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最新鋭装備を配備したから思いやり予算を増やせという米国ー(天木直人氏)
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12th Dec 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
思いやり予算をめぐる日米交渉では、どのようなやり取りが行われているのか、
まったく国民には知らされないままだ。
どの国会議員も政府に質問しようとしない。
メディアも書こうとしない。
伝えられるのは、前年並みで決着する見通しになったという事ばかりだ。
そんな中で、報じられるやりとりの一端として、
「日本は安保法制の成立によって自衛隊の海外協力ができるようになったから、
思いやり予算を減らしたいと日本が求めたのに対し、米国が応じなかった、というのがある。
それについて私は書いた。
こんな米国の言い分を黙って受け入れるのは噴飯物である。
なぜならば安保法を強行採決した時の安倍政権の言い訳が、湾岸戦争のトラウマだったからだ。
すなわち、カネだけ出しても評価されない。
自衛隊が米国と共に戦う事が出来るようにしなければならない。
それが集団的自衛権の行使容認、つまり安保法の強行採決の理由だったはずだ。
ところがそれがまったく米国に通じなかった。
日本側の勝手な解釈だったことが明るみになったということである。
そう私は書いて思いやり予算交渉の対米従属ぶりを批判した。
そして今度は、オスプレイやイージス艦である。
12月12日の毎日新聞がこう書いている。
「米側はリバランス政策に基づき、
在日米軍基地にオスプレイやイージス艦など最新鋭装備を配備したことに伴う負担増を求めた」と。
こんな馬鹿な話はない。
そもそもリバランス政策とは米国が言い出したことだ。
しかもリバランス政策は米国のためのアジアにおける防衛政策の変更である。
おまけに、在日米軍は日本を守るものではない事も明らかにされている。
それだけではない。
最新鋭兵器のオスプレイやイージス艦は、
日本(自衛隊)も巨額な予算を支払って米国から買わされている。
その上で、さらに思いやり予算までも増やせというのは、おんぶにだっこだ。
よくもこんな交渉が行われているものだ。
しかも、米側は微増ではまだ足りないと言って、交渉は継続中だという。
とんでもない話である。
思いやり予算を官僚たちだけで決めさせてはならない。
いまこそ日本国民の監視の下で、国民的合意を得て決める時である。
◇
思いやり予算 1年1880億円…現状維持で米国と調整
http://mainichi.jp/articles/20151212/k00/00m/010/094000c
毎日新聞2015年12月11日 20時20分(最終更新 12月11日 20時59分)
政府は、2016年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について、現状維持とする方針で米政府と最終調整に入った。1年当たり1880億円規模になる。しかし、アジア太平洋地域に安全保障の軸足を移す「リバランス(再均衡)」政策を進める米側は増額を求めており、協議は難航している。
思いやり予算を巡っては、支出の根拠となる原則5年ごとの特別協定が今年度末で期限を迎えるため、今年夏から日米間で外務・防衛の審議官級協議が続いている。現行の協定は10年度の1881億円の水準を維持する内容。基地で働く日本人従業員の労務費が人事院勧告で引き上げられたことを踏まえ、15年度は1899億円だった。
日本側は当初、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法の成立で自衛隊の役割が拡大することを理由に、従業員労務費や基地内米兵住宅の光熱費などの負担割合を減らすよう主張し、思いやり予算の減額を提案した。これに対し、米側はリバランス政策に基づき、在日米軍基地に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイや弾道ミサイル対応型イージス艦など最新鋭装備を配備したことに伴う負担増を求めた。
政府は「このままでは日米関係に悪影響が出かねない」(防衛省幹部)と判断し、今月に入って現行水準の1880億円規模にする譲歩案を示したが、米側はなお受け入れていない模様だ。日本側は週内の決着を目指していた。
思いやり予算は1978年度から始まり、最高額は99年度の2756億円。その後、減り続けていたが、前回10年の改定交渉は現状維持で妥結した。【村尾哲】
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