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<パリ同時テロ>日本でも「共謀罪」求める声、弁護士「捜査権の濫用になりかねない」
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2015年12月05日 10時41分 弁護士ドットコムニュース
パリの同時多発テロを受け、犯罪計画の謀議に加わった段階で処罰する「共謀罪」を新設するなどの法整備を求める声が、日本国内であがっている。
報道によると、自民党の高村正彦副総裁は11月中旬、党の役員連絡会で「テロの資金源対策を含む国際条約ができているにもかかわらず、日本には国内法が準備されていない」として、法整備を急ぐ認識を示した。
これまでも共謀罪を法制化しようとする動きが何度かあったが、そのたびに廃案に追い込まれている。そもそも「共謀罪」とは、どのような罪なのだろうか。どんな問題があるのか。刑事事件に詳しい櫻井光政弁護士に聞いた。
●コンビニで万引きを計画した不良グループも「共謀罪」
「以前、国会に提出された法案を前提にお話しします。『共謀罪』とは、集団で犯罪について共謀した場合にこれを処罰するというものです。日弁連は、処罰範囲が著しく広がることや、刑事手続の面で警察のフリーハンドが拡大する恐れがあることを理由に反対しています。
政府は、共謀罪を成立させないと国連越境組織犯罪防止条約に批准できないかのような説明をしていますが、そのようなことはありませんし、国連が批准の適否を審査するわけでもありません」
櫻井弁護士はこのように述べる。具体的には、どんな点を問題視しているのだろうか。
「政府は、あたかも共謀罪は重大事件のみを対象とするかのようにいいますが、窃盗や傷害も対象になり、対象となる犯罪は刑法犯を含めて600を数えます。
また、団体の活動として行う場合に限るといいますが、たとえばコンビニで万引きを繰り返すような不良グループなどもこれに含まれますから、その外縁は果てしなく広がります。
さらに、特定の犯罪が実行される危険性のある合意が成立した場合に限って処罰するとのことですが、その危険性の判断は初期においては捜査機関が行いますから、濫用防止の歯止めにはなりません。
極端な話、たとえば不良の1人を捕まえて、仲間と一緒にコンビニの万引きを計画したと自白させれば、実際には1件の窃盗も実行されていない場合でも、共謀罪で処罰することが可能になります。
このような『罪』の新設は、到底許すことができません」
櫻井弁護士はこのように述べていた。
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