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中国の原発増設をうらやむ読売新聞のなさけなさ
http://new-party-9.net/archives/3019
2015年12月12日 天木直人のブログ 新党憲法9条
何かにつけて中国を批判的に書く読売新聞が、原発増設を進める中国については、うらやましいと言わんばかりの社説を掲げている。
きょう12月12日の社説「中国の原発増設 世界を席巻する日が来るのか」という社説がそれだ。
その要旨はこうだ。
世界原子力協会によると中国で運転中の原発は30基にのぼる。43基を有しながら再稼働が進まない日本を除くと、米国、フランス、ロシアに続き実質4位の原発国だ。習近平政権はさらなる増設を検討している。現地の報道では来年以降は年6−8基増設し、2030年には米国の99基を上回る101基まで増やす方針だ・・・
こう書いた後で、中国を手放しでほめられない読売は、こう批判的その社説を続ける。
その安全性には疑問点が多い。深刻な原発事故が起これば日本にも甚大な影響が及ぶ。もともと中国の原発は独自技術に乏しい。その一方で中国は近年輸出攻勢が目立つ。英国やパキスタン、南米、アフリカに売り込みを図っている。運転実績のない原子炉が世界を席巻する現状は問題だ・・・
ここまで書くのなら、だから原発増設は止めろ、欠陥原発を世界に売り込むな、と書いてもよさそうだが、読売の社説はそうではない。次のように日本も負けるなと書いているのだ。
日本にとっても、原発はインフラ輸出の柱のひとつだ。技術力をさらに向上させ、実績を積み重ねる事が重要である。そのためには国内での新増設も検討せねばならない・・・
驚くべき社説だ。
福島事故で原発の危険性と非人道性を身をもって体験したはずの日本が、中国との対抗意識から、原発再稼働、原発新設を主張している。
愚かだ。
中国に勝てるチャンスをみすみす捨てている。
この事は防衛力の増強についても全く同じだ。
二度と戦争の惨禍を招いてはいけないという反省から憲法9条を大切にしてきた日本が、その憲法9条を捨てて防衛力強化に走る。
すべては中国と競い合い、負けてはならないと考えるからだ。
それが正しい競争なら大いにすればいい。
しかし、原発増設といい、軍事力増強と言い、中国が間違った方向で国力の伸長を目論むときに、それと競い合うほど愚かな事はない。
憲法9条を掲げ、福島原発事故という「災い」を転じて、原発は人類と共存できないという教訓を得るという「福」となす日本こそ、中国に対し、軍拡も原発増設も間違いだと主張できる唯一の国なのだ。
その二つこそ、日本が中国に決して負けることのない強みなのである。
ところが、それを捨てて中国と競い合う。
勝てるはずがない(了)
◇
中国の原発増設 世界を席巻する日が来るのか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151211-OYT1T50194.html
2015年12月12日 03時07分 読売新聞社説
中国が原子力発電所の建設を加速している。安全性は確保されているのか。不安を拭えない。
世界原子力協会によると、中国で運転中の原発は30基に上る。43基を有しながら再稼働が進まない日本を除くと、米国、フランス、ロシアに次ぎ、実質4位の原発国だ。
習近平政権は、さらなる増設を計画している。石炭火力発電に伴う深刻な大気汚染や、エネルギー需要の増大に対応するためだ。
現地の報道では、来年以降5年間は年6〜8基を増設し、2030年には、米国の99基を上回る110基にまで増やす方針だ。
問題なのは、原発に関する情報が極めて少ないことだ。
中国の原発は、1994年から運転を開始し、その後、急ピッチで増設が進んできた。
ただし、規制基準の詳細は公表されておらず、安全確保策の現状には不明な点が多い。放射能漏れや事故故障などのトラブルが公式に開示された例は少ない。
情報が乏しいと、不安は増幅する。日本政府は、情報収集を強化する必要がある。
中国からは、偏西風に乗って黄砂や大気汚染物質が飛来する。深刻な原発事故が起これば、日本に甚大な影響が及ぶ恐れがある。
沿岸部に原発が偏在している現状は軽視できない。中国政府は、東京電力福島第一原発の事故以降、内陸部での原発建設を制限している。事故時に国内に影響が及ぶのを警戒しているのだろう。
元々、中国の原発は独自技術に乏しい。欧米や日本の技術を導入し、組み合わせたものだ。日本は原子炉の圧力容器など、中核となる部品を供給している。
近年は輸出攻勢が目立つ。習国家主席が10月に訪英した際には、仏の原子炉を改良した中国炉「華竜1号」を建設することで、キャメロン英首相と合意した。
英国はかつて、原発の先進国だったが、増設がストップし、技術力が衰退した。建設費が安く、増設で経験を積む中国に頼らざるを得なかったと言えよう。
中国はパキスタンでも、華竜1号を建設中だ。南米やアフリカ諸国にも売り込みを図っている。
華竜1号は、おひざ元の中国でも建設の途上だ。運転実績のない原子炉が世界を席巻しつつある現状には、問題が多い。
日本にとっても、原発はインフラ輸出の柱の一つだ。技術力をさらに向上させ、実績を積み重ねることが重要である。国内での新増設も検討せねばならない。
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