓国にならずにすんだけれど・・・ http://togetter.com/li/900034 nao @parasite2006 2015-11-13 18:58:33 前リツイート、チェルノブイリ事故直前の1985年10月から筑波大学で乳癌の超音波検診とセットで甲状腺癌の超音波スクリーニングを続けたら、最終的に甲状腺癌の検出率が75人に一人まで上がってしまい、過剰治療の方が心配だと言うことになって検診は中止になったと言う話。FBの議論も貴重 (↑筆者植野映氏は超音波診断装置で組織の弾性の違いを画像化して表示し、画像上である程度まで良性悪性の判断を可能とする超音波エラストグラフィの開発者として知られています。http://bit.ly/1SPI9Gc 1983年に筑波大学臨床医学系乳腺外科学講師に就任、1986年に英国留学後1987年には筑波大学講師に復職し、2004年に助教授に昇任、2012年からは筑波大学医学群臨床教授http://bit.ly/1SPHt3s 現在の韓国と同様の乳癌と甲状腺癌をセットで検査する超音波検診のスタートは英国留学前の1985年10月のことでしたが、いつ頃中止されたのかは上のFacebookの文章からはわかりません) 酋長仮免厨 @kazooooya 2015-11-14 12:38:55 @powerpc970 はい。あのFB内でも「ところが、甲状腺専門家であっても想像以上とコメントしてしまう医師もいたことがはなはだ残念であった」とあったのは、例のDAYS JAPAN記事の専門家を指してるのでしょうね^^; (あの記事を放置してるのだからそう思われても仕方がない) 「例のDAYS JAPAN記事」とはDAYS JAPAN 2015年7月号 http://www.daysjapan.net/bn/1507.html に掲載されている「福島県「県民健康調査」検討委員会「甲状腺検査評価部会」小児甲状腺がん「多発」認める」という特集記事の話ではないかと思われます。記事内容の一端はこのまとめhttp://togetter.com/li/838041 からうかがえます。記事の中で取り上げられている、福島県県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会の中間取りまとめはこちらhttp://bit.ly/1YavO2o 記事の筆者おしどりマコ・ケン両氏のうち、マコ氏は鳥取大学医学部生命科学科http://bit.ly/1YauEnl (修業年限6年で医師養成をめざす医学科と異なり、修業年限4年で医学とその関連領域をつなぐ生命科学研究者育成をめざす。卒業生の8割が大学院に進学)に3年間通った後中退http://bit.ly/1Yav39v nao @parasite2006 2015-11-12 00:24:01 @worldwideweb01 韓国の甲状腺癌の過剰診断をとりあげた論文bit.ly/1QuMZJu に韓国国内の行政単位別甲状腺スクリーニング受診率と甲状腺癌の罹患率の相関関係の図がpic.twitter.com/haSRwRwXd1 受診率10%で40件/10万人 nao @parasite2006 2015-11-12 12:35:49 @worldwideweb01 韓国では1999年から政府が無料のがん検診プロジェクトを開始。甲状腺癌は当初検診対象に入っていなかったものの、民間の医療保険会社がわずかな追加料金で乳癌の超音波検診にセットできるプランを提供し始めたことから受検が急増。(続く) nao @parasite2006 2015-11-12 12:48:41 @worldwideweb01 (続き)政府によるがん検診プロジェクト開始前年の1998年には7件/10万人程度だった甲状腺癌の全国平均罹患率が、プロジェクト開始12年後の2011年には70件/10万人まで跳ね上がってしまった。(地域別受診率10-23%) nao @parasite2006 2015-11-12 12:59:32 @worldwideweb01 この図pic.twitter.com/haSRwRwXd1 からみると全国平均は受診率17%に対し罹患率70件/10万人ぐらいのところにありそうなので、受診率が100%になれば単純計算で罹患率は5.8倍上昇し406件/10万人に。検診開始前の50倍越え 一家言 「甲状腺癌と超音波」 日本甲状腺学会雑誌 October 2015 https://www.facebook.com/notes/%E6%A4%8D%E9%87%8E-%E6%98%A0/%E4%B8%80%E5%AE%B6%E8%A8%80-%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E7%99%8C%E3%81%A8%E8%B6%85%E9%9F%B3%E6%B3%A2-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E5%AD%A6%E4%BC%9A%E9%9B%91%E8%AA%8C-october-2015/903052903106871
