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一度は引退するも、橋下氏の国政デビューの可能性があると古賀氏は予測する
橋下大阪市長は「大阪のプーチン」になる
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151207-00057777-playboyz-pol
週プレNEWS 12月7日(月)6時0分配信
大阪府知事・市長のW選が終わった。おおさか維新の会の大勝となった大阪府知事・市長の“維新”バトルーー。
『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏は、この勝利は橋下徹氏が国政進出する第一歩だという。
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大阪府知事・市長のW選は、橋下徹大阪市長率いる「おおさか維新の会」(以下、おおさか維新)の圧勝で終わった。
維新の党(以下、維新)との分裂で、衆参19議席の小勢力になったおおさか維新だが、このW選で息を吹き返した。国政での影響力UPは確実だ。
まず考えられるのは野党再編への波紋だ。現在、民主と維新は再編・統合を目指している。だが、この動きに背を向けて、おおさか維新との連携に動く民主、維新議員が出現するはずだ。
なぜか? 民主、維新の支持率は両党合わせても10%ほど。これでは一緒になっても政権支持率4割台をキープする安倍自民にはとても対抗できない。
そこで、おおさか維新の復活が鮮明になった今、別の野党再編シナリオが急浮上している。民主党の前原誠司(せいじ)元外相、細野豪志(ごうし)政調会長など、これまで橋下市長と近いにもかかわらず、「橋下新党はジリ貧に終わる」と見て合流をためらっていたグループが大挙しておおさか維新に合流するか、あるいは新党を作り、おおさか維新と統一会派を結成する可能性が出てきた。その結果、残りの民主党は弱体化する。
おそらく、おおさか維新は今後、「東北維新の会」「九州維新の会」など「維新」の名称を冠した地域政党を各地で立ち上げるだろう。そうなれば、残った維新本体は埋没して存在感を失う。今の党名では選挙もろくに戦えず、解党か、さもなくば党名を改称して再起を期すしかない。
こうなると、心配なのは来年の参院選後だ。参院選でおおさか維新はさらに党勢拡大は確実。橋下市長は憲法改正が悲願の安倍首相に「あらゆる協力を惜しまない」とエールを送っている。自民や次世代、新党改革など憲法改正を目指す勢力におおさか維新を加えて3分の2以上になれば、憲法改正発議が一気に現実味を帯びる。
橋下市長からも目が離せない。引退を公言したので一度は政界から身を引くだろう。しかし、橋下市長は同時に「私人になった後は自由にやらせてもらう」とも発言している。
橋下待望論は根強い。ロシアのプーチン氏が一度、大統領から首相に退き、しばらくして再び大統領に復帰したように、橋下市長も早ければ来年の参院選、あるいはその後の衆院選に出馬して国政デビューということになるのではないか?
政界はタカ派が勢力を増している。一方、「戦争できる国づくり」に反対するリベラル政党は元気がない。反安倍、反安保法制の受け皿となる信頼できる政党が見当たらず、リベラル層は選挙のたびに漂流している。
このW選挙は「改革」を叫ぶおおさか維新候補に、共産と「共闘」して野合批判を浴びた自民推薦候補が負けた。その意味では、自民、共産、民主、いずれも敗者だ。
しかし、本当に敗北を喫したのはリベラル層の市民である。デモでは盛り上がったが、4年前から決まっているこのW選挙に反安倍、反橋下のリベラル票の受け皿となる自前候補を擁立できなかったからだ。
今回の選挙を受けて、リベラルの市民層は来年の参議院選に向けて、他人任せではなく、自らが主導して信頼できる候補者を立てるしかないことに気づくべきなのだ。
●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元幹部官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して2011年退官。著書『日本中枢の崩壊』(講談社)がベストセラーに。著著に『国家の暴走』(角川oneテーマ21)
(撮影/山形健司)
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