http://www.asyura2.com/15/senkyo197/msg/812.html
Tweet |
医龍 亮
憲法9条長いこと、日本の政治闘争、論争の中心にあった。そして今もそうである。
左派メディア、右派メディアのとも、多くの雑誌、テレビが憲法9条の特集を行う。
テレビ討論でも頻繁に論題となる。左翼の多くの人は、憲法9条を命をかけても守りた
いものだと本気で思っているし、憲法9条を世界遺産へというような動きもある。もち
ろん世界遺産となれば、護られるものとして既成事実化しようと思っているのだろう。
もちろん、右側の人間は、憲法9条を苦々しいものとしてみている。9条を戦後占領期
間にアメリカら植え付けられた「桎梏」のようなものであるとみなし、日本は、9条の
改定なくしては、真の独立はありえないとまで論じている人たちもいる。もちろん思考
の背後には、北朝鮮や中国といった敵対する国々との関係を考えてのことである。
左派、右派、どちらにしても、憲法9条の日本の政治問題における「核心」であると
看做している人がほとんどである。どちらにとっても9条こそが政治問題における最も
プライオリティーの高いものであり、あらゆる手段を使って、護りたい、あるいは改憲
したいと思っている。冗談抜きに、武力を行使してでも、護りたい、あるいは、改憲
したいと思っている人が大勢いる。
自分は両派とは意見が異なる。自分の主張は以下のとおりである。
「憲法9条は、改憲する価値もないし、護憲する価値も無い。そもそも日本にとって
無価値なものである。かといって害になっているものでもない。ようするに、日本に
とって単なる無害、無益なものである」。
これを憲法9条空転論と呼ぼう。
まず、憲法9条を改憲する根拠がないことを論じる。
1.自衛隊は、現行憲法で合憲と判断が下っている
憲法9条を改定しなければ理由が、あれば自衛隊が違憲判断された場合である。
いくら左派でも、北朝鮮や中国、韓国とのトラブルを抱えたまま、自衛隊を丸々廃止
することができないことは、理解できるだろう。仮に、日米安保で米軍にすべて護って
もらうとしても、安保協定など未来永劫続くものではないし、たとえば、アメリカの
隣国への関係が逆転して、中国との関係を最優先するというような外交判断が下ること
など、十分にありうる。そうした場合は、たとえば、尖閣の強引な占拠などもアメリカ
判断で寛容される可能性は高い。
しかし、現行憲法でも自衛隊は、合憲との判断が下っている。少なくとも自衛のための
軍隊を持つことは許されているのである。自衛隊存続のために改憲する理由が無い
2.現行憲法下でもある程度の国際協力はできる、また、アメリカの要請を断る根拠とな
りうる
PKO法案を見てのとおり、現行の憲法でも国際的な軍事協力、あるいは、紛争地域で
の経済協力は十分できる。さらに言うと、憲法の存在が、アメリカの軍事協力の要請を
断ることのできる理由としてきちんと機能してる。憲法が無い限り、アメリカは、日本
を経済大国として、現行のイギリスレベルの軍事的な協力を要求してくる可能性がある
。そういった軍事協力をした際の日本の国益から考えたメリットは、ほとんど無いと
いっていいだろう。アメリカの国益のためだけに、莫大な費用と人員を浪費することに
なる可能性は高い。
とすると、憲法9条を改定しなれば理由はほとんど無くなる。あえて理由を述べる
なら以下のとおりである。
自衛隊を、解釈論無くきちんと認められる存在としたい。
現行の憲法をまともな人間として常識的な読み方をすると、どう考えても自衛隊の
存在は、違憲だと判断せざるを得ない。自衛隊が合憲とされているは、奇妙な憲法の
解釈論、言葉の屁理屈によるものとせざるを得ない。それを、誰が見ても自衛隊が合憲
と判断できる、きちっとした憲法に改定したいというわけである。
しかし繰り返しになるが、現行憲法でも合憲の判断が下っているのである。実利を
基に考えると、改憲するためのメリットが無い。
このように、現行の憲法を改憲するメリットが無いことを論じたが、同時に護る価値
も無いことを論じる。
左派の主張は以下のとおりである。
憲法9条はがあったからこそ日本は、戦後平和を保てた
一種の背理法で、反論可能である。世界中ほとんどの国家が、憲法9条のような法
を持っていない。にもかかわらず、戦後それらのほぼすべての国が、戦後平和を享受
できた。
理由は、平和憲法のせいでもなんでもなくて、第二次大戦後、帝国主義的思想が
終わり、帝国が植民地化と侵略戦争を行うことがなくなったからである。だから、
ほとんどの国が侵略的領土戦争に巻き込まれることが無くなった。
と同時に、日本は平和憲法を持っているにもかかわらず、国境紛争を3国との相手に
抱えている国である。平和憲法が、領土問題にまるっきり役に立たないのは、明らかで
ある。
このように憲法9条と戦後日本が平和だったことは、ほとんど何の関係も無いので
ある。
結論的をまとめると、憲法9条は、自衛隊が合憲であると判断されている以上、改憲
する価値もないし、かといって、戦後日本を護ってくれた至上の価値のあるものでも
ない。ほとんど、価値の無いものである。無害、無益という代物である。
それを日本国家を大きく左右する日本の政治の中心的な論争対象とみなし、憲法9条
を命をかけても護るべきものだとか、日本に突き刺さっている最大の癌とか、まったく
理解できないのである。必死に声高に主張している人たちがシュールにしか見えない。
無価値なものに対してわめき散らしているのである。
※ とりあえず、言論を表現できる場所を探していて、阿修羅はレスがつくので、
阿修羅に書き込みます。とにかく、1、わかりやすさ、2、独自の視点をモットーに
書き込みます。経済学はそれなりに専門知識があります。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK197掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。