植野 映·2015年11月11日 一家言を唱えるほどの立場ではなく、一過言になってしまうかもしれないが、超音波一筋に研究した医師の言葉としてお許しを願いたい。 2011年3月11日金曜日午後2時45分、乳癌の手術のために患部を消毒し、覆布を掛け、術式の確認のためにタイムアウトを取った。その時に、あの東日本大地震がこの筑波の地をも襲った。震度6弱、手術台から患者を落としては命がないと必死に抑え込んだ。そのことがまだ記憶の片隅に鮮明に残っている。患者さんにはメスも入っておらず、また、手術場の酸素等の配管の確認もできないためにその日の手術は延期することにした。幸いにも手術室の看護師の一人は元お相撲さん、ストップしたエレベーターの変わりに患者さんを病室まで担いで揚げてくれた。 その翌日に水素ガス爆発が発生し、メルトダウンの恐れが一気に国民にも知れるところとなった。私の義理の母と妹はこの原子力発電所から4km離れた双葉市内に住んでおり、4日の間、連絡も取れずに行方が分からなかった。この双葉町民らは「西へ避難しろ」の誘導で北西へと向かった。奇しくもこの方向は最も放射能が漏れていった方向でもあった。私には、ヨード剤を住民は服用したのだろうかとの思いがつのった時期であった。 案の定、その後には甲状腺癌の発がんが話題に上ってきた。その時に、私の脳裏に浮かんだのはチェルノブイリ事故後の甲状腺癌発生率の急上昇である。以前、甲状腺癌の超音波診断で白ロシアに講演に招かれ、その時に超音波診断による見かけの上昇があるために現在の発生率はそのまま受け入れないほうがいいと説いたが、現地では放射線の影響で多くの甲状腺癌が発生しているの一点張り、この考えを理解はしていただけなかった。 わたくし自身は、乳がんの検診を1985年10月に茨城県メディカルセンターで視触診+マンモグラフィ+超音波の重点的な職域検診を開始した。その際に、乳癌のスクリーニングのみでは片手落ち(当時はそう判断した)と甲状腺がんの超音波スクリーニングを乳がん検診時に同時に行うようにシステムを構築した。その検診により多くの微小甲状腺癌が発見され、筑波大学ではその成果が話題となった。その6カ月後にわたくしは英国に留学したために私の上司が発表してくださいましたが、これが世界で初めてのリアルタイム超音波による甲状腺癌スクリーニングのリポートであったろうと思う。帰国後にそのスクリーニングを東野氏、角田氏らとともに継続した。その発見率はさらに上昇し、最終的には75人に一人の甲状腺癌が発見されるようになった。そのあまりにも高い検出率には返って疑問を抱くようになった。その当時の甲状腺癌の死亡者数は年間約800人、また、一般病死者の甲状腺癌の組織学的検索では30歳以上の女性の甲状腺癌の有病率は25〜30%と既に報告されていた。その当時の京都府立医大渡辺泱先生にご相談したところ、その検出率は異常に高い値だ、それが事実とすれば流行病になってしまう。前立腺がんとよく似た状況となっている。検診は慎重に行ったほうがいいとのサジェスチョンをいただいた。藤本吉秀先生にもご相談したところ、甲状腺癌の性質から考えてそこまでは検診は行わなくてもよいとのご意見をいただいた。このままではOver Surgeryになるとその甲状腺癌の超音波による検診は中止にした。その20年後に韓国では超音波検査による甲状腺癌のスクリーニングが盛んとなり、甲状腺癌が罹患率トップとなってしまった。無策にスクリーニングを行ってしまった結果である。 その二つの経験から福島の原発事故が発生したときに、今後、甲状腺がんのスクリーニング問題がおこるだろうと予測した。チェルノブイリの二の舞はさすがに防がなければならない。このままでは5年後に超音波がスクリーニングに導入され、多くの甲状腺癌が検出される。原発事故による被曝の影響と解釈され、国策を誤ると考えた。 乳腺甲状腺超音波診断会議が2011年7月に自治医大で開催され、その理事会で放射線による影響が出る前にスクリーニングを行う必要があることを提案した。福島県立医大の鈴木教授にはすぐに快諾をいただきJABTSの総意を挙げて全面的に協力することが決まった。その後は、各学会の応援をも得て今の体制が鈴木教授を中心として構築されていった。 小児甲状腺癌の超音波によるスクリーニングの成績はそれまでにはなかったために現行のスクリーニングの施行は致し方のないところではあったが、第1順目の結果は、わたくしからすれば想定内でもあった。ところが、甲状腺専門家であっても想像以上とコメントしてしまう医師もいたことがはなはだ残念であった。おそらくは甲状腺癌に対する超音波の検出率の高さを理解していなかったのであろう。