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Peace Philosophy Centre December 11, 2015 より
「靖国・天皇制問題情報センター通信」11月27日号の横田耕一氏(憲法学・九州大学名誉教授)の巻頭発言は、「安保法制」反対運動について、自分も抱いていたが言葉にならなかった疑問を解き明かしてくれている一文と思い、許可を得て転載します。@PeacePhilosophy
http://peacephilosophy.blogspot.jp/search/label/In%20Japanese%20%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E6%8A%95%E7%A8%BF
憲法第9条に対する政府解釈の変化
1950年(昭和25)
GHQマッカーサー元帥による警察予備隊創設命令に関する吉田首相の参議院での答弁
「警察予備隊の目的は全く治安維持にある。それが国連加入の条件であるとか,用意であるとか,再軍備の目的であるとかはすべて当たらない。日本の治安をいかに維持するかというところにその目的があり,従ってそれは軍隊ではない。」
1952年(昭和27)
政府,「戦力」に関する統一見解発表
1.憲法第9条第2項は,侵略の目的たると自衛の目的たるとを問わず「戦力」の保持を禁止している。
1.右にいう「戦力」とは,近代戦争遂行に役立つ程度の装備,編成を具えるものをいう。
1.「戦力」の基準は,その国のおかれた時間的,空間的環境で具体的に判断せねばならない。
1.憲法第9条第2項にいう「保持」とは,わが国の保持の主体たることを示す。米国駐留軍は,米国の保持する軍隊であるから憲法違反ではない。
1954年(昭和29)
自衛隊の合憲性=自衛権の存在(鳩山内閣の統一見解;衆・予算委大村防衛庁長官答弁)
ア 憲法は、自衛権を否定していない。
自衛権は、国が独立国である以上、その国が当然に保有する権利である。憲法はこれを否定していない。したがって、現行憲法の下で、わが国が、自衛権を持っていることは、極めて明白である。
イ 憲法は、戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。
@ 戦争と武力の威嚇、武力の行使が放棄されるのは、「国際紛争を解決する手段としては」ということである。
A 他国から武力攻撃があった場合に、武力攻撃そのものを阻止することは、自己防衛そのものであって、国際紛争を解決することとは本質が違う。したがって、自国に対して武力攻撃が加えられた場合に国土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない。
自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議(参議院本会議)
本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動は、これを行わないことを、ここにあらためて確認する。
右決議する。
1955年(昭和30)
鳩山首相,憲法改正問題について
「直接または間接の侵略に対しては,自衛権を持っているという解釈は正しいものと思っております。しかし,憲法第9条を何も考えないで読みますと,そういうような程度の兵力すら持てないように見えますから,そういうあいまいな規定は直した方がいいと思っております。」
1972年(昭和47)
「昭和47年政府見解」の要求質疑における吉國内閣法制局長官答弁
「その防げなかった侵略が現実に起こった場合に、これは平和的手段では防げない、その場合に『生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利』が根底からくつがえされるおそれがある。その場合に、自衛のため必要な措置をとることを憲法が禁じているものではない、というのが憲法第九条に対する私どものいままでの解釈の論理の根底でございます。その論理から申しまして、集団的自衛の権利ということばを用いるまでもなく、他国が――日本とは別なほかの国が侵略されているということは、まだわが国民が、わが国民のその幸福追求の権利なり生命なり自由なりが侵されている状態ではないということで、まだ日本が自衛の措置をとる段階ではない。日本が侵略をされて、侵略行為が発生して、そこで初めてその自衛の措置が発動するのだ、という説明からそうなったわけでございます。」
「憲法第九条に自衛権があるとも、あるいは集団的自衛権がないとも書いてございませんけれども、憲法第九条のよって来たるゆえんのところを考えまして、そういう説明をいたしますと、おのずからこの論理の帰結として、いわゆる集団的自衛の権利は行使できないということになるというのが私どもの考え方でございます。」
1980年(昭和55)
自衛隊の国連軍への派遣(衆議院稲葉誠一議員の質問主意書に対する答弁書)
いわゆる「国連軍」は、個々の事例によりその目的・任務が異なるので、それへの参加の可否を一律に論ずることはできないが、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないと考えている。これに対し、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴わないものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されないわけではないが、現行自衛隊法上は自衛隊にそのような任務を与えていないので、これに参加することは許されないと考えている。
自衛隊と戦力(衆議院森清議員の質問主意書に対する政府答弁書)
憲法第9条第2項の「前項の目的を達するため」という言葉は、同条第1項全体の趣旨、すなわち、同項では国際紛争を解決する手段としての戦争、武力による威嚇、武力の行使を放棄しているが、自衛権は否定されておらず、自衛のための必要最小限度の武力の行使は認められているということを受けていると解している。
したがって、同条第2項は「戦力」の保持を禁止しているが、このことは、自衛のための必要最小限度の実力を保持することまで禁止する趣旨のものではなく、これを超える実力を保持することを禁止する趣旨のものであると解している。
1990年(平成2)
国連平和協力隊への参加と協力についての政府統一見解
「国連軍」への関与のあり方には,「参加」と「協力」とがある。「参加」とは,国連軍の指揮下に入りその一員として行動することを意味し,…‥自衛のための必要最小限度の範囲を超え,憲法上許されない。
これに対し『協力』とは,国連軍への参加を含む広い意味での関与を表すものであり,国連軍の組織の外にあって『参加』に至らない各種の支援を含む。国連軍の目的・任務が武力行使を伴うものであっても,それがすべて許されないわけではなく,国連軍の武力行使と一体とならないようなものは,憲法上は許されると解される。」
外国の領土における武器の使用(工藤法制局長官答弁;衆議院・国連特別委員会)
(外国の領土における)応戦ということの意味でございますけれども、いわゆる武力の行使のような、武力の行使に当たるようなことはできません。そういうことを意味しての応戦でございましたら、これはできないと申し上げるべきことだと思います。
それに対しまして、……いわゆる携行している武器で、危難を避けるために必要最小限度の、いわば正当防衛、緊急避難的な武器の使用ということであれば、これは事態によっては考えられないことはない。ただ、それはいわゆる応戦、通常言われるような意味におきます応戦というふうなものではございませんで、あくまでも護身、身を守りあるいは緊急に避難する、こういう限度において、言ってみれば、本来は回避すべきところでございましょうけれどもそのいとまがないというふうなときに限定されて認められる、こういうふうに考えております。
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