ましてや一般の医師の反応は致し方ないでしょうか。それにしても評論家が甲状腺癌の特殊性、超音波の検出能力について理解もせずに間違ったコメントをしたり、TVが事前調査もせずに報道したのには閉口した。 この誤謬はまだまだ続くであろうが、第2順目では甲状腺癌の検出率は低下するとわたくしは睨んでいる。それは第1順目で潜在的な甲状腺癌が検出されているからである。その結果が出て、初めて原発事故の影響がなかったといえるであろう。少しでも高値を示したのであれば原発事故の影響は否定できないことになる。 一方、心残りは、本当にこのような大規模なスクリーニングが必要であったかの疑問である。福島県外でのスクリーニングは論外である。これは香川の武部氏も述べているが、彼はわたくしと同じく、超音波による甲状腺癌のOver Surgeryを唱えており、小児でも同じであると警鐘を鳴らしてきた。確かにOver diagnosis、Over surgeryであれば多くの子供に過大な害を与えたことになる。今までの確定したデーターに基づき検討しなければならない。過大な害を防ぐためにも現在のスクリーニングをできるだけ早期に終了にしたいと願う此の頃である。 文献 (1)相吉悠治、牛尾浩樹、吉田明、その他:超音波検査下に発見された甲状腺癌の臨床的・病理組織学的検討、第19回甲状腺外科検討会(別府)、1986年 論文読者に対する津田敏秀氏の反論への皆さんの反応 http://togetter.com/li/889541
なとろむ @NATROM 2015-10-20 09:04:11 韓国の成人の甲状腺がんの罹患率は検診開始後に15倍になったけど、これは「スクリーニング効果」の最大値というわけではない。韓国では甲状腺がん検診を受ける人の割合がだいたい10−20%ぐらい。もし100%の人が検診を受けたら、甲状腺がんの罹患率は75〜150倍まで上がりうる。 Seishi ONISHI @funkyfungifun 2015-10-20 16:04:25 津田氏はこの韓国の論文がスクリーニングで15倍としているのを明らかに誤読している。 2つ目の図を見ればわかるのだが、これは検査を受けた人が分母ではなく、全住民が分母で、検査を受けた人はその一部であるという事を理解していない。 http://linkis.com/www.nejm.org/action/dshev Seishi ONISHI @funkyfungifun 2015-10-20 16:08:17 この論文では住民の受診割合と患者数が比例関係にあり、100万人の10%が受診すると(受診者は1万人)40人程度に見つかる割合であることを示している。 つまり、仮に100万人全員が受診すると400人程度に見つかるだろうということ。 http://linkis.com/www.nejm.org/action/ecjQo (↑10%が受診して受診者数が1万人なら、もとは100万人ではなく10万人でした↓) Seishi ONISHI @funkyfungifun 2015-10-20 16:11:53 @funkyfungifun しまった。 訂正:100万人でなく、10万人ね。 Seishi ONISHI @funkyfungifun 2015-10-20 16:15:36 (承前)以前のレベルが4人前後だったから、400人はおよそ100倍程度になる。 つまり、韓国での大人の甲状腺癌スクリーニング効果は、受診者を分母にすると、15倍ではなく100倍程度になるってこと。 福島と比較すべきはこちらだ。 http://www.ksa.ch/public/pocketguide/Appendix/21%20SD-Ca%20overdg%20by%20screening%20-%20NEJM%2014.pdf なとろむ @NATROM 2015-10-20 09:04:54 日本の検診のデータ(成人)では、検診を受けた人の約0.5%ぐらいに甲状腺がんが発見される。もし全員が甲状腺がん検診を受けたら、10万人あたり500人の甲状腺がんが発見される。甲状腺がん罹患率がだいたい10万人あたり7人ぐらいだから、だいたい70倍ぐらい。 なとろむ @NATROM 2015-10-20 09:05:47 甲状腺がんではその気になれば「20-50 倍というような大きなスクリーニング効果」が生じうることは、自明だと思う。 なとろむ @NATROM 2015-10-20 09:06:31 小児の場合はまた別の議論が必要だけど、分母である「平常時の罹患率」がすごく小さいから注意。相対リスクだけではなく絶対リスクでの比較も必要。極端な仮定においては「スクリーニング効果だけで無限大倍」ということすらありうる[ http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130422#p1 ] |